イーロン・マスク、生まれる子どもの「性別を選択」していた!?
Celebrity 2025.03.17
テスラそしてスペースXのCEOイーロン・マスクは、男の子だけをもうけるために選択的体外受精を利用したのではないかという根強い噂がある。しかし、そもそも体外受精で本当に子どもの性別を選ぶことは可能なのだろうか? そして何より、それは合法なのだろうか?
イーロン・マスクが息子のX、パートナーのシヴォン・ジリス、そして双子のストライダーとアズールとともに外出。(ワシントン、2025年2月13日)photography: ABACA
2025年3月10日(月)、イーロン・マスクの20歳のトランスジェンダーの娘、ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソンは再び父親を非難した。マーク・ザッカーバーグが保有するソーシャルネットワーク「Threads」に投稿したメッセージの中で、彼女は父親が子どもたちの性別を選ぶために選択的体外受精を利用したと主張している。「私が生まれたときに与えられた性別は、お金を払って購入された商品でした。子どもの頃から女性っぽく育ち、トランスジェンダーであることを明らかにしたということ、それはまさにその『商品』に反する行動だったのです。男性らしさを持たなければいけないというプレッシャーは、実際には金銭的な取引によるものでした」と彼女は告発した。この強烈な発言は、生殖医療をめぐる倫理的・生物学的な疑問を投げかけた。
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フランスではごく限られた場合を除いて禁止
実際、今日の科学技術において、胚が子宮に移植される前にその性別を判断することができる。胚移植前診断という技術によるものだ。胚移植前診断では、胚が体外で発育してから3日目から6日目の間に行われる生検が行われる。現在のところ、イーロン・マスクがこの方法を使ったという証拠はないが、この技術については疑問が投げかけられている。それは果たして本当に合法なのだろうか?
フランスでは、ほとんどの国と同様に、体外受精による性別選択は禁じられている。これには、イーロン・マスクが生まれた南アフリカやカナダも含まれる。性別選択は、遺伝的な重篤な疾患を親が子どもに伝えるリスクがある場合に限り、医療的理由でごく限られたケースでのみ許可されている。例えば、男性にしか影響しない血友病やデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどだ。
とはいえ、この非常に物議を醸す行為は、アメリカでは他国よりはるかに自由が認められている。そのため、一部のプライベートのクリニックでは、医療的な理由がなくても性別の選択が可能である。他にも許可されている国もあり、例えばキプロスがその一例だ。子どもの性別を選びたいと強く望む親たちによる「不妊治療ツーリズム」が行われている。
オーダーメイド・ベビーの時代
しかし、遺伝学の進歩により、今や目の色、身長、知能の傾向など、さまざまな特徴を選択できる可能性が広がっており、性別の選択は氷山の一角に過ぎない。これに対し、一部の人々は、裕福な層だけが理想的な特徴を持つ子どもを「手に入れられる」格差社会の出現を懸念している。イーロン・マスクに関する噂がもし本当なら、ひとつの重要な問いが浮かび上がる。私たちは今や、自分の基準で子どもをデザインする権利を持つのか? 倫理的な議論が始まっている。
From madameFIGARO.fr
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi