自宅にいながらアート鑑賞。世界の名美術館を尋ねよう!
Culture 2021.03.22
世界各国の美術館で、オンラインビューイングがますます進化中。
ウェブ版「美術手帖」編集長・橋爪勇介お薦めの6美術館と、その見どころを解説。
Vatican Museums
ヴァチカン美術館
隅々まで眺めたいミケランジェロの天井画。
500年以上の歴史を持つヴァチカン美術館。必ず見ておきたいのはシスティーナ礼拝堂のバーチャルツアーだ。見事としか言えないミケランジェロの天井画はもちろんのこと、無数の作品で飾られた礼拝堂内部を隅々まで鑑賞可能。画面越しでも見ていて飽きないだろう。またヴァチカン宮殿にある「ラファエロの間」では、『アテナイの学堂』を含むラファエロの傑作を堪能してほしい。
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Rijksmuseum
アムステルダム国立美術館
名誉の間から作品細部までじっくり堪能。
年間300万人以上が訪れる、アムステルダム国立美術館。この美術館のハイライトは、なんといっても17世紀オラ ンダ絵画の傑作を展示する「名誉の間」だ。美術館の2階にあるこの空間では、日本でも人気の高いフェルメールの『牛乳を注ぐ女』のほか、現在、公開修復中のレンブラントの大作『夜警』も鑑賞可能。音声(英語)解説とともに、作品のスーパーズームを楽しんで。
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Louvre Museum
ルーヴル美術館
『モナ・リザ』を超高精細画像で満喫。
フランスの美術館といえばルーヴルは外せない。ガラスのピラミッドから巨大絵画が並ぶグランドギャラリーなどを360度で見渡せるオンラインビューイングに加えて、「古代エジプト美術」などテーマ別のバーチャルツアーも用意。このほか、通常は混み合っていて近くで鑑賞するのが難しい『モナ・リザ』や『サモトラケのニケ』などの名作を、超高精細画像で楽しめるのもうれしい。
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Mauritshuis
マウリッツハイス美術館
自分好みのルートを開拓する楽しみ。
2014年にリニューアルされたマウリッツハイス美術館のバーチャルツアーは、高画質とスムースな動きが大きな特徴。ガイドによるツアー動画で館内を簡易的に巡るのもいいが、ここはじっくりと好きなルートで鑑賞したい。代表的な作品は、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』やレンブラントの『自画像』など。それぞれ詳細な解説や音声ガイド、そしてズーム機能が備わっている。
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The State Hermitage Museum
エルミタージュ美術館
かつて王宮だった絢爛たる装飾群を巡る。
世界最大かつ最古の美術館のひとつ、エルミタージュ美術館は、その豪華絢爛な室内装飾で知られている。かつて、ロマノフ王朝時代は王宮だったこの美術館は、高さ22mの吹き抜けが特徴の大階段、ヨルダン階段から順を追って館内を巡るのがおすすめだ。オンラインとはいえ、本館だけでなく劇場なども有する広大なエルミタージュをすべて回れば、かなりの充実感を得られるだろう。
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The Metropolitan Museum of Art
メトロポリタン美術館
館内と観客を俯瞰で眺めるのもまた一興。
メトロポリタン美術館は、ユーチューブでバーチャルツアーを提供している。本館のグレートホー ルでは、人々が行き交う様子を“神の視点”のごとく眺められるのが楽しい。またメトロポリタン美術館のハイライトのひとつである、紀元前15年頃に建設された『デンドゥール神殿』も見どころたっぷり。このほか、分館であるメット・クロイスターズやメット・ブロイヤー(今年閉館)も見逃せない。
*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋
texte : YUSUKE HASHIZUME