今週貴方が住んでいる場所には、ふたつの窓があります。ひとつの窓には不可解なものばかりが映るのですが、実はそれは、貴方の心の中のもろもろが映る不思議な鏡です。もうひとつの窓は、貴方の住む場所のありのままを見せてくれる、透明なガラス窓です。でも、両者の区別はなかなか、つきにくいのかもしれません。人間の心はトリッキーにできていて、本当ではないことを本当だと信じ込みたがったり、自分のことなのに相手のことのように考えたり、または逆に、相手自身のことなのに、自分のことのように思い込んでしまったりするからです。
両者を見分けるコツは、自分の中にはなさそうだと思っているものが、実はけっこうある、と認めることにつきます。たとえば、欲望や嫉妬や愛を求める気持ち、寂しさや拘り、執着や怒り、憎しみ、不安、卑怯さや臆病さなどの思いを、私たちは「自分の中にもある」と認めたがらないことがあります。「そんなものはない」と、理性とも不機嫌ともつかないフタで封じ込めてしまうのです。これをすると、「窓っぽい鏡」に、めちゃくちゃなものが映るようになります。一方、自分の内なる「荒ぶるもの」や「請い求めるもの」を認めると、鏡はそのまま自分自身の顔を映すだけになるので、すぐに窓と鏡を区別できます。
フタをとるのは非常に難しいことで、言わば「隠れた敵と戦う」ような営為です。でも、今週の貴方はそれをする勇気に満ちています。幸福への扉がそこにあると、貴方自身も直観しているからなのだろうと思います。