いわさきちひろが描いた、おしゃれな子ども服たち。
Culture 2019.02.28
つぶらな瞳の小さな少女たちが、とろけるような水彩画の世界の中で、こちらをじっと見つめている——。かつて同じ少女だった私たちは、いわさきちひろの美しい絵の中に佇む子どもたちが時折ちょっぴり素敵なドレスに身を包んでいる様子を観て、まだ着たことのない大きなリボンが付いたワンピースへの憧れを抱いたことがあるに違いない。
バラ色の大きなリボン、虹色に輝くドレス。風にふわりと揺れる水玉のワンピースも、淡いピンクのレインコートも、真っ赤なバレエシューズも、大人になったいま目の当たりにしてもなお、その美しさにはやはりため息が出てしまう。

いわさきちひろ『バラと少女』1966年
そんな、ちひろが描いたおしゃれな子どもたちに焦点をあてた企画展『ちひろのキッズファッション』がこのたび開催される。戦前の一時期、ちひろは文化服装学院と深い関わりを持ち、学生たちを指導したり、文化出版局の雑誌『装苑』や『ミセス』にも、たびたび子ども服のデザイン画などの挿絵を描いてきたりしたという。彼女の作品に、ありとあらゆるおしゃれなお洋服が登場するのも納得だ。

いわさきちひろ『おかあさんとふたりの子ども』 雑誌『ミセス』(文化出版局)より 1971年
清楚でいて子どもらしい愛らしさに満ちた、ちひろの描いた子ども服。展覧会では、文化服装学院の学生たちが原画に忠実に再現したというドレスや、ちひろの絵のイメージから展開したという華やかなキッズファッションの数々も見ることができる。絵の世界から飛び出したドレスたちは、まるで魔法のような愛らしさに包まれている。

いわさきちひろ『緑の風のなかで』1973年

上の絵に着想を得て制作されたグリーンドットのワンピース(2018年) スタイリング:本谷智子 撮影:北嶋宏美
ちひろ美術館×文化服装学院 共同企画
『ちひろのキッズファッション』
会期:3月1日(金)〜5月6日(月・祝)
ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2
tel:03-3995-0612
営)10時〜17時 ※入館は閉館の30分前まで
休)月 ※祝休日は開館、翌平日休館。GW期間中は無休
料)一般¥800
www.chihiro.jp
texte : MIKI SUKA



