【2024年ウォッチズ&ワンダーズ】時計で魅せる、イリュージョンとリアリティの間。
Watches 2024.06.06
スイス・ジュネーヴで開催されたのウォッチズ&ワンダーズより。カルティエ、タグ・ホイヤーなど、各メゾンの新たな挑戦を感じる新作をご紹介。
© Cartier © MAUD REMY LONVIS
カルティエが時を遡る。
カルティエがマジシャンのマントを纏って、時間に対する別のアプローチを提案した。新作の「サントス デュモン リワインド」の時間表示は全く思いがけないものだ。針を逆方向に回すムーブメントで、まるで時を遡っているかのよう!
「サントス デュモン」もピーコックブルー、オリーブグリーン、トープグレーの3色の新モデルが展開された。
「サントス デュモン」2024年9月発売予定。左:(ピンクゴールド製ケース、ブルーダイアル、ブルーアリゲーターレザーストラップ)¥2,455,200(予定価格) 中:(プラチナ製ケース、グリーンダイアル、グリーンアリゲーターレザーストラップ、世界限定200個)¥3,458,400(予定価格) 右:(イエローゴールド製ケース、トープグレーダイアル、グレーアリゲーターレザーストラップ)¥2,455,200(予定価格)/カルティエ © Cartier
また、「カルティエ プリヴェ」のコレクションに、「トーチュ」モノプッシャークロノグラフが登場したのも大きなニュース。これは、たったひとつのプッシャーでクロノグラフの3つの機能を操るものだ。
一方、ブレスレットタイプの「ベニュワール」は今までより一回り大きいサイズで紹介されている。
カルティエはまた、時計のレパートリーに、ジュエラーの視点を加えてきた。時計のファミリーにも、動物モチーフが増えている。パンテール、クロコダイル、タイガーなどの具象的なデザインとともに、抽象的なアニマルモチーフも登場。ピンクゴールドやロジウム加工のホワイトゴールドにダイヤモンド、ブラックラッカー、ルビーあるいはツァボライトガーネットやブラックスピネルを合わせ、シマウマとワニを融合させたジュエリーウォッチがその例だ。
そして、イリュージョンとリアルの境界を遊ぶのが、「リフレクション ドゥ カルティエ」。一見、重厚なオープンブレスレットのように見えるが、近づくと、ブレスレットの開口部分に繊細な文字盤があり、ポリッシュゴールドの鏡と向かい合っているのがわかる。鏡の中で、時がまるで逆行しているかのような効果を見せる。
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ゼニスとモンブランは海の底へ誘う。
イリュージョンから、地上に戻ってこよう......というよりも、海の底に降り立とう、というべきか。革新を続けてやまないゼニスの「デファイ」コレクションに、ダイビングウォッチが加わった。「デファイ エクストリーム ダイバー」は60気圧の防水機能付き。コレクションのデザインラインに忠実に、新作では氷、水、あるいは霧などといった極限状況に立ち向かうために、主に、軽さと耐久性のバランスに優れたチタンを使用した。
もうひとつの新作は、「デファイ リバイバル A3648」。これは、ゼニスが最近力を入れている、歴史を象徴する過去のモデルを再解釈していく取り組みのひとつ。このスポーツウォッチはスチール製のレトロな魅力を持ち、どんな手首にも合う37mmサイズだ。
モンブランが誘うのは、4810メートルというモンブランの標高に目配せした、海底4810メートルの世界。「モンブラン アイスシー ゼロ オキシジェン ディープ 4810」はチタニウム製ケースだ。
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タグ・ホイヤーが魅了するレディ トゥ ウエア。
タグ・ホイヤーは、同社初となる2本のクロノグラフ針をスプリットセコンド機構を持つリストウォッチ、「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」を発表した。スプリットセコンドは、かつて懐中時計に搭載されていたものだ。85グラムという軽さのうち、ムーブメントが占めるのは30グラム。数量限定のこのモデルは、赤とブルーの2色、エレメンツと夜光のカラーパーソナライズも提案する。より身近なモデルでは、スティール製の新「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」39mmと、「タグ・ホイヤー カレラ デイト」36mmのバリエーションに加わったスティールとカッパーカラーの2色使いに注目。手放せなくなりそうなデザインだ。
ベストセラーを再デザインし、時代を超える存在を提案するオリスは、新しい「アクイス」を発表した。人気モデルのDNAを継承しながら、すべてのディテールがよりエレガントに再考されている。
text: Julie de Los Rios (madame.lefigaro.fr)