2021年第93回アカデミー賞 『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督、オスカー受賞なるか?

Culture 2021.04.26

『ノマドランド』で、バーブラ・ストライサンド以来、37年ぶりにゴールデン・グローブ賞を受賞した史上2人目の女性であり、アジア人女性としては初めての受賞者となったクロエ・ジャオ。アカデミー賞でも4部門にノミネートされている。

『ノマドランド』公式トレーラー

 

第78回ゴールデングローブ賞は、多様性を欠いたノミネートや「エミリー、パリへ行く」シリーズのノミネートをめぐる接待疑惑が批判されていたが、名誉ある最優秀監督賞を女性監督が受賞したことを皮切りに、何人かのアウトサイダーを選出することにより、グッドサプライズを巻き起こした。

37年前の『愛のイエントル』のバーブラ・ストライサンド以来、クロエ・ジャオは女性として史上2人目の監督賞受賞者となった。ノミネートされていた『あの夜、マイアミで』のレジーナ・キング、『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル、さらに『Mank/マンク』でノミネートされたデビッド・フィンチャー、『シカゴ7裁判』のアーロン・ソーキンなど名だたる監督を抑えて、だ。

本物のノマドをキャスティング

バンに乗ってアメリカを横断する、現代のヒッピーたちへの賛歌である『ノマドランド』は、最優秀作品賞ドラマ部門のトロフィーも獲得した。39歳でアジア人女性として初めて最優秀監督賞を受賞した、中国生まれのクロエ・ジャオ監督にとっては、二重の意味での栄冠だ。

「『ノマドランド』は、私にとって、痛みと癒しを通した巡礼の旅の物語です」と受賞スピーチで語ったジャオは、「特に、私たちに話を聞かせてくれたノマドの人々に感謝しています」と付け加えた。

実際のノマドとプロの俳優を起用し、映画では60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)が、ネバダ州の小さな労働者階級の町を離れ、バンでアメリカ西部を旅するというストーリーを描いている。

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ベネチア国際映画祭金獅子賞

北京で生まれたクロエ・ジャオは、アメリカで政治学とプロダクションを学んだ。2015年、4本の短編映画を経て、初の長編映画「The Songs My Brothers Taught Me」を監督。この作品は、ネイティブ・アメリカンの居留地を社会学的なアプローチで描き、サンダンス映画祭、またカンヌ映画祭の監督週間で上映された。その後、『The Rider』(2018年)では、大事故のため情熱を諦めざるを得なかった若きロデオスターの物語を描いた。

3作目の長編映画『ノマドランド』で2020年のベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞し、今シーズンの大本命でもあるクロエ・ジャオは、アカデミー賞では4部門にノミネートされている。

texte : Stéphanie O'Brien (madame.lefigaro.fr)

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