料理家・国際中医薬膳師のちづかみゆきによる、季節に合った、おいしくて身体にいい薬膳レシピをご紹介。
いつの頃からか、春を象徴する桜は4月の入学式のときのものではなく、3月の卒業式シーズンに咲くものとなりました。すでに満開を過ぎたところも多いかと思いますが、桜色のクロスにのせてお届けするレシピはやはり春を感じられるものを。
春を代表する食材は本当にたくさんあって、この時期は心が躍ります。
新タマネギもその中のひとつ。オリゴ糖を多く含むので腸活食材でもありますが、薬膳では気血を巡らせ、痰を排出し、胃を健やかにし、解毒の働きもあるとされます。ちょうどこの時期の養生にぴったりの食材。そんな新タマネギは水分が多く加熱するととろりとする感じがおいしくて、それをソースのようにして食べたいなと考えました。
春は冬に溜め込んだ老廃物を解毒していきたいので、合わせるタンパク質もあっさりしたものを選びたいところです。今回は鶏胸肉を合わせましたが、旬を迎える鯛のソテーにも合います。どちらも胃腸や腎のケアに役立つ食材ですが、特に鯛であればむくみケアにもおすすめです。
そして新タマネギのソースには梅干しやセロリ、コリアンダーシードも使いました。
春は自律神経の調節が難しく、そのために五臓のなかでは肝を傷めやすい季節です。気の流れも滞りがち。梅やセロリは肝に働きかけ、梅干しの酸味がふわふわした気持ちを引き締め、セロリは春に高ぶりやすい気持ちを落ち着かせて巡りを整えます。またコリアンダーシードも気を巡らせます。効能だけでなく、コリアンダーシードが入ることで柑橘のような香りが口の中で広がって梅との相性も抜群。ぜひ試していただきたいです。(もちろん入れなくても大丈夫です。)
最後に調理のことを。
梅干しは、この塩分のものをそのまま食べるにはしょっぱすぎると感じるかもしれませんが、調味料として常備しておくと便利です。このレシピは梅干しの塩分だけで十分なのですが、塩分控えめのものを使う場合は適宜塩を加えてください。また鶏肉は必ず休ませてからカットすること。新タマネギはお好みではありますが、しんなりさせすぎず、少し食感を残すと、よりおいしく仕上がります。
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梅香る新タマネギと鶏胸肉のソテー

【材料】(2人分)
鶏胸肉(皮つき) 1枚(250g~300g)
新タマネギ 1/2個
セロリ 7~8cm+葉 少々
梅干し(塩分15%) 1個
コリアンダーシード(ホール) 小さじ1/4~1/3
エクストラヴァージンオリーブオイル 大さじ1と1/2
白ワイン 大さじ1
塩 適宜
粗挽き黒コショウ 適宜
【作り方】
1. 鶏胸肉は厚い部分を軽く開き、分量外の塩少々をふって室温に戻す。新タマネギは5mmのくし切り、セロリは薄切りにし、葉は適当な大きさに手でちぎる。梅干しは種を除いてたたく。コリアンダーシードは軽くつぶす。
2. フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて熱し、鶏胸肉を皮目から入れて中火で6分ほど焼き、こんがりと焼き色をつける。裏返して弱めの中火で3~4分焼き、中まで火を通す。取り出して2~3分休ませる。
3. 2のフライパンに新タマネギを入れ、少ししんなりしてくるまで2分ほど炒める。
4. 3にセロリとコリアンダーシードを加えてさっと炒め、白ワインを加えてフライパンの旨味をこそげ、梅干しと残りのオリーブオイル大さじ1/2を加えて混ぜる。
5. うつわに4を盛り、2の鶏肉を斜めそぎ切りにしてのせ、セロリの葉を散らす。粗挽き黒コショウをふる。
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料理家・国際中医薬膳師。身体を壊したことがきっかけで薬膳を学び資格を取得。上海、ボストンで活動後、東京に拠点を移す。旬食材の効能を活かした心と身体に寄り添うレシピを提案。料理教室meixue(メイシュエ)主宰。雑誌、企業へのレシピ提供、コラム執筆などを行う。近著に「暮らしの図鑑 薬膳」「巣ごもりごはん便利帳」など。
http://meixue.jp
Instagram: @miyukichizuka






