パラリンピック開会式で注目された片脚のダンサー、ムサ・モータとは?

Paris 2024.08.29

2024年パラリンピックの開催を記念して、8月28日にパリの中心部、コンコルド広場で壮大なショーが行われた。その中で、片脚のダンサー、ムサ・モータが登場し、観客から熱狂的な反応を引き起こした。

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パリ2024パラリンピックの開会式でのムサ・モータ。(2024年8月28日(水))photography: Getty Images

8月28日に行われたパラリンピックの開会式はまさに壮大だった。チリー・ゴンザレスやクリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズ、セバスチャン・テリエのパフォーマンスに加えて、もうひとりのアーティストが観客を熱狂させた。片脚のダンサー、ムサ・モータだ。彼は松葉杖を使い、コンコルド広場とそのオベリスクを熱狂の渦に巻き込み、そのパフォーマンスは瞬く間に広まった。ネット上では、「なんて美しい」、「この素晴らしいダンサーの名前を知りたい」という声が飛び交っている。

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11歳の時に足を切断

Instagram で約111,000人のフォロワーにフォローされているムサ・モータは、2023年に「アメリカズ・ゴット・タレント」のファイナリストとなり、その名を知られるようになった。28歳の南アフリカ出身の若者は、11歳の時に骨のがんにより左脚を切断した。当初はサッカーファンだった彼は、DJとしてキャリアをスタートさせた後、ストリート・ダンスに出会い、アフロ・フュージョンやタップ、さらにはバレエをミックスしたコンテンポラリーな振付を得意とするようになった。

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献身的なダンサー

障害を自らの強みに変えたムサ・モータは、時間をかけて名声を築いてきた。彼はドレイクの「One Dance」のミュージックビデオに出演し、さらにはファッションショーのランウェイでモデルとしても活躍し、その結果、SNSでのフォロワーを増やした。その才能とオーラは多くのメディアから注目され、イギリス版「ヴォーグ」は2023年4月に発売される障害者特集号で彼の特集記事を掲載した。

並行して、ムサ・モータは2019年に「ハフポスト」が報じたように、障害を持つ若者たちにスポーツや芸術の分野に触れる重要性を伝えるための講演も行っている。彼は自らの経験を共有しながら、彼らの意識を高める活動をしている。

パリまで出向いてフランスの観客に自らの芸術を披露したムサ・モータだが、現在はロンドン在住だ。また、彼は中央アフリカで使われるソト語、ズールー語、ツワナ語、そして英語を話すことができるため、多くの可能性が広がっている。

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text: Léa Mebilon(madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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