黒沢清×菅田将暉、日本映画が描く「現代」という恐怖。

Culture 2024.09.20

The fear, The terror, The horror of the modern age.

日本映画のホラー、サスペンスを牽引してきた映画監督、黒沢清。最新作の主演として指名したのが、コメディからラブロマンス、アクションまで多彩な演技を見せる菅田将暉だ。ふたりの鬼才が見つめる映画界の現在とは?

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──『Cloudクラウド』は黒沢清監督待望、アクション満載のサスペンススリラーということでたいへん楽しく拝見しました。監督がスティーヴン・スピルバーグ監督をはじめとする年代のアメリカ映画やアクション映画に影響を受けていることはこれまでもインタビューなどで話されていますが、実現するにあたってのチャレンジはいかがでしたか?

黒沢 まず、脚本を作るのがひと苦労でした。最終的には生きるか死ぬかのアクションに持っていきたいと思ったんですが、この現代の日本で、しかも"やる側"も"やられる側"も普通の人にする、というのがやりたかったことのひとつでしたから。刑事とかヤクザを出すと簡単にアクションになるんですけど、普段は暴力とはまったく関係のないところにいる人々が、最終的には戦闘状態に陥る。どうやったらそうなるのかなっていうのを、小難しい理屈なく、素直にそこに到達するにはどうしたらいいだろうというのを試行錯誤しました。それで転売屋とか、インターネットを通じて匿名の人々が集まって犯罪を犯すといった、現代でも非常にリアルな設定を作ることで、アクションに持っていけたと思っています。

菅田 脚本が本当におもしろくて、あっという間に読めました。動きについても書かれていたのでイメージしやすく、本当に映画を観ているのと同じくらいスリリングでした。読んでいて心地よかったです。この怖さとおもしろさが実際に映像になったらどうなるんだろうと楽しみになりました

──これまで読んだ脚本と決定的に違ったのはどんなところですか?

菅田 感情的なト書きが少ないこととかですかね。

黒沢 読んでも登場人物の感情がほとんどよくわからない脚本ですからね。セリフも、どんな感情でそれを言うのか、ちょっとわからないことがあったかと思います。

──意図的にそう書いているのですか?

黒沢 意図的というわけではないんです。これはなかなか信用してもらえないかもしれませんが、僕自身もわからないんです。俳優が一体どういう感情でそのセリフを言うのかわからないから、書いていないんです。自分でも想像できるところは書いているはずなんですが、書いてないところは、わからないので俳優に任せます、ということなんです。

菅田 疑問に思ったことは監督に聞いたこともありますが、でも、脚本に書かれすぎると演じにくいこともあるんです。"ここで振り向いて"とか書かれていると、"ここで振り向かなきゃいけない"と思うじゃないですか。"振り向くってことは背を向けているんだ"とか。ある意味、黒沢さんの脚本はわからないことが多かったんですが、撮影現場に行って初めて"ああこういうことだったんだ"というような、自分で発見しながら演じていくのがエキサイティングでした。

黒沢 それは狙いというわけではなく、映画作りってそういうことだなという。僕の力なんて小さいもので、いろんな人の力や能力が合わされるのがまさに映画の現場。僕が下手なことを言うより、俳優にお任せしたほうがいいことが多いのも経験上わかっている。そこがまさに映画だということです。

──というと、この人なら何も言わなくても演じてくれるという信頼感や期待感を持ってキャスティングされた?

黒沢 それは理想ですが、今回もちろん菅田さんを含めて主要な人たちほとんど初めてご一緒する方々でしたので、不安はないとは言えませんでした。撮影現場で、「できません」って言われたらどうしようかなって。

菅田 「できません」って言われたことはあるんですか?

黒沢 まれにいるんですよ。絶対人間にできないようなことだったら仕方がないんですが、「できるはずだよな」と思ったり(苦笑)。今回はそういうこともなく、皆さん、特に菅田さんはいろいろな現場で経験をされていらっしゃいますから、柔軟に対応してくださった。それでも菅田さんの役は難しかっただろうとは思います。先ほど言いましたが、"普通の人"の設定ですから。普通の人っていちばん演じ難い役です。普通の人が何気ない日常を送っているっていうならまだしも、このような突飛な状況に陥っていくのは。"言うは易し、演じるのは難し"だったと思うんですが、お見事でした。

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かつてアラン・ドロンが演じた、"真面目な悪役"という存在。

