パリ・オペラ座バレエ団エトワール、ドロテ・ジルベールとギヨーム・ディオップが語る舞台の裏側。

Paris 2025.06.09

今年、創立150周年を迎えたオペラ座ガルニエ宮。この劇場で活躍するエトワールや舞台監督、衣装、コーラス、楽員、舞台美術家にインタビュー。彼らにとってのオペラ座とは?

INDEX:
1. パリ・オペラ座ガルニエ宮。エトワールと舞台を支える職人たちの素顔に迫る。
2. パリ・オペラ座バレエ団エトワール、ドロテ・ジルベールとギヨーム・ディオップが語る舞台の裏側。
3. パリ・オペラ座を支える舞台監督と衣装担当が語る「私にとってのガルニエ宮」。
4. 緑色の服はNG? パリ・オペラ座のコーラス、舞台美術家、楽員に聞いた伝統、迷信、マイルール。

Étoiles
[ エトワール ]

輝きを放つトップバレエダンサー。

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ドロテ・ジルベール
Dorothée Gilbert

1995年、クロード・ベッシーが校長だった時代に、ナンテールにあるパリ・オペラ座バレエ学校に入学。2000年にオペラ座に入団、07年にオペラ・バスティーユで踊った『くるみ割り人形』でエトワールの称号を授与される。

【仕事について】
ダンサーという職業には情熱が必要です。勤勉であること、厳格であることが求められ、常に自分に問い続けなくてはなりません。自分の身体が商売道具だからです。エトワールになると主役を任されますが、テクニックもカリスマ性も最高峰を求められます。それだけにエトワールとは輝かしい称号なのです。

【私にとってのガルニエ宮】
私たちの家。自分たちの楽屋もありますし。歴史を感じさせる素晴らしい場所です。

【好きな場所】
屋根。ただし、許可がないと上れません!

【継承について】
若い頃、マニュエル・ルグリのパートナーに選ばれ、多くのことを学びました。それが、30歳で立場が逆転。自分より若い男性ダンサーと踊るようになったのです。ユーゴ・マルシャンや、最近ではギヨーム・ディオップといった後輩ダンサーですね。

【印象的な出来事】
デンマークの振付家ハラルド・ランダーのバレエ『エチュード』でエトワールダンサーの代役を務めたこと。それまでに体験した演目の中で最も難しいバリエーションの踊りでした。

【最高の思い出】
エトワールダンサーの就任式です。家族全員が出席してくれ、最高のプレゼントとなりました。

【日課】
レッスン、昼寝、メイク、ヘアセット、テーピング。舞台裏では必ず身体を温めます。

【プレミア公演の日のマイルール】
パートナーにチョコレートをプレゼントします。


ギヨーム・ディオップ
Guillaume Diop

バレエ学校の生徒として2012年にガルニエ宮で舞台デビュー。19年2月にコール・ド・バレエ(群舞)として名作『白鳥の湖』に参加、21年には『ロミオとジュリエット』でロミオを担当した。

【仕事について】
安心感が得られるのと同時に少し危険な面もあります。安心感というのは、キャリアの最後まで大きな役が約束されるからです。危険というのは舞台に立つ度に、名前と称号にふさわしい期待を寄せられるからです。責任を感じます。

【私にとってのガルニエ宮】
多くの時間をここで過ごしているので、ダンサーたちにとっての家です。

【好きな場所】
スタジオ・ザンベリ(有名ダンサーの名がついた稽古場)です。コンクール前にはよくここで練習しました。自分と向き合える場所です。

【継承について】
ドロテ・ジルベールにとても助けられました。もともと自分が配役されていなかった作品に、「一緒に踊りたい」と指名してくれたのです。彼女がいなかったら、こんなに順調にキャリアを積めなかったと思います。

【印象的な出来事】
ロミオを踊ったことが最大の誇りです。当時はまだカドリーユ(オペラ座での最も低い階級)だったのに、この難役を任されました。

【最高の思い出】
2023年3月11日の韓国公演中に、エトワールに任命されたことです。まだスジェ(下から3番目の階級)でプルミエにもなっていなかったので、まったく予想していませんでした。本当に最高の日でした!

【日課】
一日のリズムとして、リハーサルの後は本番までの間、一度帰宅してリセットしています。

【プレミア公演の日のマイルール】
パートナーに植物をプレゼントします。

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アールドゥヴィーヴルへの招待
2025年、創刊35周年を迎えたフィガロジャポン。モード、カルチャー、ライフスタイルを軸に、 豊かに自由に人生を謳歌するパリジェンヌたちの 知恵と工夫を伝え続けてきました。 その結晶ともいえるフランスの美学を、さまざまな視点からお届けします。

*「フィガロジャポン」2025年6月号より抜粋

photography: Laura Stevens (Madame Figaro)  text: Lætitia Cénac (Madame Figaro)

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