東京からのフライト時間が約4時間という香港。歩くだけでもエネルギーチャージされるカラフルな風景と、古今東西の文化が融合する個性は強烈で、一度訪れると虜になる人が多い場所。限られた時間で香港の魅力と異国情緒を最大限に味わいたい方に向けて、往復に深夜便を利用した24時間香港旅を提案しよう。

香港は、日本とは異なる風景や空気感にどっぷり浸かれるのが魅力の場所。
※2026年4月2日現在。
6:00
香港国際空港に到着!
空港と都心部の香港駅をおよそ24分でつなぐエアポートエクスプレスは、到着ロビーと同じ階に駅があってアクセス抜群。香港駅からは、地元の交通手段である地下鉄MTRやトラム、スターフェリー、そしてタクシーもフル活用すれば、一日中効率よく動き回ることができる。ぜひ準備しておきたいのは、香港の交通系カードであるオクトパス(Octopus for Touristsアプリを日本で入手可能)と現金。香港では意外なほど、ローカルな飲食店やタクシーなどで現金払いのみの場所が多いので、300香港ドル(約6000円)分くらいは両替しておくと安心。
8:00
朝飲茶で一日を元気にスタート
香港は伝統的に朝活が盛んな土地柄。早朝6時頃から営業している飲茶店は、熱々の点心と中国茶を楽しむ地元客で大賑わい。
せっかくなら昔ながらのワゴンサービスを体験したいという方には、創業100年を超える上環(Sheun Wan)の蓮香樓(Lin Heung Lau)が、昔ながらの素朴な点心の数々をローカルな雰囲気の中で楽しめておすすめ。特に朝8時頃が混雑するため、週末などは席を確保して目当ての点心をゲットするのに苦労する場合がある。

老舗の点心はホクホクと素朴で心も体も温まる。まずは中国茶を注文して、その後にワゴンから好きな点心を選ぼう。混雑時には注文票を持って、自らワゴンに取りに行くのもお勧め。※現在、蓮香樓は近隣への移転準備中で4月後半に新装オープン予定。日程がはっきりしないため、オープンしていないリスクを避けたい方は、新たにオープンした24時間営業の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)支店がお勧め。アクセスは、香港駅から駅構内を歩いて、赤い荃湾線(Tsuen Wan Line)で2駅なので簡単。
ワゴンはなくても、もっとのんびり地元の人に囲まれて朝飲茶をという方におすすめの穴場が、西営盤(Sai Yin Pun)の新興發點心(New Hing Fat Dim Sum)。香港駅の近くからトラムに乗っていけば道中も楽しめる。
飲茶店では相席が当たり前のため、同卓の方たちが話しかけてくれたり、食べ方を教えてくれたりすることもある。そんな触れあいが楽しめたら、素敵な一日の始まりになりそう。
10:00
最強の開運スポット、ビクトリアピークに登る
腹ごしらえが済んだら、香港で最も有名な観光地であるビクトリアピークへ。1888年に創設されて2022年に最新技術を使ってアップデートされたピークトラムに乗って、最大傾斜25.7度を駆け上がってみよう。頂上では、海と山と大都会がひとつに混ざり合った、香港ならではのダイナミックな風景に心が弾むはず。風水に従って都市設計された香港の中でも、ビクトリアピークは最も縁起が良いパワースポットとしても人気が高い。

急斜面を一気に駆け上がるピークトラム。大きな窓からは雄大な景色が楽しめる。
11:00
マストなローカルグルメ、海老雲吞麺を押さえる
プリプリの海老をつるりとした薄皮が包む雲吞、海老の殻と干しヒラメを出汁にした風味豊かな上湯(シャンタン)スープ、独特のコシが忘れられなくなる細麺。この誰もが愛するゴールデントリオが、香港名物の海老雲吞麺だ。中環(Central)に本店がある1920年創業の麥奀雲吞麵世家(Mak's Noodle)は、13軒ある支店の1つがピークにあり、本店と同じ味をここでも楽しめる。
12:30
最注目のアートスポット、M+で過ごす午後
最先端のアートスポットへ。絶対に見逃せないのは、2021年にアジアのビジュアルアーツを俯瞰するモダンミュージアム、M+(エムプラス)。展示面積17,000m²という規模で、とても1度の訪問では回り切れない! 日本国内では見られないような切り口で日本のアートが取り上げられているので、日本人にとっても新鮮な体験になる。初訪問なら、日本のデザインがアジアでどう重要視されているかを体感できるイーストギャラリー、世界有数の中国現代美術コレクションが見事なSiggギャラリーなどをまずはチェック。ミュージアムショップが充実しているので、そちらもお見逃しなく。

