言葉・遊戯・錯視・エロスの美──春に巡りたい、体験型アート展4選。
Culture 2026.03.04
01. 存在の儚さに光を当てる、言葉の小さな"粒子"。
『福田尚代 あわいのほとり』

「世界は言葉でできている」という独自の思索を探求する美術家の福田尚代。幼少期、本のページに並ぶ文字の組み合わせがひとつ変わるだけで別な景色が生まれるその移ろいに魅了され、言葉を小さな「粒子」と捉え、分解し、並び替えることで未知の世界に触れる手がかりを見いだした。本展では始めからも終わりからも同じ読みになる回文と、本や栞の紐、手紙などを素材に彫刻を施した造形作品ほか代表作による、展示空間を取り込んだインスタレーションを発表。
開催中~5/17
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
0467-22-5000
開)9:30~16:30最終入場
休)月 ※5/4は開館
料)⼀般¥700
https://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2025-naoyo-fukuda/
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02. 「遊び」に導かれる、時空を超えた出来事。
『飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき』

2007年より〈デコレータークラブ〉シリーズを展開してきたアーティスト飯川雄大。街中に突如現れる巨大なピンクの猫や、バッグを鑑賞者自身が移動する、あるいは居合わせた者が知恵を出し合い展示空間を変化させるなど、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって空間や仕組みが変容する作品を手がけてきた。本展では飯川のこれまでの取り組みを紹介するとともに、鑑賞者を巻き込む仕掛けが思いもよらぬ出来事を見いだすインスタレーションを新たに制作する。
開催中~5/6
水戸芸術館現代美術ギャラリー
029-227-8111
開)10:00~17:30最終入場
休)月 ※5/4は開館
料)⼀般¥9000
https://www.arttowermito.or.jp/
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03. 錯視効果が炙り出す、表裏一体の世界。
『セカンド・ネイチャー-Second Nature-』

ロンドンとポルトガルを拠点に活動するザドック・ベン=デイヴィッドは主にアルミなど金属を用いて、繊細なミニチュアと大型インスタレーションの両輪に取り組む。美しい蝶の群れが黒い甲虫類に、漆黒の影が色鮮やかな花園に一転する彼の代表作は、詩的で幻惑的な錯視効果を生み出し、美と嫌悪、絶望と希望といった表裏一体の世界の本質を示す。本展では過去作品が初めて一堂に会し、多様性に満ちた自然界の構造を通して、世界の成り立ちや人類の位置づけを問いかける。
開催中~4/19
GYRE GALLERY
0570-05-6990
開)11:00~20:00
休)2/16
入場無料
https://gyre-omotesando.com/art/
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04. 手練の画力で表現する、孤高の美と強靭なエロス。
『SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-』

驚異的な画力で独自の世界観を表現し、人体と機械がせめぎ合う美と強靭なエロスを探求し続けるアーティスト、空山基。完全無欠の肉体を誇る孤高の女性像やメタリックな質感とメカニカルな造形を持つ『セクシーロボット』など数々の代表作は、海外セレブリティをはじめ世界中で熱狂的に支持されてきた。過去最大規模の本回顧展は、1970年代から半世紀にわたり彼が追い求めてきた光・透明・反射という表現の核を圧倒的なスケールで体感する機会となるはずだ。
3/14~5/31
CREATIVE MUSEUM TOKYO
info@sorayama2026.jp
開)10:00~17:30最終入場(月~木、日、祝)
10:00~19:30最終入場(金、土、祝前日、4/28~5/6、31)
無休
料)⼀般¥2,500
https://creative-museum.tokyo/exhibitions/sorayama/
*「フィガロジャポン」2026年4月号より抜粋
text: Chie Sumiyoshi







