この夏行きたい! おすすめの展覧会3選。

Culture 2023.07.15

ソウルメイトを求め、人生を駆け抜けた画家。

『中園孔二 ソウルメイト』

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鮮烈なイメージと深い内省をたたえるおびただしい数の作品を生み出した画家・中園孔二。土地柄に惹かれて移住した瀬戸内の海で消息を絶ち、25歳の若さで世を去った。生涯最後の日々を過ごした香川県で開催される過去最大規模の個展では、複雑なレイヤーを持つ大型絵画やセンシティブな佇まいの「ひと」らしき姿を描いた作品など約200点の作品を紹介。さらに創作活動のエッセンスを伝えるインタビュー映像や、イメージの源泉がうかがえるドローイングや蔵書が、謎に満ちたその作品世界を紐解く豊かな手がかりとなる。混沌とした現代社会で中園が希求した、世界観や感性を分かち合う親密な「ソウルメイト」の存在が浮かび上がる展示となるはずだ。

『中園孔二 ソウルメイト』
会期:開催中〜9/18 
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川・丸亀) 
営)10:00 〜17:30最終入場
休)月、7/18 ※7/17、9/18は開館
料)一般¥950 

⚫︎問い合わせ先:
tel:0877-24-7755
www.mimoca.org/ja

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世界中に追従者を生み続ける色彩の世界。

『ソール・ライターの原点 ニューヨークの色』

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類いまれな色彩感覚や構図が世界を魅了し、「カラー写真のパイオニア」と称される写真家、ソール・ライター。画家を志して神学校を中退し、ニューヨークへ移住した彼は、1958年から80年代にかけて「ハーパーズ・バザー」など多くの雑誌でファッション写真を発表。50代で表舞台から姿を消し、富や名声に一切関心を示さず、自らの美意識に忠実に生きた。よわい80になってドイツのシュタイデル社から刊行された初の写真集『Early Color』によって再び脚光を浴び、2013年逝去後、数万点に及ぶ未整理のアーカイブのデータベース化が着手され進行中だ。本展では没後も新たな発見が続く“発展途上”の写真家、ライターの知られざる素顔と色彩感覚の源泉に迫る。

『ソール・ライターの原点 ニューヨークの色』
会期:開催中〜8/23
会場:渋谷ヒカリエ9階・ヒカリエホール ホールA(東京・渋谷)
営)11:00〜19:30 最終入場
無休
料)一般¥1,800

⚫︎問い合わせ先:
050-5541-8600(ハローダイヤル)
www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_saulleiter

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建築家ガウディ、悲願の聖堂建築に迫る。

『ガウディとサグラダ・ファミリア展』

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スペイン、カタルーニャ地方に生まれ、バルセロナ市内に遺した数多くの建築群が世界遺産に登録された稀代の建築家アントニ・ガウディ。その独創性は、西欧のゴシック建築やスペインならではのイスラム建築、カタルーニャ地方の歴史や風土など自らの足元を深く掘り下げることで、時代や様式を飛び越える革新的な表現に到達したことにある。本展では、長らく「未完の聖堂」と言われ、いよいよ完成時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア聖堂に焦点を絞り、ガウディの建築思想と造形原理を読み解く。「降誕の正面」を飾る彫像を自ら手がけ、建築・彫刻・工芸を融合する総合芸術家志向だったガウディの豊かな世界に多角的に迫り、ユニークな造形に没入する体験となりそうだ。

『ガウディとサグラダ・ファミリア展』
会期:開催中〜9/10 ※会期中一部展示替えあり
会場:東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー(東京・竹橋)
営)10:00〜16:30最終入場(金、土は19:30 最終入場)
休)月(7/17は開館)、7/18
料)一般¥2,200

⚫︎問い合わせ先: 
050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://gaudi2023-24.jp

*「フィガロジャポン」2023年8月号より抜粋

text: Chie Sumiyosh

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