進化する国際都市、ドバイへの旅。#01 ドバイのいまと昔が交錯する、噂の新スポットを訪ねて。

Travel 2019.09.12

砂漠の色をしたエキゾティックな街並み、レトロな渡し舟「アブラ」が行き来する川、その向こう側には近未来的な高層ビル群……。

ほかのどこの都市にもない、この稀有な光景は、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの旧市街に2018年9月に誕生したばかりの新しいホテル「アルシーフ ヘリテージ ホテル」からの眺めだ。ホテルの枠を超えた斬新な発想とフォトジェニックな街並みが、旅人もローカルも惹きつけている。

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ドバイクリークの南西側に位置する「アルシーフ ヘリテージ ホテル」(手前)の桟橋。

街の歴史を体現する、画期的なホテル。

アルシーフ ヘリテージ ホテル  Al Seef Heritage Hotel

ドバイのシンボルともいえるドバイクリーク(運河)の沿岸に位置し、“海のシルクロード”の中継地として栄えた時代の面影をいまに伝えるアル・ファヒディ歴史地区からほど近い、広大な敷地を擁する「アルシーフ ヘリテージ ホテル」。旅人を家に招き入れるという、この土地の商人の伝統からインスパイアされ、何と当時の街並みごと再現してしまったのだ。

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異国情緒あふれる街並みそのものがホテルという、ユニークな発想に脱帽!

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忠実に再現された建物に、さりげなくLED電灯が使用されるなど、街のさまざまなディテールに惹かれる。

経年変化で味わいが出たかのような漆喰の壁も、重厚な木の扉や古びたオイルランプも、すべてかつてのドバイの街並みをイメージして新しく作られたもの。そうとわかっても思わずカメラを向けずにはいられない、その完成度の高さには、きっと才能あふれるスタッフが集まったのだろうと感じさせられる。

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ホテルのレセプションの一角。1950〜70年代を再現したとあって、レトロなテレビが味わい深い。写真右上は、街のさまざまな場所に掲げられている、UAEのシェイク・ハリファ大統領の肖像画。

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アラブのおもてなしの象徴、アラビックコーヒー。あまりのおいしさにスタッフに作り方を尋ねると、その原料を見せてくれた。サフラン(写真左)、カルダモンの入った浅煎りのコーヒー豆(中央)、それにローズウォーターを使って淹れるという。

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お香を焚き、香りでゲストを迎えることも、アラブの伝統のひとつ。

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歴史の中に滞在するようなゲストルーム。

客室は敷地内にある計22棟の建物に散在。アラブの伝統衣装を着た人々や川に浮かぶアブラのモノクロ写真、旧式の電灯スイッチやダイヤル式電話、クラフトマンシップを感じさせるベッドリネンやクッション……部屋の中のさまざまなディテールが、この土地でかつて営まれていた暮らしについて、ゲストに語りかけてくる。

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窓から街並みを楽しめる「デラックス・スーク・ビュー」。ベッドの上に飾られた写真は、かつてこの土地に漁師として暮らした人々の生活を伝える。宿泊料はシーズンにより大きく異なるので、オフシーズンを狙えばかなりリーズナブルな宿泊が可能だ。

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ノスタルジックなインテリアで統一されているが、カードキーやWi-Fi、スマートテレビも完備。

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こちらは50㎡の広さを誇るスイートルームのリビングスペース。家具はすべてインドにてハンドメイドされたオリジナル。

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ドバイクリークを望む「デラックス・クリーク・ビュー」。キングベッドかツインベッドをチョイスできる。どの部屋も、ゲストが家に招かれたような気持ちでステイできるよう、シーツはあえて真っ白ではなくベージュのものを使用しているという。

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思わず触れてみたくなる、電話や電灯スイッチ。

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アラブの街並みに溶け込むスターバックス。この上の階にも客室があり、朝のコーヒーをここで楽しむゲストも。

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旅人も地元っ子も、思い思いに楽しむ。

伝統的なアラビア家庭料理にモダンなアレンジを加えた料理をいただけるレストラン「サバア(Saba'a)」をはじめ、ここにはいくつものカフェやギャラリー、ジュエリーやパシュミナといった土産物を売るショップなどがオープン。宿泊しなくても楽しめるとあって、家族や友人同士で訪れるローカルの姿も多い。