菅田 "普通の人"を演じようと考えると、八方塞がりになってしまうのですが、脚本にはやることが書いてあるので、それを遂行していけば演じられるだろうと思いました。(主人公の)吉井はむやみに人を傷つけたりしないし、自分だけのし上がってやるという野心家でもない。真面目に、目の前のことに取り組んでいる。ただそれが、傍から見ればちょっとウザかったり、気分悪いなって思うような瞬間があるだけ。

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Masaki Suda
1993年、大阪府生まれ。2009年「仮面ライダーW」で俳優デビュー。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍し、映画『あゝ、荒野』(17年)で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。17年からは音楽活動も開始、今年7月3日にサードアルバム『SPIN』を発売した。待機作に映画『サンセット・サンライズ』(25年1月公開予定)、Netflixシリーズ「グラスハート」(25年配信予定)がある。

──監督は吉井を演じるうえで、パトリシア・ハイスミス原作、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(ルネ・クレマン監督)を菅田さんに観ていただいたそうですね。

黒沢 参考資料に何か渡すと考えた時に、ふと『太陽がいっぱい』が浮かんだんです。1960年の映画ですけど、主人公のトム・リプリーは、60年代から70年代前半ぐらいまでは映画に時折出てきていた、まさに"真面目な悪役"ですね。背景に貧困や差別とかが、まだ物語のテーマとしてドンと大きくあった時代に生まれた人物像。世の中に対して、拗ねて斜に構えて悪いことをするのではなくて、真面目に生きるために悪も辞さないという感じ。ほかにもいくつも例はあると思うんですけど、最もわかりやすいのはひょっとして『太陽がいっぱい』かもしれないと思って。ただ、なにしろ古い映画ですし、かつアラン・ドロンという独特の個性も強力なので、あれを観て菅田さんから「ワケがわからない」「つまらなかった」って言われたらまずいなあとか、ちょっと怖かったですけど、幸い「おもしろかったです」とおっしゃられたので、ピンと来ていただけたのだなと。なので、本来はキャラクターの細かい打ち合わせをやるべきだったのかもしれませんが、ほとんどもう『太陽がいっぱい』のことだけをベラベラしゃべって楽しく別れたんです。

菅田 "真面目な悪役"というキーワードをいただいていたので、そういう目線で観た『太陽がいっぱい』はすごくおもしろかったです。後半は特に、淡々と隠蔽工作したり、お金を隠したり、いろんなことをやっていくさまは吉井に通じるなと思いました。前半に、フィリップとリプリーが船で一緒にトランプをしているシーンがあるんですが、一気に緊張感が走るところがあったんです。セリフもなく、そこから殺し合いが始まるのか、と思えるくらい。でも、このふたりの間では、この後、何かは絶対起こるということはわかる。アラン・ドロンの顔だけでは、リプリーのその時の気持ちはわからないけど、観ている方の脳裏には鮮明に残る。もしかすると、吉井という人物の在り方ってこういうことなのかな、と。できるかどうかわからないけれど、こういうことを目指せばいいんだなって感じました。

──『太陽がいっぱい』は、格差社会に生きる人間が陥る闇を描いた作品でもありますが、今日、貧困や差別は世界的にも映画の大きなテーマになっていると思います。

黒沢 もう何十年も前から、「貧困」、「差別」、そして「戦争」という問題は歴然としてあるにもかかわらず、それを映画というフィクションのドラマの根底に据えるのが非常に難しくなっている。これはどうしたことでしょうね。特に先進国、日本と限定してもいいかもしれませんけど、映画の設定として、特殊な宇宙人と戦うとか、特殊な状況を持ってくればそういうことはできなくもないんですけど、現代のごく普通の日常の中でというと、それら大きな3つのテーマがあるにもかかわらず、映画のパッと見の題材としては隠されてしまう。貧しい人と金持ちの人って、一見、違いがわかりませんしね。戦争は世界のどこかでは常に起こっていて、テレビをつければニュースでいつでも流れているのに、すぐ目の前では気配もない。僕は学者じゃないので断定的なことは言えませんけど、この数十年、そういう巨大なテーマ、問題のようなものを巧妙に隠すように仕組まれていったのかもしれない、とさえ思います。でも、その綻びは見えつつあるのかな。もう早々隠せなくなっているかもしれない気がします。

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Kiyoshi Kurosawa
1955年、兵庫県生まれ。立教大学在学中より自主映画の製作を始める。97年の監督作『CURE』が国内外でブレイク。『岸辺の旅』(2015年)が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞、『スパイの妻〈劇場版〉』(20年)が第77回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。24年は『蛇の道』『Chime』『Cloud クラウド』と3作品が連続で公開された。

