BBC、ダイアナ妃のインタビューに賠償金支払いへ。

Culture 2021.08.17

1995年、ジャーナリストのマーティン・バシールがダイアナ妃を欺いて行った衝撃的なインタビューについて、BBCが決定を下した。

lady-di-et-martin-bashir.jpeg

1995年、BBCでマーティン・バシールのインタビューを受けるダイアナ妃。photo : Getty Images

マーティン・バシールのスキャンダルを受け、BBCは150万ポンド(約2億3000万円)の賠償金を払うことになったと、8月14日付のデイリー・メールが報じた。賠償金は、王室が選んだ慈善団体への寄付という形になるという。

1995年、ダイアナ妃はBBCのインタビューを受け、夫のチャールズ皇太子カミラ・パーカー・ボウルズとの関係を指し、「あの結婚生活には3人がいた」と明かした。しかし昨年5月、ジョン・ダイソン元判事の調査により、マーティン・バシールが「詐欺的な手段」でこのインタビューを実現したことが明らかになった。

バシールは、ダイアナ妃の側近がシークレット・サービスに情報を漏らして金銭を得ていたという偽の銀行明細書を使用。さらに当時BBCの会長だったトニー・ホール卿をはじめとする経営陣が、1995年にバシールがスクープを取った方法に疑念があったにもかかわらず、それをもみ消したことも判明した。

昨年5月、マーティン・バシールは、中途半端ではあるが、謝罪をした。彼は「25年前に起きた事件の調査に全面的に協力するのは、これで2度目です」と声明を発表。「あの時も謝罪しましたが、今日も同じことを繰り返します。(中略)愚かなことをしたと深く反省しています」

しかし、バシールはメディアに、ダイアナ妃を「傷つけるつもりはなかった」と表明し、「王室とメディアとの難しい関係」の責任を彼だけに押し付けるのは、「不合理で不公平」だとした。彼はその後、健康上の理由でBBCを去った。

---fadeinpager---

これで最後?

この寄付の原案は、ダイアナ妃の弟であるチャールズ・スペンサーが提案し、BBCもこれを支持した。賠償金は、納税者からの資金提供を受けていないBBCの商業部門から拠出される。

ダイアナ妃の親しい友人であるローザ・モンクトンは、デイリー・メールに「これまで与えられた損害を修復することはできないし、BBCの罪を消すこともできないとはいえ、立派な決定だと思う」と語っている。

デイリー・メールによると、5月にBBCの調査結果に対し怒りをあらわにしたウィリアム王子は、調査を継続し「何が出てくるのか知りたい」と語っている。BBCの現会長であるティム・デイヴィーは、今回の賠償によって、事件が終結することを願っている。

text : Mathilde Seifert (madame.lefigaro.fr)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories