都会で自然に触れる喜び。
パリ、オデオンの新しい花屋さん。
Travel 2011.01.26
大村真理子の今週のPARIS
オデオン座に面した広場の一角に、しゃれた花屋が秋にオープンした。フランスの花の世界に15年くらい前、新風を吹き込んだクリスチャン・トルチュのもとで仕事をしていた、シリルとヴァンサンというふたりの男性がオーナーである。16㎡というミニスペースの壁に貼られたオーソン・ウェルズ主演の『市民ケーン』のポスターが、いやでも目につく店内。そして木のそりがディスプレーに使われている。花とそり??
美しい書体で書かれた店名「Rosebud」の赤いロゴが印象的だ。
左:店内に貼られた『市民ケーン』のポスター。右:花を飾った木のそり。
この花屋の名前はRosebud(バラのつぼみ)。こう聞くと、映画に詳しい人は、なぜこのポスターが貼られているのか、なぜ、そりなのかを理解するそうだ。映画のモデルとなっているのは新聞王ハースト。"ローズバッド"という言葉を残して彼が死ぬシーンから始まるこの映画。その言葉の謎は、彼が幼少時代に遊んだ木のそりに刻まれていた言葉・・・・・・と、オーナーたちは強烈なシネフィル(映画ファン)であることが、店の界隈に暮らす6区の文化人には明解!というわけだ。
小さなスペースを季節の花が埋めつくす。
もちろん映画に詳しくない人も、この店は気に入るはず。季節の花だけを集めていて、その新鮮な自然の息吹が目にとても快適。自宅用なら、ブーケにするより、花そのものを束で買いたくなる。例えば1月後半はカラフルで陽気なミモザやアネモネ、冬の寒さが生みだすチャーミングなクリスマスローズや雪割り草など。バレンタインデー用にハートのガラス器に植え込んだスミレも、とても愛らしい。
ジュエリーと見紛う植物! こんな自然の不思議に出合う楽しみもある店だ。
器の提案もなかなかおもしろい。パリから日本に花は持って帰れない!という不満を解消してくれるだろう。赤で描いたロゴのRをさりげなくあしらった白いラッピングペーパー、ペーパーバッグに結ぶ赤い紐・・・・・・小さい店ながら、魅力がいっぱい!
オーナーによる器のセレクション。花を飾っても飾らなくても・・・・・・。
左:バレンタインデー用のスミレはガラスのハートの器に植えられて。15ユーロ 右:バラのつぼみ(=Rosebud)。
Rosebud
4, place de l'Odéon 75006 Paris
Tel. 01 43 29 66 47
営)10時30分~19時30分
休)日、祭
http://www.rosebud-fleuristes.com