菅田 この映画の中でも「転売」や「闇バイト」といったインターネットでの事象が登場します。僕たちはインターネットに関する感覚でいうと、曖昧な世代なんです。生まれた時にはあまり使われていなかったけれど、高校生ぐらいからみんな携帯とかを持ち出した世代。まだスマホはなく、若干の不自由さもあった。でも僕より10年先輩になってくると、10代の時にはインターネットは使っていなかったりする。吉井に雇われるバイトの青年・佐野を演じた10歳下の奥平(大兼)くんの世代とかになると、多分物心ついた時からインターネットに触れてきている。「何かを探す」のではなく、持っているものを失う怖さを持っている世代なのかなと。だから、常に怯えていて、常に満足してなくて、向上心とか野心みたいな覇気が見えづらい。そういう意味での生きにくさが、いまの若者にはあるのかな、と感じますね。人と比べることを可視化できるのが、しんどかったりすると思うんです。かつては小学生の時に、無邪気に「俺ワールドカップで優勝するんだ!」ってサッカーを練習していたけれど、いまではすぐにSNSとかで地球の裏側のブラジルの同世代のサッカーのプレーを見られたりするから、「こんな奴いるんだ、じゃあ俺プロになれないじゃん」って絶望してしまう。情報もいっぱいあるからこそ、こういうのは大変そうだなと思います。

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社会の闇を描くという「覚悟」と「エネルギー」

──インターネットで世界が繋がっているように見える一方で、たとえばお隣の韓国では、貧困や格差が切実な問題で、それが、『パラサイト 半地下の家族』(2019年、ポン・ジュノ監督)を筆頭に映画にも直接的に反映されていたりしますね。実際に、日本では作りにくい、暴力を含めた日常性の高いアクション映画も多く作られていますね。

黒沢 僕はその違いって、社会構造の違いにあるのではなくて、作る側の心意気にあると思うんですよね。韓国映画が素晴らしいなと思うのは、その格差や貧困という社会的な暗部を隠さずテーマとして見出し、そこに映画としてのおもしろさも必ずあると信じている。韓国の優れた映画人たちは、懸命に探して、切磋琢磨して(映画化を)実現しています。日本だって、本気で頑張ればいろいろテーマがあるはずなんですが「そんなことしても(興行的に)当たらないよ」とか「当たるのはこういう作品だ」と高をくくっちゃっている。自分が好きなものだけを作れている人はそれでいいかもしれませんが、でも、韓国は本気だな、という気がします。テーマ性とエンターテインメントとしてのおもしろさが共存したものが今日でも作れると、ものすごい強い覚悟で挑んでいるんだと思います。

菅田 去年、韓国のネットフリックスシリーズ「寄生獣─ザ・クレイ─」に参加したんです。驚いたのは、みんな、すごく元気なんですよ。スタッフたちのバイタリティもすごくて、なんでこんなにエネルギッシュなんだろうって感心しました。ちょっとバカみたいに聞こえるかもしれませんが、そこにいる全員がめちゃくちゃ食べるんですよ。だからこんなに元気なんだろうなって思いました。僕は節制したわけでもなく普段どおりに食べていたら、「菅田くん、食べてないじゃない。病気か? 元気ないのか」って言われて、「もっと食べな」ってみんなに言われました。その根源的なエネルギーみたいなのは、何をするにしても感じました。国民性といっていいのかわかりませんが、映画作りにしても、体力的なエネルギーに圧倒され、僕自身がすごく貧弱に感じたんです。

──物語でも重要なモチーフである「転売ヤー」や「闇サイト」に関しては、監督はリサーチされたのでしょうか?

黒沢 深くリサーチしてこれに行き着いたわけではないんですけど、転売ヤーに関しては、僕の知り合いにたまたま転売ヤーがいたんです。転売ヤーは、世の中では悪辣なイメージがあるかもしれないんですけど、少なくとも僕の知り合いは本当に真面目な人間なんです。ちょっとは悪いことをしているという認識もありながらも、組織の中でやっていくことができないので、なんとかひとりで生活していくために仕方なくそういう仕事に手を染めている。褒めるわけではないですが、やっている仕事量はすごいですよ。ほかのバイトしたほうが楽なんじゃないかと思うんですけど、ひとりでやれるっていうこともあって一生懸命やっていた。この健気な感じと後ろめたい感じと、当たったら大きいかもしれないというちょっとした野望もあったりという、この複雑さがすごく現代的だなと思ったんですね。吉井を襲う集団、ネットを通じて不特定多数が集まって犯罪を犯すという話は、たまたま同じような事件が実際にあり、新聞などで記事にもなっていましたし、本も確か出ていたと思います。

菅田 転売ヤーは、あれだけの労力をかけられるんだったら確かにほかにも何かできるんじゃないかって、演じていても思いましたね。本当にたいへんな仕事です。それに、フィギュアが欲しくて並んでいる人々の列に割り込んで買い占めて、心が痛まないわけはないので、メンタル的にもかなりキツイと思うし。吉井の場合は、窪田正孝さん演じる村岡という先輩の影響も大きいと思いますが、別の出会いがあれば、違う人生の可能性もあったのではないかと思うと複雑ですね。

──吉井には共感できますか?

