春めく時期にチェックしておきたい、話題の新刊3選!

Culture 2021.03.27

花は満開に咲き誇っているのに、外でゆっくり過ごすのはなかなか難しい……。長引く自宅中心の生活を彩る、いまチェックしておきたい新刊を厳選! 男女関係を考えさせられるSFから、いまは無き名店の思い出、アメリカで上映禁止になった映画のコラージュ作品まで、ページをめくる手が止まらなくなること必至だ。

 

アンドロイドが恋をしたのは、僕の愛する彼女。

『恋するアダム』

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イアン・マキューアン著 村松 潔訳 新潮社刊 ¥2,750

冴えない独身男のチャーリーは、母親の遺産で最新型の人造人間アダムを購入。彼のAI能力を使い、美しいミランダと交際することに成功する。しかし、アダムは「彼女は嘘をついている」と警告する。やがてアダムはミランダに恋心を抱き始め、チャーリーは嫉妬心に苛まれる。ミランダは言う。「私はあなたがセックスドールの相手をしても、浮気とは思わない」。奇妙な三角関係が倫理観の線引きも危うくする、仕掛けと企みに満ちたマキューアンの最新作。

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100人が物語る、いまはもうないあの店の記憶。

『Neverland Diner――二度と行けないあの店で』

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都築響一編 平松洋子ほか著 ケンエレブックス刊 ¥3,630

いまはない店の話をすれば、何者でもなかったあの頃の記憶をたどることになる。都築響一は20歳の頃、免許を取りに行った大島でイワシを手でさばいて出してくれた漁師屋台を語り、大竹伸朗はロンドンのフィッシュ&チップスの店で目撃した嘘のような本当の話を語る。誰もが知る有名店より、子どもの頃家族で行った店、おいしくないけど、もう一度食べたい味、星の数では語れない100人の物語。

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女性の性解放を描いた映画をコラージュに。

『You Could at Least Pretend to Like Yellow』

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カトリアン・デ・ブラウワー著 LIBRARYMAN刊 ¥6,400

ベルギー人コラージュアーティスト、カトリアン・デ・ブラウワーの作品集。アントワープ王立芸術アカデミーでファッションを学んだ彼女は映画的手法を得意とする。今回モチーフに選んだのはヴィルゴット・シェーマン監督が1967年に製作した『私は好奇心の強い女(イエロー篇)』。女性の性解放を描いた先駆的作品としてアメリカで上映禁止となり、最高裁で審理されるなど世界中でセンセーションを巻き起こした映画をスタイリッシュな作品に仕上げている。

*「フィガロジャポン」2021年4月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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