ロジェ・ヴィヴィエの回顧展で、麗しいクリエーションに溜息!

Fashion 2013.10.02

icon_paris.jpg 大村真理子の今週のPARIS


目の前に140足の靴があったら! しかもそれが、どれもこれも例えようもなく美しいロジェ・ヴィヴィエの靴だったら! 会場をめぐる間、溜息をつきっぱなしになりそうな展覧会「Virgule, etc. in the footsteps of Roger Vivier」が本日10月2日からパリのパレ・ド・トーキョーでスタート。1980年代に装飾美術館で開催された個展以来、久々にロジェ・ヴィヴィエの作品が一堂に会する機会が巡ってきたというわけだ。展覧会のキュレーターはガリエラ美術館の館長オリヴィエ・サイヤール、会場構成はジャン・ジュリアン・シモノが担当。アフリカ、18世紀、東洋などさまざまなインスピレーションから生まれた芸術作品のような彼のクリエーションを、美術館で作品を眺めるような感じに鑑賞できる展示法だ。

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(左)ミモザの花を刺繍したサイハイブーツを手にするロジェ・ヴィヴィエ(1907-1998)。©François Halard (右)曲線の美しいコンマ(ヴィルギュル)ヒールをあしらった回顧展のポスター。


彼の名前とクリスチャン・ディオールの名前を並べた優雅なロゴの靴を、ヴィンテージショップやオークションなどで見かけた人もいることだろう。彼は1950年代、クリスチャン・ディオールのために靴のデザインを始め、クチュール界で知られるようになった。スキャパレリやイヴ・サンローランなど他のクチュリエたちからも彼の靴は愛され、1963年に自分の名前を冠したメゾンをオープン。当時のセレブリティたちがクリエーティヴィティあふれる彼の靴に目をつけないわけがなく、ウィンザー公爵夫人、マレーネ・ディートリッヒ、エリザベス・テーラーなどが顧客となった。もっとも、彼女たちより先に彼の才能に目をつけた大物女性がいる。それは、英国のエリザベス女王。1953年の戴冠式で履くロイヤル・シューズを、彼にオーダーした!

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(左)ソラヤ王妃のために1962年にデザイン。Christian Dior for Roger Vivier (右)1967年、ジャンヌ・モローのためにデザインされた。Photos Aguttes Aubert


ロジェ・ヴィヴィエは靴を彫刻品としてとらえ、フォルムについて研究を怠らなかった。とりわけラインに魅了されていた彼は、デザインの正確さを確認し、そして足の構造がリスペクトされるようにと、何度も何度もデザインを書き直したそうだ。1954年に細長く華奢なスティレットを発表。その後も、エトラーヴ(1958)、ショックヒール(1959)、ヴィルギュル(1963)といった独特な美しさを誇るヒールを世に生み出した。斬新さは靴のフォルムやラインに留まらず。ルサージュやレベといったオートクチュール作品のための刺繍アトリエの伝統的作業を靴に取り入れ、靴を芸術品の域に高められることを証明してみせた。

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有名なコンマヒールの2点。左 1966年、右 1963年。Photos Aguttes Aubert

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(左)トルコ風飾りをあしらった華やかな一足。 (中)ルサージュの刺繍で覆われた一足。(右)ゴールドのサテンに黒い装飾が映えるサイハイブーツ。Photos Aguttes Aubert


2002年、シューズ・デザイナーのブリューノ・フリゾーニがロジェ・ヴィヴィエのクリエーティブディレクターに就任。イネス・ドゥ・ラ・フレサンジュをアンバサダーに据え、ニコール・キッドマン、アン・ハサウェイといったハリウッドの女優たちをも魅了するパリ的エレガンスと遊び心にあふれる靴をクリエートし続けている。

展覧会ではメゾンのアーカイブ作品はもちろん、ニューヨークのメトロポリタン美術館、トロントのバータ靴博物館、パリのガリエラ美術館などからの貴重な所蔵品もみることができる。靴の小さな宇宙に計り知れない美を見いだす夢のような時間を、パレ・ド・トーキョーで味わおう。

VIRGULE, ETC. DANS LES PAS DE ROGER VIVIER

(VIRGULE, ETC. IN THE FOOTSTEPS OF ROGER VIVIER)

開催中~11月18日

Palais de Tokyo

Level 1- Saut du Loup

13, avenue du Président Wilson,
75 116 Paris

Tel:01 49 52 02 04

開)10月2日~21日 12時~21時、10月23日~11月18日 12時~24時

休)火曜

入場無料


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