ビリー・アイリッシュ わたしたち、ビリー・アイリッシュに夢中です。
Culture 2020.08.27
瞬く間に世界の音楽シーンを席巻し、いまやポップアイコンとしてビリー・アイリッシュの名を知らない人はいない。彼女の魅力を、実際に本人に会ったことがある音楽ライター鈴木美穂が解き明かす。
ビリーが私たちを惹きつける10の理由。
1
リーダー気質のカリスマ性。
「家でも外でも私はボスだった」というビリーは、周囲はおろか世界中の人のリーダーになれるカリスマ性がある。スタイリッシュでリアルな音楽、真正直で聡明な言動、斬新なファッションスタイル、すべてが世界中の少女たちの憧れ。インスタグラムのフォロワーは約6200万人。
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2
ファンは友だち。
ビリーにとって、ファンは「親友のような存在」。ツアーをしていない時はファンに会えない寂しさを感じているそう。ステージ上で「会えなくて寂しかったよ」と友だちに話しかけるような口調で話し、身を乗り出して多くのファンに触れようとするビリーのアティチュードは、ファンが彼女を愛してやまない理由。
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3
動物と地球を思いやるヴィーガン。
インスタグラムで新しい飼い犬を紹介したビリーは、以前からファンに保護犬・保護猫の里親になるよう呼びかけてきた。日頃から動物実験を行うメーカーのプロダクトやプラスチック製品を避け、肉や乳製品は食べないヴィーガンだ。好きな食べ物はビーンブリトー。
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4
オーバーサイズがマイスタイル。
スニーカーとバギースタイルをクールに着こなすビリー。当初は「好きな格好をしてるだけ」と言っていたのだけれど、その後「体形に自信がないから。でも自分の胸はすごく好き」と、体形が隠れるスタイルを選んでいたことを告白。10代女子なら誰もが共感できる一面だろう。けれど、このファッションに関していろいろ言われ続けたことから、2020年3月、彼女はコンサートで上半身がブラだけになるまで脱ぐビデオを流し、「私の価値はあなたの見方だけで決まるの? 私についてのあなたの意見に、私は何もできないの?」と鮮やかに批判した。
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5
音に色がついて聞こえる才能。
ビリーは、耳にした音によって異なる色と形と数字が見えるという共感覚の持ち主。MVなどビジュアル面のアイデアの源になるのは、曲作りの時に実際に彼女の目に浮かんでいるビジュアルだという。だからこそ、誰も見たことのなかった斬新な世界が作品として表出する。
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6
村上隆とのコラボレーション。
ビリーはシンガーソングライターであると同時に、自分のステージセットを考案したり、MVを監督したりするマルチアーティスト。村上隆とビリーはお互いのファンで、村上が監督したMV「ユー・シュッド・シー・ミー・イン・ア・クラウン」はビリーからの直接のオファーで実現した。コラボレーションを記念した展示では、MVにも登場するビリーのキャラクターが白い巨大彫刻となって登場した。ビリーがデザインに関わったオリジナルのキャラクター「Blohsh(ブローシュ)」は、フーディやビーニーなどの公式グッズとして販売されている。
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7
兄妹愛が生む素敵な音楽。
全米と全英で1位を達成し、さまざまな世界的記録を作ったビリーのデビューアルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は、テレビドラマ「グリー」に出演していた俳優兼プロデューサーの兄フィネアス・オコネルと、自宅のベッドルームでレコーディングしたというミニマルなホームメイド作品。ふたりのプロジェクトがこれだけ成功したのは、お互いを理解し合っている兄妹だからだろう。2019年11月に出た新曲「エヴリシング・アイ・ウォンテッド」では、「僕がここにいる限り、誰も君を傷つけられないよ」という兄の言葉が歌われている。
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8
アワードに裏打ちされた実力。
ビリーの歌声は美しいうえに耳に優しく、歌詞は深く重く鋭い。グラミー賞の主要部門4部門を含む5部門受賞、アメリカン・ミュージック・アワード、ブリット・アワードなど、あらゆる賞を手にした18歳の彼女の実力は、業界中が認めている。そして何より、2019年に世界最高のストリーミング数である60億回以上を記録したという事実が、その人気を物語っている。
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9
超繊細な自分を隠さない。
ビリーは13歳の時に怪我をしてダンスができなくなり、うつになった。彼女はその後も落ち込むことをくり返し、生き続けたくないと思う日もある中で制作したのがデビューアルバム。なので、曲の内容は悪夢のようにダークだ。それをさらけ出して生きる彼女の強さに、人は虜になる。
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10
メイク不要の美しさ。
ブルー、グレー、あるいはネオングリーンのトップ×ブラックと、人目を引くカラーのロングヘアとカラフルなロングネイルとは対照的に、いつもナチュラルメイクのビリー。意志の強さが伝わる淡い青色の瞳が際立っていて、ピュアな美しさで私たちを惹きつけて止まない。
*「フィガロジャポン」2020年7月号より抜粋
photos : amanaimages, texte : MIHO SUZUKI