ロイヤル・アッシャー、170年の歴史を辿る。

Jewelry 2023.11.20

史上最大のダイヤモンド原石をカットした、オランダの名門ジュエラー。栄光に満ちたその歴史には「ロイヤル」であることの意味が隠されている。

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Royal Asscher Cut
「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションより、1902年に開発された革新的なアッシャー・カットに改良を加え、精緻な光と高い透明感を兼ね備えた「ロイヤル・アッシャー・カットリング」(PT950×ダイヤモンド センター0.50ct×脇石計0.25ct)¥1,177,000~ ※撮影商品(PT950×ダイヤモンド センター1.03ct×脇石計0.27ct)¥5,775,000

Royal Asscher Brilliant Cut
「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションより、伝統的な58面のガードル付近に16面を加え、深遠で強い輝きを放つようにカットされた「ロイヤル・アッシャー・ブリリアントカットリング」(PT950×ダイヤモンド センター0.50ct×脇石計0.40ct)¥1,427,800~ ※撮影商品(PT950×ダイヤモンド センター0.75ct×脇石計0.45ct)¥2,112,000

Royal Asscher Cushion Cut
「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションより、74面体に仕上げることにより、通常のクッションカットよりも強い輝きを放つようになった「ロイヤル・アッシャー・クッションカットリング」(PT950×ダイヤモンド センター0.51ct×脇石計0.27ct)¥1,134,100~ ※撮影商品(PT950×ダイヤモンド センター0.72ct×脇石計0.33ct)¥2,314,400

Royal Asscher Oval Cut
「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクションより、理想的な輝きを導き出す縦横の比率を計算したカットで、石の内面に光が満ちあふれているように見える「ロイヤル・アッシャー・オーバルカットリング」(PT950×ダイヤモンド センター0.53ct×脇石計0.28ct)¥1,628,000~ ※撮影商品(PT950×ダイヤモンド センター0.71ct×脇石計0.33ct)¥2,233,000/以上ロイヤル・アッシャー(ロイヤル・アッシャー カスタマーサービス)

南アフリカのプレミア鉱山で、キラキラと光る3106カラットの石が発見されたのは1905年のこと。長径が10cmもあるこの石を、最初は誰もダイヤモンドだとは思わなかったという。それほど並外れて大きかったこの石こそが、史上最も大きなダイヤモンド原石「カリナン」だ。発見からまもなく、英国王エドワードⅦ世に献上されたカリナンを一体誰がカットするのか。世界最高のカッターでなければ、あまりにも貴重なダイヤモンド原石を任せられない。やり直しのきかない難業だからだ。

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各国王室も信頼を寄せる、ダイヤモンドの老舗。

白羽の矢が立ったのは、オランダのアッシャー社。すでに1000カラット近い原石のカットに成功し、その名はヨーロッパに知れ渡っていた。アッシャー社を率いる兄弟たちは、長い時間をかけてカリナンの研磨方法を検討し、1908年、ついに原石をカット。輝く星のような9つのダイヤモンドを生み出すことに成功した。

9つのうち最も大きな「カリナンⅠ世」は、英国の君主が手にする王笏に。2番目の「カリナンⅡ世」は大英帝国王冠の正面に。そして次なる「カリナンⅢ世」「カリナンⅣ世」は王妃の冠にセットされ、英国王室の至宝(クラウンジュエルズ)として受け継がれることになったのだ。

1854年にアムステルダムで創業した、由緒あるアッシャー社。この街は古くから宝石産業で栄えていて、ダイヤモンド通りという地名が現在も残っているほど。これまで多くの国賓がアッシャー社を視察しているが、若き英国君主、エリザベス女王も訪れたことがある。同行したのは当時のオランダ君主、ユリアナ女王。アッシャー社がどれほど王室たちと深い関係にあったのかがわかるエピソードだ。

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カリナンのカットからちょうど50年後の1958年、エリザベス女王はアッシャー社を表敬訪問。右に座っているのはユリアナ女王。

実はこの訪問の際、エリザベス女王の胸に輝いていたのは、王冠から取り外され、ブローチに仕立て直されたカリナンⅢ世とⅣ世。原石のカットに関わったアッシャー家の兄弟のうち、ただひとり存命だったルイス・アッシャーと対面した女王は、老いたルイスの目がほとんど見えなくなっているのに気付き、ブローチを外して彼の手にダイヤモンドを触れさせたという。

至宝カリナンはもちろん、長年にわたるダイヤモンドカッターとしてのさまざまな功績を称え、ユリアナ女王はアッシャー社に「ロイヤル」の称号を授与。1980年から社名が「ロイヤル・アッシャー」になった。現在の当主はアッシャー家直系の6代目。創業当初からの技術力や美意識を、アッシャー家の人々は正しく継承し、ダイヤモンドをより美しく煌めかせる優れたカットを生み出し続けている。

歴史にオマージュを捧げた、新時代のカットが誕生。

いま、注目したいのは、類いまれな輝きを放つ4つの新しいカット「ロイヤル・アッシャー・シグニチャーカット」コレクション。カリナンⅠ世が74面カットだった史実にちなんで74面に磨かれた、国際特許取得のオリジナルカットである。ダイヤモンドのレジェンドが開発したものだけに、どれも原石の輝きを最大限に引き出していて、眩しいほどの光で見る者の視線を惹きつける。また、来年創業170周年を迎えることから発表された記念コレクションは、マーキースカットやペアシェイプのダイヤモンドをフィーチャー。ヨーロッパの伝統を受け継ぐデザインがなんともエレガントで、このブランドの歴史を物語っているかのよう。

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華やかな戴冠式の日、バルコニーで歓呼を受ける英国王チャールズとカミラ王妃。カリナンⅡ世からⅤ世までの歴史的ダイヤモンドが揃った貴重な一瞬。Photo by UK Press Pool / Getty Images

今年5月、世界の注目を集めたチャールズ国王の戴冠式で、新国王夫妻に輝きを添えていたのは、Ⅰ世からⅤ世までが眩く揃った、あのカリナン。カットから1世紀以上がたった現在もなお、ため息が出るような美しさは変わらない。それはロイヤル・アッシャーがダイヤモンドを知り尽くす傑出したオーソリティであることの証。透き通った光を放つ極上のダイヤモンドで、さまざまな人々の特別な日、特別な想いを、艶やかに彩り続けてくれるのだ。

創業170周年記念アイテムをチェック!

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来年2月14日に迎えるアニバーサリーを祝った限定品はファンシーカットダイヤモンドをあしらった優雅なデザイン。

左奥:シンプルで飽きのこない「創業170周年記念 マーキースカット ダイヤモンドペンダント」(PT950×ダイヤモンド センター0.30ct×脇石計0.20ct)¥770,000、左中央:洗練されたシンメトリーの「創業170周年記念 ペアシェイプカット ダイヤモンドペンダント」(PT950×ダイヤモンド センター0.70ct 脇石計0.60ct)¥2,530,000、左:カリナンⅢ世とⅣ世のブローチを模した、同(PT950×ダイヤモンド センター0.71ct×脇石計0.33ct)¥2,310,000/以上ロイヤル・アッシャー(ロイヤル・アッシャー カスタマーサービス)

●問い合わせ先:
ロイヤル・アッシャー カスタマーサービス
0120-407-957(フリーダイヤル)
www.royalasscher-jp.com

photography: Shinmei(Sept) text: Keiko Homma

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