こんにちは、石井ゆかりです。
夏至を超え、一年で最も輝かしい季節に入っています。
もとい日本は梅雨時なので、夏至の辺りが「いちばん明るい」ということを感じにくいわけですが、雲の上的には今がいちばん明るいのです。
今年はその「明るさ」が、例年の何倍も強調されています。というのもその太陽がすぐ、蟹座入りしたばかりの木星に重なるからです。
太陽、木星と土星、海王星が90度を組んだところに、月が重なっていき、新月となります。
金星も今は牡牛座でオウンサイン、吉星(ベネフィック)の両方が調子のいい場所にいて、一見、福々しい新月と見えます。
優しさや豊かさ、愛情がこの世に新たな拡がりを見せてほしい、と思えます。
一方、星座の頭の度数で蟹座ステリウムに土星と海王星のスクエア、という形には、現状に照らして非常に不穏な配置でもあります。
純粋すぎるほど純粋な、プリミティブな戦意の感情、「共同体を守る」という感情が猛威をふるう、といったイメージが浮かびます。乙女座の火星もこのスクエアに噛んでいますが、この星は「軍隊」の象意を持っています。この火星と水瓶座の冥王星(プロパガンダ的コミュニケーション)とインコンジャンクトで、上記のスクエアが噛み合い、剣呑な台形を形成しています。
どんな戦争も「相手を攻撃するために闘う」とは言いません。「大切なものを護るために闘う」と主張します。どの当事者も危険に晒されている被害者であり、あくまで「反撃し、防御しているだけ」だと自認します。闘わなければ蹂躙されるから、それに対抗しているのです。戦争ではどの当事者も、そう主張します。この蟹座のステリウムと、牡羊座の土星・海王星のスクエアは、そんな光景を連想させます。
蟹座は守る星座であり、共同体内部の共感の星座です。牡羊座は闘いの星座であり、土星は現実的な重みと悲観、海王星はイマジネーション、幻想を扱います。
蟹座は臆病な星座と言われます。その対岸の山羊座もまた、根の深い恐怖心を抱いています。土星は山羊座の支配星で、これが牡羊座に入ると、怒りというよりは恐れからの闘争心、というイメージが浮かびます。恐怖に駆られた攻撃は、暴走しがちです。
どの星座にも二面性、両義性があります。
蟹座は臆病さや共感、「守る」こと等を担わされているのに、なぜか「活動宮」であり、太陽が最も明るい(昼間が長い)時間を引き受けている星座です。
蟹座は「守る・庇護する」星座なのに、蟹座の神話で、主人公たる蟹は、自分自身をぜんぜん守れていません。捨て身で強敵にぶつかって行って、あっけなく命を落としています。
人間は合理的で打算的な生き物である、と考えられています。自分に損になるようなことはしない、経済合理性に基づいて行動する、と想定されています。
でも、現実には、ちっともそんなふうには見えません。
捨て身で闘ってもいいくらい、守りたいものは何か。
その行動で本当に、大切なものを護ったことになるのか。
この時期はそんなことを、何度も自問することになるのかもしれません。この自問には、おおいに意義があると思います。
今週はそんな感じです。