子どもの頃、押入で遊ぶのが好きだった人もいるでしょう。かまくらとか、木の洞とか、机の下や布団で作った秘密基地、子どもは猫のように狭い巣穴に閉じこもりたがります。寝台列車のベッドに潜り込んだ時のあの興奮は、今も味わえるのだろうか、と思います。あの小さな暗い、ひとりぼっちの空間で、子どもの頃の自分は何を夢見ていたのでしょうか。おそらく、何か空想していたのだろうと思いますが、どうも思い出せません。
大人になってからも、自分だけの小さな空間に落ち着きたい、という気持ちになるものでしょうか。もしそういうタイミングがあるとすれば、今週の蠍座の人々には、そんな瞬間が訪れるかもしれません。「狭く暗い場所に潜り込みたい」なんて、何かネガティブなことがあるのだろうか、と想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。そうではなく、まさに子どもが小さな空間にワクワクしながら潜り込んで、何か大切なことを考えるのにそっくりなタイミングなのです。
どこにいてもスマホやSNS経由で「繋がって」しまう現代社会ですが、だからこそ、私たちにはどうしても、「ひとりで繭玉に潜り込む時間」が必要なのではないかという気がします。自分という生き物の可能性を羽化させるための静かな、夢と希望に満ちた変容の時間が、是非とも必要になるものなのだろうと思うのです。