定着する? ベルギーに授乳専用公共ベンチが登場。

Culture 2021.08.11

女性の健康をサポートするブランド、エルヴィが、世界母乳育児週間に合わせ、公共の場に世界初の授乳専用ベンチを設置した。母乳育児にまつわるタブーを打ち破るのが狙いだ。母乳を与える行為が当たり前になる社会を目指して。

210811-culture-01.jpgベルギー、クルトレに登場した初めての授乳ベンチ。photo: elvie

8月1日~7日は世界母乳育児週間だった。2021年のキャンペーンは、公共の場に世界初の授乳専用ベンチを設置するという斬新なアイデアが登場し、例年にも増して関心を集めた。
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ベンチは、ベルギーの都市クルトレに8月の1カ月間設置されている。この専用ベンチの構想と開発を手がけたのは、フェムテックブランドのエルヴィ。公共の場でも落ち着いて母乳を与えられる環境作りを目指したプロジェクトだ。実際、ここ数カ月の間にも、公共の場で授乳する母親が文句を言われたり、暴力を振るわれる事件が相次いでいる。ひとつだけ例を挙げると、小包を受け取るため列に並んで待っている間に赤ちゃんに母乳を与えたばかりに、路上で平手打ちされたマイリスの一件が記憶に新しい。この件は大きな反響を呼び、報道直後から母乳育児をする母親たちの間に共感の輪が広がった。

タブーを打ち破り、母乳育児を望む女性たちが外でも子どもに授乳できる環境を作ることがエルヴィの狙いだ。今回設置されたベンチには、肘掛けとクッション付きのおむつ交換台が装備され、授乳のしやすさにこだわったデザインになっている。エルヴィCEOのタニア・ボラーはこう語っている。「それぞれの母親や家族が、他者から意見や批判をされることなく、赤ちゃんに栄養を与える場所や方法を決められるようになるべきだと、私たちはずっと前から考えてきました。また、新米ママやパパが自由に不安なく外に出かけられるようになるべきです」

 

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好きな場所で母乳を与えたいという母親たちのために、母親たちが街中で授乳場所を探せるよう、カフェ、レストラン、デパートなど、授乳設備のある場所が記載された地図「Breast Places」も作成された。母親たちにくつろいで授乳をし、安心して赤ちゃんのおむつ交換ができる場所を提供するというシンプルな発想から生まれた。

エルヴィは公式サイトでプロジェクトの趣旨を次のように説明している。「ほぼすべての公共の場所が”Breast Place”として申請できます。大掛かりな改装は必要ありません。フレンドリーな笑顔と快適な場所があれば十分です」。期間限定のこのプロジェクト、はたして今後定着するだろうか。

text: Elise Assiba (madame.lefigaro.fr)

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