スティングと共演も!メロディ・ガルドーの歌声に浸る。
Culture 2020.12.30
不安な時代にそっと寄り添う、稀有な歌声。
『サンセット・イン・ザ・ブルー』/メロディ・ガルドー
ユニバーサル ¥2,860
夜の帳が似合う声。メロディ・ガルドーの歌を聴いたら、誰もがそう感じるのではないだろうか。独白のような落ち着いた歌い方なのに存在感がある。ジャジーでブルージーなのにソフトなボサノバも歌える。ノラ・ジョーンズと並び称されることもあるが、心地よいのに決してカラッと晴れやかになることがなく、聴く者の心にそっと爪痕を残すような歌声は唯一無二の存在だ。この新作でもその印象は変わらず、彼女の声に包まれて至福の時間を味わうことができる。スティングとのデュエットというサプライズもうれしい。
プロデュースを手がけたのは、彼女の初期傑作『マイ・オンリー・スリル』でも見事な采配を見せたラリー・クライン。シンプルながら1950年代のジャズ黄金期を思わせるゴージャスなオーケストレーションが、シルキーな声をさらに美しく響かせる。
*「フィガロジャポン」2020年12月号より抜粋
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réalisation : HITOSHI KURIMOTO