GOURMET ソウル在住コーディネーターが太鼓判、ツウな9軒。

サムギョプサルにキンパ、タッカンマリ……食べたいものであふれるソウルはグルメ天国！　在ソウルのグルマンに聞いた必訪の店21軒。Kスターが通う店もピックアップ。
1. インフルエンサー編はこちら＞＞
2. Kスター編はこちら＞＞
3. コーディネーター編はこちら＞＞

ワカメスープと炊きたてごはんに癒やされて。

五日
オイルジェ
오일제

韓国における誕生日の定番ごはん、ミヨック（ワカメ）スープ。今春オープンしたオイルジェでは、家庭の味を昇華した上質な味が堪能できる。韓国南部の居金島の新芽ワカメだけを使用しているので香りがよく、エゴマ入り牛骨スープともぴったり。もうひとつの主役が、釡で炊き上げるコシヒカリ。最初はキムチと、最後はスープにごはんを入れて味わいたい。

免疫力を高めるエゴマがたっぷり入ったエゴマワカメスープ「들깨미역국」13,000ウォン。最初はワカメを醤油ソースにつけてワカメの風味だけを味わって。韓国産コシヒカリは精米したてのものを使う。

オーナーのシン・ドンフンがひとりで店を切り盛り。

営業は朝10時から15時まで。開店直後か13時過ぎが狙い目。

---fadeinpager---

ひとり客もOK、おしゃれな韓屋（ハノク）でポッサムを。

ジョンダムンポッサム 北村店
ジョンダムンポッサム プッチョンジョム
정담은보쌈 북촌점

2021年の誕生以来、連日行列が絶えない人気の店。茹で豚料理、ポッサムがシグネチャーだけあり、臭みが一切なくしっとりとした食感はさすが。豚肉を包むサンチュと白菜、エゴマ、味噌汁が付いた定食は、平日のランチタイムに限り1人前からオーダーできる。13種類のマッコリのほか、韓国の焼酎や薬酒など豊富に揃う地元のお酒ともよく合う。

野菜やキムチが付いたポッサムは、アミエビの塩辛につけて食べる。「보쌈」（中・3人前）37,000ウォン。ニラチヂミ「영양부추전」（13,000ウォン）もいち推し。定番の豚肉ポッサム以外にも、鴨肉ポッサムやタコポッサムもある。

中庭を囲むように建てられた韓屋風の建物。店内は40席ほど。

---fadeinpager---

これぞ正統派、滋味深い韓定食。

コミジョン
Gomijeong
고미정

京畿道で1991年に誕生し、2013年にソウルに移転。祖母の家庭の味を現在2代目が引き継いでいる。化学調味料を一切使わない優しい味が身上で、「韓定食」は豚肉のコチュジャン炒めや焼き魚、チャプチェなど韓国の定番料理が勢揃い。米の名産地、利川の米を石釡で炊いたもちもちのごはんと一緒に、韓定食の神髄をじっくり堪能して。

カンジャンケジャンに、チヂミ、イシモチの塩焼き、ナムルなど16種類のパンチャン（おかず）とスープが付いた定食「간장게장정식」1人前37,000ウォン（写真は２人前）。カンジャンケジャンはアラカルト（「게장단품」24,000ウォン）でも注文可能。

俳優のパク・ソジュンやムン・ジェイン前大統領も訪問。

---fadeinpager---

さっぱり新感覚！ セリ×サムギョプサルの競演。

プルトゥッヌンデジ
Pultuknundeji
풀뜯는 돼지

韓国料理の新定番といえば、たっぷりのセリをのせたミナリ（セリ）サムギョプサル。セリの名産地である慶尚北道の青道から届くため、新鮮で風味もよく、ビタミン豊富。豚肉の脂でしっとりとしたセリは、肉と一緒に食べてもよし、サムジャン（合わせ味噌）と食べるのもいい。脂っぽくなりがちなサムギョプサルをさっぱりと食べられるのも人気の理由。

豚の三枚肉の上にセリをのせて。肉料理なのにさっぱり食べられる。「미나리삼겹살」2人前30,000ウォン。注文は2人前から。

看板の豚がしっかりミナリをくわえている。

上着やバッグを椅子の中へ入れてから着席しよう。

オーナーの両親が青道で栽培するセリは新鮮そのもの。

---fadeinpager---

ハマる人続出！ 中毒性のある旨辛チキン。

タッナルダ
Daknalda
닭날다

鉄板で運ばれるあつあつのチキン。自家製醤油やコチュジャンをベースに、10種の調味料を加えたタレを下味に使用している。辛さは３段階から選べ、人気は2段階目だが、日本人には辛さ控えめの1段階目がおすすめ。モッツァレラチーズをトッピングしたり、茹で卵入りおにぎりを残ったソースと絡めて食べたり、アレンジも楽しい。