菅田 共感はしないけれど、気持ちは理解できる部分はあります。ただ、悪に染まることは環境のせいにもできない。そこも含めて、自分の選択だし、自己責任だとは思います。

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日本映画で実現した"銃撃戦"の舞台裏とは?

──黒沢監督はアクション映画という分野で、ある意味、夢を実現されたのだと思います。特に、物語の後半に起こる銃撃戦のシーンは圧巻でした。

黒沢 ドンパチやっていますけど、もちろん、あれは全部本物ではありません。日本では実銃を使うことができないので。でも、リアルだろうと思えるような描写にしようとは思っていました。もちろん僕も実際にあんな撃ち合いなんかしたことないし、"映画的なリアル"でしかないんですけど。俳優陣もスタッフも僕も、一生懸命それを実現しようとしました。ピストルを本物っぽく見せるとか、なかなか大変なんですよ。照明の当て具合とか、音も含めてライフル銃はこんな反動が来るとか。偽物ですから、そんなに反動が来ないですよ。でも、「撃つと反動がこんなふうに来るんだ」とか、そこがいちばん口うるさく演出した部分でしょうね。「こういう死に方をしてくれ」みたいな。僕の欲望に沿って、皆さん一生懸命協力してくれたなと、感謝しています(笑)

菅田 監督がお手本を見せてくれるんですが、銃の扱い方がすごい上手なんです。現場でもみんな口を揃えて言っていました。僕は、拳銃を持ったことがない、という設定の役だったのでそれほど難しくはなかったんですが。

──銃撃戦のシーンは何か参考にされたんですか?

黒沢 拳銃の照明の当て方は、マイケル・マンの映画をいちばん参考にしました。必ず銃身がキラッと光る。日本だと、刀には照明をギラッと当てるんですけど、拳銃となると「どうせプラスチック製だよな」とか言って、結構無防備に出しちゃうんです。そこはプラスチックですけど、僕らが使ったものも、照明の当て方によっては金属に見える。『コラテラル』(04年)や『パブリック・エネミーズ』(09年)とか。それからスピルバーグの映画ももちろん参考にしています。スピルバーグって戦闘状態を描くの大好きですからね。

──菅田さんも30代に入られ、キャリアも重ねてこられましたが、実現したい夢はありますか?

菅田 30代になってから、いま1年半ぐらい経ちますね。でも、考えてみるとやっている仕事はすべて、20代でやってきたことの流れとか繋がりから生まれているものばかりです。多分、大きな目標というより、これまでやってきたことをより濃く、深くやっていければいいなとは思います。もちろん、新しいことにチャレンジし続けたいとも思っています。それから、この作品もそうなんですが、本当にこれだけはやりたいっていうものを逃さないようにするというのは大事ですね。そのためには毎日、ちゃんと"生活"をしていくことが重要なのじゃないかと思います。

『Cloud クラウド』
世間から忌み嫌われる"転売ヤー"として真面目に働く主人公・吉井。彼が知らず知らずのうちにばらまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸って成長し、どす黒い"集団狂気"へとエスカレートしていく。誹謗中傷、フェイクニュース......悪意のスパイラルによって拡がった憎悪は、実体をもった不特定多数の集団へと姿を変え、暴走を始める。やがて彼らが始めた"狩りゲーム"の標的となった吉井の日常は、急速に破壊されていく......。

●監督・脚本/黒沢清 ●出演/菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、窪田正孝ほか ●2024年、日本映画 ●123分 ●配給/東京テアトル 日活 ●9月27日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開
https://cloud-movie.com/

問い合わせ:
キオスク シーシー
03-6419-7765
https://www.instagram.com/kiosque_cc/

ワグ インク
03-5791-1501
https://www.comoli.jp/

*「フィガロジャポン」2024年11月号より抜粋、写真はweb掲載版とは別のカットを使用! ぜひ誌面もチェックして。

photography: Mirei Sakaki styling: Keita Izuka hair & make: Azuma (M-rep by MONDO artist-group) interview & text: Atsuko Tatsuta

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