ピノ・ノワールの変異種「ピノ・グリ(ピノ・グリージョ)」とは? アルザスとイタリア、産地で変わる味わいの特徴。

Lifestyle

ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帳」。育つ土地によって、まるで別人のようにその表情を変えるミステリアスな品種「ピノ・グリ」をご紹介!


vol.20 ピノ・グリ/ピノ・グリージョ

ピノ・グリはピノ・ノワールが突然変異した品種。グリとはフランス語で灰色の意味で、果皮の色が灰色を帯びた紫色のピノ系品種を指す。

フランスのブルゴーニュ地方原産と考えられ、ピノ・ブーロの別名もあるが、この地方での栽培はごくわずか。フランス最大のピノ・グリの産地はアルザス地方だ。誤ってハンガリーのトカイ由来と考えられていたので、かつてはトケイ・ピノ・グリとも呼ばれた。黄金色で肉付きがよく、こってり芳醇な白ワインを生む。

ドイツではグラウブルグンダー、またはルーレンダー、イタリアではピノ・グリージョとも呼ばれる。イタリアで3番目に栽培面積が広く、アルト・アディジェやフリウリなど冷涼な北部の地方で栽培。フリウリでは果皮を短期間果汁に漬け込み、淡い赤銅色をした「ラマート」というタイプのワインも醸造されている。

ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト
ピノ・グリ テュルクハイム2022

DOMAINE ZIND-HUMBRECHT
PINOT GRIS TURCKHEIM2022

国・地域:フランス アルザス
アルコール度数:12%

食中酒にぴったりな、辛口スタイル。750ml ¥5,280/日本リカー(03-5643-9770)

バイオダイナミック農法を実践し、アルザス屈指の銘醸ワイナリーとして知られるドメーヌ・ツィント・フンブレヒト。アルザスのピノ・グリはややもすると残糖が高く、もったりしたワインも少なくないが、これは糖分わずか1.2gと辛口。ピーチやアプリコットなど黄色い果実のアロマがあり、均整のとれたボディは骨格もしっかり。フレッシュな酸味も心地よく、どんな食事にも寄り添う万能選手。

酸味     ●●●◯◯
果実味    ●●●●◯
ミネラル感  ●●◯◯◯

ロンコ・ブランキス
コッリオ・ピノ グリージョ

RONCO BLANCHIS
COLLIO DOC PINOT GRIGIO

国・地域:イタリア フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア
アルコール度数:13.5%

白ワインの職人が醸す、凝縮感あるピノ・グリージョ。750ml ¥3,740/フードライナー(0120-28-6683)

イタリア北東部、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のコッリオには、その昔オーストリア帝国やスペイン王国の貴族が所有していたブドウ畑が点在する。ロンコ・ブランキスの畑もそのひとつ。白ワイン造りのスペシャリストが手がけるこのピノ・グリージョ。洋ナシや青リンゴのアロマに火打石に似たスモーキーさも。凝縮感があり、引き締まったボディ。後口のミネラル感を伴う苦味が食欲を誘う。

酸味     ●●●◯◯
果実味    ●●●◯◯
ミネラル感  ●●●◯◯

今月の講師

柳 忠之
ワインジャーナリスト

ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。専門誌、ライフスタイル誌等に寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。

*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/series/wine-study-notebook/251122-wine.html