今宵は２度目の満月ブルームーン

ラジオから流れる天気予報を聞くともなく聞いていたら、今月は１０月２日と３１日に満月が訪れると耳に入ってきました。フランスでは２度目の満月のことをLune Bleue（青い月）と呼び、見ると幸運が訪れるんだとか。満月の日に願い事を完了形で紙に書くと叶うというのを信じて、若い頃は毎月のように願い事をせっせと書いたものです。念が強かったからなのか、月のパワーのおかげなのかは分かりませんが、割と願いが叶ったように記憶しています。

さて、新型コロナ感染拡大の第二波を受けて、フランスは２回目のコンフィヌモン（ロックダウン）が始まりました。水曜夜８時のマクロン大統領の演説で発表されて、翌日の木曜午前０時から実施という素早さ。大統領の演説があるという時点でコンフィヌモンは覚悟していたけれども、私も含めて誰もがてっきりこのバカンス明けの来週からだと思っていたらまさかの金曜日開始。おそらく前回の３月のコンフィヌモンのときに起こったようなパニック状態でパリから脱出する人々と、逆にこの週末にバカンス（１１月１日までトゥッサンのバカンス）からパリに戻ってくる人々との衝突と混乱を避けるための早急な実施というのも理由のひとつなんでしょうけれど、幾ら何でも唐突で少しはこちら（商店側）の事情も配慮してもらいたかったというのが正直な気持ちです。突然店を閉店しろと言われても本当に困る。せめてあと二日間、今月末までは待って欲しかった・・・。発表の後から続々とエステのお客さまから問い合わせのメールが届き、木曜日に来れる方には出来るだけ来ていただいて、早朝から外出禁止になる夜９時の直前までてんてこ舞いの一日でした。

美術館や映画館などの文化施設も当然閉鎖に。必要最低限の外出以外は禁止になってしまった今となっては、先日の薄月の晩にMusée d'Art Moderne de Paris（パリ市立近代美術館）に行ったのが最後のお出掛けになってしまいました。予約していた時間に行けなくなったからと、エステのお客さまが親切にチケットを譲ってくださったのです。

彼女が大好きだというサラ・ムーン（Sarah Moon）の写真展覧会。もともとは自身もモデルをしていて、後にモードの写真家になったというフランス人の女性写真家で、彼女の写真はモード界の人達の間ではすごく有名だそうです。チケットを譲ってくださったお客さまもモード関係の方で、やはり別のアーティストの友人も昔から彼女の作品のファンで雑誌などで見るたびに切り抜いていたと言っていました。

夜７時の一番遅い予約時間だったので、館内は人もまばらで落ち着いて鑑賞することができました。

懐かしく哀愁感があり、温もりも感じる写真。まるで月明かりに浮かんだような、静かな魅力に溢れる作品の数々で、とても良かったです！

幸いにも今夜のパリの夜は晴れの予報。夜空に浮かぶブルームーンを眺めて、感染拡大の沈静化と少なくとも１２月１日まで続く予定のコンフィヌモンを心静かに乗り切れるよう願いたいと思います。