ナオミ・ワッツ、30代から閉経の不安に悩み苦しんだ体験を語る。

更年期の平均年齢は47.7歳。一方で40歳以前に症状が出る女性が1～2％いる。オスカー女優のナオミ・ワッツも30代でこの問題に直面した。いまだタブー視されているこのテーマについて、イギリス出身の女優がアメリカの「エンターテインメント・ウィークリー」誌にオープンに語った。

不妊治療専門の「エウジン（EUGIN）クリニック」の会議にスペシャルゲストとして登場した女優のナオミ・ワッツ。（2019年11月05日、バルセロナ）photography: Getty Images

更年期はどの女性も通過しなくてはならないステップであるものの、早期更年期となると当事者の多くはショックを受ける。10月13日にネットフリックスで配信開始するミニシリーズ『ザ・ウォッチャー』の主演女優、ナオミ・ワッツもそうだった。30代の終わりに俳優のリーヴ・シュレイバーと結婚してすぐ、早期閉経におびやかされ、子どもを作る計画が大きく狂ったと10月3日の「エンターテンメント・ウィークリー」誌で語っている。

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早すぎる衝撃

「あがきました。家庭を築こうと思った矢先に閉経の話をされたのです。どんなに不安がいっぱいだったか、お分かりでしょう。閉経周辺期という言葉自体、それまで聞いたことがなかったと思います」と女優は語った。実際、更年期障害の平均年齢が47.7歳であるのに対し、40歳までに症状が出る女性はわずか1～2％でしかない。更年期障害では月経のサイクルが不規則になり、ほてりや大量の汗、気分障害などさまざまな不快症状が生じる。

早期更年期の家族歴があれば患者に注意を促すことはできる。しかしながら困ったことにこうした重要な情報がきちんと伝わるとは限らない。ナオミ・ワッツの場合もそうだった。「母が比較的若くして閉経したことはなんとなく覚えていました。45歳と言っていましたが、詳しく話してくれたことはありませんでした」と言うと続けて、「“どうしてもっと詳しく教えてくれなかったの？”と母に聞いたら、“自分も母親とそういう話はしなかったし、母親もその母親としていない”と返されました」と語った。

その後しばらくは「妊娠できないかもしれない」ことにおびえる辛い時期を過ごした。自然妊娠の可能性は比較的低かったものの、ナオミ・ワッツは2007年にアレクサンダー、1年後にサミュエルというふたりの子どもを授かり、母親としての喜びを経験した。

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タブーを破ろう

結局、更年期症状が出たのは40歳を過ぎてからだった。「大量の寝汗をかき、それが不眠と乳幼児2人の存在といっしょくたになったのです。決して楽な時期ではありませんでした」とふりかえる。しかも「（当時出演していた）ドラマの撮影中、ひどい肌荒れ」を起こした。「化粧品アレルギーかと思い、製品を変えたりやめてみたりしました。その後メイクアップアーティストに相談して、結局は、ホルモンバランスの変化が影響しているという結論に達しました」

このことを人に話すと大体は驚いたような表情を向けられるばかりだった。「とてもプライベートな話題なので、あまり人に話すこともありませんでした。周囲の人に話そうとしてみても困ったように笑いながら「あら、そうなんだ」と言われたりして、オープンに話せる雰囲気ではまったくありませんでした」

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現在54歳の彼女は、更年期や閉経を恥ずかしいものとする風潮を変え、この時期に起きる大きな変化についてすべての女性が自由に話せるようになってもらいたいと考えている。そしてこの問題を「タブー視しない」ためにユーモラスなグリーティングカードシリーズを発売している。グリーティングカード会社の「エムアンドフレンズ（Em＆Friends）」社とのパートナーシップによるこの取り組みは、生理の貧困の解消を目指す米国の団体「アライアンス・フォー・ピリオド・サプライズ（Alliance For Period Supplies）」への募金も兼ねている。これと並行して、ナオミ・ワッツは10月18日の世界更年期デーという格好のタイミングに合わせ、更年期の女性に向けた美容と健康の新ブランド「ストライプス（Stripes）」を立ち上げる準備中だ。