ミシュランガイド初、女性シェフ2人が3ツ星獲得

Gourmet 2021.02.10

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エレーヌ・ダローズ、3ツ星を獲得したロンドンのレストラン「ザ・コンノート」にて。 photo : Agence Pascale Venot

フランスでの発表から1週間後、ミシュランガイドが2021年のイギリスでのセレクションを発表した。ミシュランガイド史上で初めて女性シェフ2人が3ツ星を獲得し、ミシュランに新しい変化の兆しが感じられる。

長い間、男性エリートのみに門戸が開かれていたガストロノミー界であるが、ついに女性シェフにも扉を開いた。1月25日、究極の料理の代名詞ともいえるミシュランガイドが、イギリスとアイルランドの2021年の星の獲得者を、YouTubeでリモート発表。女性シェフ2人が栄誉に輝いた。

1人目はフランス人エレーヌ・ダローズ、2人目はイギリスのクレア・スミス。最高ランクである3ツ星を獲得したのはこの2人だけだ。

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ミシュランガイドの総責任者グウェンダル・プレネック氏は「ミシュランに“女性”という部門はない。女性を何人選ぶと決まっているわけではなくて、その才能が評価されたのです」と仏紙「ル・モンド」に語っている。

エレーヌはプレスリリースで、「このような賞をいただけて、非常に嬉しく、とても誇りに思います。まず頭に浮かんだのは、一緒に働いている私のスタッフ(中略)、仕入れ先の小規模な業者さん達、そして何よりも、イギリスの素晴らしい生産者の皆さんのことです。今まさに支援を必要としている人達でもありますし、彼らがいなければおいしい料理はできない」と驚きと感動を述べた。

エレーヌはすでにパリのレストラン、マルサンで2ツ星を獲得している。現在53歳。フランスとイギリスを行き来しており、2008年にロンドンのメイフェアにある高級ホテル、コンノートのレストランを前任者から引き継いでいる。

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同じく3ツ星を獲得したクレア・スミスは2017年、ロンドンのノッティングヒルにレストラン、コアをオープン。父は農業に従事、母はウエートレス、その娘として生まれたクレアは現在42歳。

メディアで人気のゴードン・ラムゼイをはじめ、有名シェフの下で働き、その後自分のレストランをオープン。以来、数々の賞を受賞している。2018年「世界のベストレストラン50」のランキングでも最優秀女性シェフに選ばれ、2019年はミシュランガイドで2ツ星を獲得。

クレアのレストランはオープン以来大人気で、その土地の食材と洗練された料理を味わうには、かなり我慢して待つ必要がある。3ツ星獲得を知らされ、「夢にも思いませんでした」と語った。

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女性への評価

2人のシェフの華々しい成功以前は、世界に130人いる3ツ星シェフのうち、女性はアンヌ=ソフィ・ピック、エレナ・アルザック、アニー・フェオルド、ナディア・サンティーニ、ドミニク・クレンのたったの5人。あまりにも数が少ない。

クレアはル・モンド紙に「3ツ星をいただいたことを、女性として、イギリス人として、誇りに思う」と話している。エレーヌ・ダローズも同じように熱く、「料理は日々簡単というわけではないけれど、自分の情熱と女性としての力を信じなくては」と語っている。

texte : Louise Ginies (madame.lefigaro.fr), traduction : Akiyo Maeda

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