グザヴィエ・ドランが撮る、プラダの夢物語。

カンヌ国際映画祭などでも注目される気鋭の映画監督グザヴィエ・ドラン。彼がアメリカ人女優・アーティストのハンター・シェイファーを起用して、プラダのネオクラシックなバッグ「プラダ ガレリア」のキャンペーンフィルムを撮った。

「私にとってファッションとは、業界やその概念ではなく、美しさを感じるものです。その美しさとは芸術性です。多くの美しさや芸術性が、服、色、素材にはあります。アーティストとして、人間として、私は、醜くて欠陥のあるものに惹かれるのと同じくらい、ごく自然にそれらに惹かれます。個性があり活力のあるものを撮りたいのです」と、映画監督グザヴィエ・ドランは、ファッションと自身の関係をどのように表現するかとの問いに、こう答えた。

グザヴィエ・ドランにとってファッションとは美しさや芸術であるなら、プラダにとってファッションとは想像力。シーズンごとに新たに創造され、常に拡張し、そして日々、心を込めて丹念に作り上げられているもの。だが、頻繁に新しいものが登場し、目まぐるしく変化するファッション業界のサイクルに、いつしか私たちも慣れてしまい、その魔法のような魅力は、見落とされやすく、忘れられがちになってしまったのも事実かもしれない……。

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今回のキャンペーンフィルムで、ドランが表現したのは、ずっと憧れていたバッグを手に入れて、大好きな服に身を包んだ時の喜びやときめきといった、キラキラとした感情、そしてファッションがもたらしてくれる夢だ。

ドランの芸術的な演出法によると、ハンター・シェイファーが扮するヒロインは、自分のさまざまな居場所を空想するロマンティストな少女として夢を見ている。彼女の夢の鼓動は、外から見たファッションの華やかさを表し、一般の人々の意識の中で想像するファッションを普遍的に映し出した場所＝カメラ機材が設置された撮影現場で、現実から逃避してしまう……。

レトロでポップな色彩にあふれたヒロインの部屋。それは現実なのか、彼女の空想の世界なのか、その境界は曖昧だけど、部屋の中から空想の世界に飛び出す彼女の姿には、実際に”ステイホーム”という檻に閉じ込められた自分を重ね、シンパシーを感じる人も多いはず。

「（このキャンペーンフィルムは）夢と自由についてのムービーだと思います。自由になり、飛んで、旅をしたいという願望。私たちは、肉体的にも精神的にも、何らかの檻に囚われています。ムービーの中では、ふわふわしたラグが敷かれ、壁には友人のピエール フレィの壁紙があしらわれた可愛らしい部屋が登場しますが、それもまた檻なのです。そして昨年、私たちはこの檻ととても親しくなりました」とドランは語る。

この作品を観た視聴者にどのような反応を期待するかと聞かれ、「どのような感情的な反応も、とても良いものだと思っています。感情があることに興味があります。それは人々が周りを気にかけていることを意図するからです」とドランは答えている。

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伝統と革新を誇るプラダとカナダ出身の気鋭の映画監督グザヴィエ・ドラン。一見、意外な組み合わせと思ったかもしれないが、彼らはすでに長年の友情を築き上げている。
「2016年にニューヨークで、プラダ社の何名かと会って以来、愛と友情の物語が続いています。私や私の友人に対して、彼らの無限の寛大さを見せてくれる。ブランドとしてのプラダとの関係はもっと前に始まりました。ピンクとレッドの組み合わせ、ブラウンとブルーの組み合わせが意味をなすと気づかせてくれました。それはミウッチャが語るように『不一致』の美しさがあるのです」

今回のキャンペーンは、ファッション業界が絶えず強い興味を抱き続けるイコノグラフィからインスピレーションを得ている。ドランが手がけたキャンペーンフィルムは、映画制作とファッションという観点から、夢のさまざまな側面を探究しているようだ。それぞれが多面的、多角的であり、アイデアからアイデアへ、休息からダイナミックな行動へ、または単純さから複雑さへと、絶え間なく移り変わっていく現代の強迫観念を反映していると言えるだろう。作品にはひとつの柱となる物語は存在せず、その代わりに切り取られた思考や愛、感情、夢のようなごく小さな物語が連続し、互いに絶え間なく対話している。これは約60秒のコラージュのような夢物語。

ファッションの楽しさを映画というアートを通じて切り取った夢の中の夢のような作品に、ぜひひと時浸ってみて。

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主役のシェイファー以外はマスク着用で行われたコロナ禍での撮影。何年も暮らした部屋に入り込むような感情で演じることをドランはシェイファ―にリクエストし、そのことによって、「役者として見られている」とシェイファーは感じたという。

カナダ出身の俳優・映画監督・脚本家のグザヴィエ・ドラン。20歳で脚本・監督・製作・主演を務めたデビュー作『マイ・マザー』（2009年）を皮切りに、すでに8本の長編映画の脚本・監督として活躍中。

アメリカ出身の女優・アーティストのハンター・シェイファー。2019年のTVドラマ「ユーフォリア」で女優デビュー。以来、アメリカでもっとも影響力のある若手のひとりとして注目を集めている。

今回のキャンペーンフィルムと長編映画の制作プロセスにおいて「違いはまったくない」と語るドラン。「セット、キャラクター、シーンを構築し、そうすることでハンターがただ単にバッグを持っているだけではなく、人間がするべきことをするという、物語全体に織り込まれた意図が存在するようになりました」

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そして、このキャンペーンフィルムの中で、シェイファー演じるヒロインとともに登場するのがバッグ「プラダ ガレリア」だ。

「プラダ ガレリア」ミディアム（H19.5×W28×D12cm）￥352,000（予定価格）/プラダ（プラダ クライアントサービス）

このバッグは、2007年に誕生して以来、進化を重ねてきたプラダの象徴のひとつであり、歴史も時代も超えた創造性を表現する作品。プラダの歴史的なストア「ギャレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ Ⅱ世」にちなんで名付けられた。伝統の維持は、職人技を守ることだけでなく、初めて登場したモデルに「サフィアーノ」レザーを使用したことにも表れている。「サフィアーノ」レザーは、ミウッチャ・プラダの祖父である創業者マリオ・プラダが特許を取得し、現在もプラダを代表する素材のひとつ。レザー表面に施したクロスハッチ加工の質感が特徴で、耐傷性と耐水性に優れいている。

プラダが100年間守り続けてきたレザーグッズの製造における卓越性を示す「プラダ ガレリア」バッグ。83のパートから構成されたそのクリエイションは、工業的な正確さと手作業ならではの繊細な技術の精密さの真のデュエット。アイコニックなトライアングルロゴがあしらわれ、優れた品質と完璧さを表している。

フォルムは同じでありながら、「プラダ ガレリア」バッグは絶えず再解釈され、多彩なカラーバリエーションで展開されているのも魅力。キャペーンフィルムの中でもライトブルー、ブラック、レッド、ベージュ、グレーなど、シーンが切り替わるごとに、バッグもその色を変える。絶え間なく変化し表情を変える「プラダ ガレリア」バッグは、それ自体が意思を持つヒロインなのだ。

「プラダ ガレリア」ミディアム（H19.5×W28×D12cm）￥352,000（予定価格）/プラダ（プラダ クライアントサービス）

「プラダ ガレリア」ミディアム（H19.5×W28×D12cm）￥352,000（予定価格）/プラダ（プラダ クライアントサービス）