チュルリョーニスの回顧展からマルタン・マルジェラの大規模個展まで、この春注目の展覧会4選。
Culture 2026.03.27
01. 絵画と音楽を往還した、夭折の芸術家。
『チュルリョーニス展 内なる星図』

リトアニアを代表する芸術家チュルリョーニスの日本では34年ぶりの回顧展。絵画と音楽の領域で類いまれな才能を示し、35歳で夭折するまでの6年ほどの画業で300点以上もの作品を手がけた。人間の精神世界や宇宙の神秘を描いたその幻想的な作品の中でも、謎に包まれた最大の代表作『レックス(王)』が日本初公開となる。音楽の形式を絵画に取り入れた連作や自身の手による楽譜、展示室に流れる旋律を通して、優れた作曲家でもあった画家の個性と感性を体感したい。
3/28~6/14
国立西洋美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)9:30~17:00最終入場(火~木、日)、9:30~19:30最終入場(金、土)
休)月、5/7 ※3/30、5/4は開館
料)一般¥2,200
https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp/
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02. クーンズが提示する、大衆文化と芸術の関係。
『PAINTINGS AND BANALITY-SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION』

1980年代以降、現代美術史上に唯一無二の立ち位置を築いたジェフ・クーンズ。家庭用品、広告表現、子ども向けの図像、美術史の引用を融合させた彼の作品は、芸術的に些末とされてきたものの価値を大きく変え、ハイカルチャーと大衆文化の間に潜む緊張関係を探求し続ける。社会が「凡庸」とみなすものをあえて取り上げ、日常のオブジェやイメージが帯びる象徴性や、陳腐なものが呼び起こす感情を明らかにしてきたクーンズの40年以上にわたる実践を紐解く。
開催中~7/5
エスパス ルイ・ヴィトン大阪
0120-00-1854(フリーダイヤル)
開)12:00~20:00
不定休
入場無料
https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/osaka
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03. マルジェラが蘇らせる、歴史的邸宅の親密感。
『MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE』

2008年にファッション界を退き、アーティストに転身したマルタン・マルジェラの日本初の大規模個展。彼が探求してきた人間の身体や痕跡、時間、不在といった主題とその実践が初めて包括的に提示される。1927年竣工の歴史的な建物全体に展開されるインスタレーションは、かつて家族が暮らした邸宅が持つ私的で親密な空気感を蘇らせる。日常にありながら見過ごされがちな物や状況への鋭い観察から生まれた作品群は、平凡なものを非凡なものへと転化させることだろう。
4/11~29
九段ハウス
contact@rinartassociation.com
開)10:00~18:00最終入場 ※4/29は16:00最終入場
無休
料)一般¥2,500
https://martinmargielaatkudanhouse.jp/
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04. 画家の筆致が捉えた、色鮮やかな日本の姿。
『スイス絵画の異才 カール・ヴァルザー 世紀末の昏き残照』

20世紀前半のスイスで活躍した知られざる異才カール・ヴァルザー。20代でベルリンに出た彼はベルリン分離派に加わり、昏さを湛えた象徴主義的な絵画をいくつも描いた。1908年には小説家とともに来日し、東京や京都府宮津などに滞在して、日本の風景や風俗、芸妓や歌舞伎を描いた美しい水彩画や重厚な油彩画を残した。120年前の日本の姿を鮮やかに描いたこれらの作品に加えて、挿絵や舞台美術、壁画でも活躍したヴァルザーの全貌を伝える画期的な試みとなる。
4/18~6/21
東京ステーションギャラリー
03-3212-2485
開)10:00~17:30最終入場(火~木、土、日)、10:00~19:30最終入場(金)
休)月
料)⼀般¥1,800
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/
*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋
text: Chie Sumiyoshi