ビクトリアハーバーに面したM+の巨大スクリーンには、短編フィルムなどが映されることも。photography: Kitmin Lee Courtesy of M+, Hong Kong
15:00
ラグジュアリーの聖地ランドマークで目の保養
グローバルファッションブランドを常にチェックしている方にとって、とても興味深いと好評なのが、香港のショップでの品ぞろえ。大胆でカラフルなデザインなど、日本では見かけないアイテムが多い。地元の洗練された富裕層がターゲット層である中環のランドマークは、アジアのフラッグシップやメゾンレベルの店舗が揃う、グローバルブランドの聖地的存在だ。
また、ランドマークの一部であるランドマーク・チェーターには、2フロア、専有面積2230m²にもおよぶ国際オークションハウス「サザビーズ・メゾン」が2024年にオープン。美術館レベルの展示品は、恐竜の骨から希少価値の高いバーキンなどのビンテージハンドバッグ、彫刻、工芸品、現代アートにデザインジュエリーまで多種多様。5000香港ドル~5000万香港ドル(約10万円~10億円)で購入可能という逸品の数々に囲まれて、目の保養となるひとときを過ごしたい。

敷居が高く思えるオークションハウスを美術館感覚で訪ねられるサザビーズ・メゾン。photography: Sotheby's Maison
16:00
渦巻き線香が幻想的な香港最古の寺院・文武廟
1847年に建立された文武廟(Man Mo Temple)は、学問の神である文昌帝と武神として知られる三国志の英雄・関羽を祀る、香港最古の道教寺院。天井からずらりと吊るされた渦巻き線香からの煙がたゆたう空間は、エキゾチックで神秘的。土地の神様にご挨拶を兼ねてお参りしよう。

受験シーズンには合格祈願に訪れる人も多い文武廟。
17:00
いつだって刺激的な中環~上環の街歩き
老舗や歴史建造物が醸し出すレトロ感と、最先端のショップ、レストラン、バー、ストリートアートなどが同居する中環から上環のエリアは、香港のエネルギーが充満してワクワクが止まらなくなる、最高の街歩きスポット。気分次第で自由に歩き回りたい。歩き疲れてリフレッシュしたいなら、フットマッサージでひと休みもできる。

カラフルな街並みに迫力満点の菩提樹が、香港らしい風景のひとつ。

かつて警察寮だったレトロな建物をリノベしたPMQのX'taste Republic(H305)で、キュートなシノワズリのインテリアグッズを発見。
18:00
香港の華、ローストグースを一楽焼鵝で
香港と言えば、広東料理の本場。驚くほどおいしい名店だらけなので、本来ならじっくり楽しんでもらいたいけれども、限られた時間の場合はさっと食べられるローカルグルメが正解。相席になる場合も多いカジュアルな店ながら、ミシュラン一つ星を長年獲得している一楽焼鵝(Yat Lok Restaurant)は、1957年創業。焼鵝(ローストグース)、叉焼豚などの焼味(シュウメイ)と呼ばれる香港伝統の焼き物で知られている。本場ならではのおいしさを、しっかり堪能して欲しい。

人数が多ければ、シェアして楽しむもよし。ひとりの場合は、白飯や麺にローストグースなどの焼き物を載せた焼味飯(シュウメイファン)がちょうどいい。
19:00
夜景を目指して スターフェリーで九龍へ。
香港を訪れたら、そのゴージャスな夜景を見ないで帰るわけにはいかない。特に、個性豊かな姿の超高層ビルがひしめきあう、ビクトリアハーバーの香港島側の景色は、「これぞ香港!」というもの。そのきらめきをじっくり味わいながら、香港島から九龍半島への移動手段としても便利でレトロなスターフェリーには、必ず乗船して欲しい。たった10分ほどの航行でも、潮風を浴びながらの非日常的な風景に浸ることができる。
九龍半島の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)に渡ったら、対岸の絶景を眺めながらハーバー沿いのプロムナードをしばし散策してみよう。素晴らしい気が満ちていると言われるこのエリアも、有名な開運スポットのひとつ。理屈抜きに、佇むだけで心が弾むはず。

きらびやかな香港島の摩天楼は、いくら眺めても飽きない美しさ。
20:00
レトロウェルカムでお買い物
2025年オープンの最新スポットとして話題を呼んでいるのが、香港中に支店があるスーパーマーケット、ウェルカム(Wellcome)の油麻地(Yau Mau Tei)店。他店と異なり、ネオンライトなど昔懐かしい香港を彷彿とさせるディスプレイをたっぷり使ったコンセプト店になっていて、インスタスポットとしてすでに大人気。もちろんスーパーとしても優秀なので、お土産探しもできて一石二鳥なスポットだ。すぐ近くにナイトマーケットとして有名な廟街(Temple Street)もある。
21:00
エアポートエクスプレスで空港へ
楽しい1日を過ごせましたか? 油麻地からはタクシーで九龍駅に向かえば、空港へ向かうエアポートエクスプレスに乗車できる。次回の香港をどうぞお楽しみに。
photography: Miyako Kai

ジャーナリスト、編集者、コーディネーター。東京で女性誌編集者として勤務後、ヨーロッパ、東京、そして香港で18年を過ごす。オープンで親切な人が多く、歩くだけで元気が出る、新旧東西が融合した香港が大好きに。雑誌、ウェブサイトなどで香港の情報を発信中のほか、個人ブログhk-tokidoki.comも好評。大人のための私的香港ガイドとなる書籍『週末香港大人手帖』(講談社刊)が発売中。2024年に帰国。