トッポギとサツマイモが入った鉄板チキン「뉴우철판」（中）34,800ウォン。生ビール「드레프트비어」ジョッキ5,500ウォン

2001年に弘大にオープン、19年に合井に移転した。オーナーが集めたミリタリーアイテムが店を飾る。

---fadeinpager---

組み合わせが絶妙、色とりどりの野菜と熟成豚。

キルモク
Gilmok
길목

全体の1％しかないという希少な雌豚を2日間熟成して提供。豚焼き肉と玉ネギの浅漬け、エゴマの葉のセットが基本で、サムジャン、ワサビ、きな粉塩を付けていただく。ワケギ、ナス、ヤマイモ、パクチーといった野菜も充実していて、旨味の強い肉との相性もいい。抜栓料が無料なので、ワインを持ち込む常連も多い。

軟らかい肩ロース「투뿔목살」200g 18,000ウォン。シイタケ、カボチャ、シシトウの野菜盛り合わせ「모듬야체」9,000ウォン

人気店なので滞在時間は2時間に制限されている。今年7月、三成駅に2号店がオープンしたばかり。

---fadeinpager---

釜山の老舗の味を、ソウルで体感。

ケミ家 鍾路店
ケミチッ チョンロジョム
개미집 종로점

海に面した釡山の名物、ナクコプセをソウルで食べるならここ。釡山の本店は1972年創業の老舗で、ソウル支店は2018年に誕生。ナクチ（タコ）、コプチャン、セウ（エビ）を入れた海鮮鍋は、ホルモンの脂の甘味と海鮮の旨味、70種以上の具材や香辛料を入れた辛いタレがクセになる。白ごはんと煮詰めた具材をビビンバ感覚で食べるのも◎

豆モヤシ、ニラ、キャベツサラダ、キムチ、海苔のほか、ご飯が付いたナクコプセ「낙곱새 + 밥」2人前26,000ウォン

13時以降はひとり客用に1人前の注文も可。

ポックンパ（炒飯）も人気だが、オーナーのおすすめはビビンパスタイル。

---fadeinpager---

平壌由来の本格派冷麺を気軽に。

雪ヌン
ソルヌン
설눈

朝鮮半島の北部では、米や小麦よりそばが多く栽培されてきたことから平壌冷麺が発展した。ここ雪ヌンは、1977年に平壌で創業、2019年にソウルへ。平壌高麗ホテル出身のベテランシェフが手がける冷麺は、そば殻をあえて残して黒みがかった麺とさっぱりとしたスープが絶妙。本場平壌同様の味がソウルで体験できる。

朝鮮伝統の食器、鍮器（ちゅうき）で供するのもこだわり。10種のトッピングがのった平壌冷麵「고려 물냉면」15,000ウォン。マンドゥなどサイドメニューも豊富。

涼を求め、夏には満席になることも多い。芸能人もお忍びで来る有名店。

---fadeinpager---

特製タレが美味！　タッカンマリの新定番。

ペッブジャン家
ペッブジャンチッ
백부장집

鶏（タク）一羽（ハンマリ）を意味する、韓国版水炊き。名店は多数あるが、ローカルから絶大な信頼を得ているのが同店。部位ごとに煮込む鶏肉の軟らかさ、あっさりとピュアな味を引き立ててくれるのがオリジナルのタレだ。ほどよい辛さの味噌にポン酢とマスタードが加わることで、酸味、辛味、コクのバランスが完璧になる。

ジャガイモ、トッポギ、ネギが入ったタッカンマリ「닭한마리」2人前26,000ウォン。注文は2人前から。締めのグクス（細いうどん）は2,000ウォン

創業は1980年。参鶏湯も人気がある。

＊「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋

●100ウォン＝約11円（2023年10月現在）
●日本から電話をかける場合、国番号の82の後、掲載表記どおりにかけてください。韓国内からかける場合も掲載表記どおりにかけてください。
●データ欄のⓂ️は地下鉄、Ⓚは韓国鉄道公社（KORAIL）、Ⓐは空港鉄道A’REXの駅を指します。駅名直後の（数字）は地下鉄の切符を購入する際に券売機に打ち込んで行先を示す番号です。
●取材先の営業時間、定休日、料理や価格などは、取材時から変更になることもございます。ご了承ください。