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「サバア」は宿泊客が朝食を食べに訪れるレストランでもある。

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「サバア」の朝食ビュッフェから。色鮮やかなピクルスやフムス(ヒヨコ豆のディップ)、ムタッバル(焼きナスのペースト)など、目移りしてしまうほどの種類が並ぶ。

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好みの具材でオムレツを作ってくれるサービスも。スタッフは皆とてもフレンドリーだ。

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床に座って伝統的なスタイルで食事をいただけるスペースもある。

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昼間に訪れると、明るさを抑えた店内に、窓から入る自然光が作り出す陰影が美しい。

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「サバア」のディナーコースは、メインがシーフードの「Seafood Meshawi」(145AED)か肉料理の「Arabic Meshawi」(135AED)からチョイス。レンズ豆のスープと羊のスープ、ラム肉入りコロッケやチーズを巻いて揚げた春巻きのようなものなどの温菜に加え、フムスやムタッバルなど冷菜も。前菜だけでもかなりのボリューム! ドバイでは、ホテルのレストランでお酒を用意しているところも多い。

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魚料理のメインはタイとエビ、肉料理はラム肉のケバブやチキン、ビーフの盛り合わせ。グリル野菜とともに。

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シェフやホールスタッフも人懐こい笑顔が印象的。

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デザートはシナモンアイスクリームをのせたアラビア版チーズケーキ「Kunafah」(手前左)や、エジプト発祥のブレッドプディングのような「Umm Ali」(手前右)、ひと口サイズのドーナツにデーツシロップをかけた「Luqaimat」(奥右)、フルーツ盛り合わせ(奥左)など。

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ダイバーシティを体感できる場所。

国際都市ではあっても、ドバイはイスラム教の国。伝統衣装に身を包み、立派な髭をたくわえた男性たちが集まっても、お酒は決して飲まない。代わりにとびきり甘いアラブのお菓子を楽しんでいたり、彼らが嗜む水タバコ“シーシャ”のフレーバーはアップルやグレープなどフルーツ系がメインだったりすると知れば、何だか微笑ましくて、この街にも人にも親近感が湧いてくる。

とはいえ、偶像崇拝を禁じているイスラム教の人々にとって、許可なくカメラを向けることは厳禁。その土地の習慣を肌で感じることで、自分の価値観が揺さぶられる体験は、旅がくれるかけがえのないギフトのひとつ。ドバイはイスラム教国の中では戒律が緩やかなことでも知られる。この街は多様性を実感し、異なる文化を尊重し合うことを学べる最高のデスティネーションだと、訪れた人はきっと誰もが感じられるはずだ。

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お腹も心も満たされて外に出ると、電飾もどこかノスタルジック。

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異国情緒ある街並みと、ドバイクリーク対岸に広がる大都会の夜景とのコントラストも楽しい。

エキゾティシズムと未来志向が同居するドバイの旅は、まだ始まったばかり。明朝、まるでアラブの家族の家にステイしたかのように心地よいベッドで目を覚ましたら、五感をフル活動させて味わいたい、多彩な体験が待っている。

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かつてドバイクリークでは人々が漁業を営んでいたことにちなみ、網を模したオブジェがところどころに置かれている。

Al Seef Heritage Hotel
Al Seef, Dubai Creek, Po Box 35449, Dubai, UAE
全190室
デラックス・スーク・ビュー146.25 AED〜、デラックス・クリーク・ビュー195 AED〜、スイート(朝食付き)406.25 AED〜
*宿泊料は時期により大きく異なります。下記公式サイトをご参照ください。
Tel. +971 4 707 7077
www.alseef.ae/en/stay/Al-Seef-Heritage-Hotel


Saba’a
Al Seef Heritage Hotel内
Tel. +971 4 707 7077
営)6:00〜11:00、18:00〜23:00
無休
www.alseef.ae/en/dine/Sabaa-a

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【基本情報】
※1AED(UAEディルハム)=約29円(2019年9月現在)
※ドバイの休日は金曜と土曜です。日曜から1週間がスタートします。
※掲載店の営業時間、定休日、商品の価格などは取材時と異なる場合もあります。ご了承ください。

●取材協力:ドバイ政府観光・商務局
www.visitdubai.com
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