二日酔いがひどいのは年のせいなの?

Culture 2021.06.11

本当に二日酔いの回復に時間がかかってきたのだろうか。25歳の誕生日パーティーはずいぶん昔のこと。あの頃、週末の夜に酔っ払っても月曜の朝は元気だったはず。でも今は...どんちゃん騒ぎしたあと、回復するのに2日もかかってしまう。それは年のせい? 依存症専門医に話を聞いた。

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年を取ると二日酔いからの回復が遅くなる? photo : Getty Images

「1杯なら楽しい、3杯は害」。フランスの啓発キャンペーンのスローガンが、25歳を過ぎた頃から現実味を帯びてきた。パーティーの翌日、と言っても21時に終わった遅めのアペロ(夕食前のちょっと一杯)だったのに、翌朝は必ず頭痛と吐き気と何とも言えない気分の悪さで目を覚まし、最後の1杯は余計だったと反省する。あなたはこのつらさを年のせいにするけど、本当にそうなのだろうか。

「二日酔いは単純に飲み過ぎた結果です。40歳の方が20歳よりもつらいという生理学的な理由はありません」とフランス国立衛生医学研究所(I.N.S.E.R.M.)の依存症研究者のベルトラン・ナルパは断言する。

この研究者によると年が関係してくるのは65歳以降で、しかもそれはアルコールの耐性、すなわち酔うまでにかかる時間に限っての話だ。

一方、体がどうアルコールを処理するのかは性別で異なる。「性別による反応の違いは生理的なものです。アルコールは体内の水分で薄まりますが、女性の身体は男性の身体よりも水分が少ない。65歳以上の人にも同じことが言えます」とベルトラン・ナルパは主張する。

最初の1杯目から酔うようならば、それはあなたの身体の構成成分に変化が起きたからかもしれない。「アルコールは脂肪に溶けにくいので、脂肪組織が多いと体内のアルコール濃度が高くなります」と婦人科医のキャロル・メートルが2017年5月の対談で説明していた。

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習慣になっていないのが問題?

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二日酔いを防ぐためにも、お酒と一緒に水もたくさん飲もう。 photo : iStock

また、飲み過ぎた翌朝がキツくなってきたのは習慣のせいかもしれない。「ある程度年を取るとお酒を飲む回数が減り、体の反応が変化します」とベルトラン・ナルパは説明する。確かに歳を取ると、週末のどんちゃん騒ぎは、落ち着いたアペロ・ディナーに替わっていった。お酒を飲む回数が減り、身体が持つお酒の分解力が落ちてきたのだ。

この現状を踏まえ、これまで幾度となく言われてきたことを守るのが最善策だろう。まず、空腹時に飲まないこと。そして、脱水症状にならないためにお酒と同時に水もたくさん飲むこと。

最後に、フランスの酒類の広告には必ず書いてある健康警告文を守るに尽きる。「過度の飲酒は健康を危険にさらします。お酒はほどほどに」。それはあなたが何歳であろうとね。

text : Sevin Rey (madame.lefigaro.fr)

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