全仏が騒然! セザール賞で女優が放った過激なメッセージとは?

Culture 2021.03.16

コロナ感染対策のため、“必要不可欠ではない”という理由で文化施設の閉鎖措置が続いているフランス。3月12日に行われたセザール賞授賞式は、カルチャーの再開を求める社会的なスピーチが繰り返される異例のセレモニーになった。中でもフランス中をあっと言わせたのは、女優のコリンヌ・マジエロだ。

テレビドラマ「Capitaine Marleau」の主役を演じて人気の彼女は、セザールの舞台にロバの皮をまとって登場。この衣装を脱ぎ捨て、“最もシンプルな”スタイルを披露した。

以下、*注釈は編集部による。

 

最優秀衣装賞のプレゼンター、コリンヌ・マジエロは、素足で、ロバの皮(*カトリーヌ・ドヌーヴが演じたジャック・ドゥミ映画『ロバと王女』の原題 « Peau d'Âne » )をまとってステージに現れた。耳にはタンポンのイアリングをつけ、両脚を血に染めて、腰をふりながら舞台に登場した彼女に、会場は唖然。だが、驚くのはまだ早かった。

「(*衣装賞だから)ロバの皮、いいでしょ、伝説的でしょ」、と語りかけるマジエロに、セレモニーの司会を務めたマリナ・フォイスは「うーん、でもちょっと…小汚いんじゃないの」と答える。マジエロはこう続けた。「私は(*ドヌーヴが『ロバと王女』の中で着た)太陽の色のドレスがいいって言ったのよ。でも、『高価すぎる、そこまで“必要不可欠”じゃないだろう』って言われたのよ。まあ、カトリーヌ・ドヌーヴなら、フランス映画にとって“必要不可欠”なんだね、きっと?」

そして、57歳の女優は説明を続ける。アイデアがなかったから、3月4日からカルチャー界への閉鎖措置反対グループが占拠しているオデオン座に行ってきたのだ、と。

【写真】フランス映画界、スターたちのはじめの一歩。

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「汚らしすぎる?」

「オデオン座を占拠してた仲間に言われたの。『これ着ればいいじゃないか』ってね。汚らしすぎる? 血だらけだって? 私の血じゃないよ、もう更年期だもの。でも確かに、(*『ロバと王女』は)汚らしすぎるわね」。そして独白は続く。「そりゃあ、本当のこと言って、今の時代に誰が『ロバと王女』にお金を出すと思う? 娘と結婚したがる父親の話だよ。国立映画センターなら出すかな? この冗談は私が考えたんじゃないよ。この辺でやめておくわ、デパント(*過激なフェミニスト活動家、ヴィルジニー・デパント)のワル真似になってる。第一、私、彼女好きだしね。そうそう、よかったらもう一つ衣装があるのよ」と彼女はロバの皮を脱ぎ、血に染まったドレス姿になった。

驚いたことに、さらに彼女は、この衣装をも脱ぎ捨てた。「こちらは映画“誰がカルチャー界の時給労働者を殺すのか?”の衣装よ」。こうして全裸になった彼女の胸には、「NO CULTURE FUTUR(カルチャーなしに未来はない)」の文字が。賞のノミネートを読み上げる前に、くるりと振り返った彼女の背中には、次のメッセージが書かれていた。

「アートを返して、ジャン(*・カステックス首相)」。

texte : Chloé Friedmann 1 ( madame.lefigaro.fr)

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