ラルフ ローレンを通して見える、アメリカ的なるもの。

こんにちは、編集KIMです。

今回もすぐに映画のハナシに入る前に、変化球で違う紹介の仕方をしたいと思います。
先日、ラルフ ローレンの展示会@表参道に行ってまいりました。その際に、RL50、つまりブランド創設50周年をセレブレートするラルフ ローレンの2018年9月に行われたショーのフィルムを観ました。これが素晴らしい!
フロントロウにはファッション界の重鎮が座るものですが、今回の最前列にいた中で映画好きにうったえかけるのは、スティーヴン・スピルバーグ監督の姿。アナ・ウィンター女史の隣にいらっしゃいました。
ショーはセントラルパークの地下に続くスペシャルな場所に造られた特設会場で行われました。その場所を観るだけでも荘厳で素晴らしいのに、ショーの模様、特にラストは、まるでアメリカンドリームを叶えた祝福のラストシーンのようで、これはまるで映画だ!と思ってしまいました。それだけ、ラルフ ローレンというブランドのアメリカにおける存在感、そしてラルフ・ローレン氏のエネルギーが、スクリーンを通して伝わってきました。この現場に、フィガロのファッション担当編集Hはいたのですが(羨ましい!!!)、観客たちのなかでは感激して泣いている人もたくさんいたとのこと。
この模様はぜひ、↓のURLから見てください。あ、もちろんこの後も映画についての原稿が続くので読んでくださいね~。
www.ralphlauren.co.jp/ja/runway-fall-2018

どうして今回の原稿で、ラルフ ローレンと個々の映画作品について触れているかというと……

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ラルフ ローレンはウィメンズ、メンズのコレクション、ポロ ラルフ ローレンなど、さまざまなラインを持っています。ポロ ラルフ ローレンにて、愛らしいクマがアメリカ映画の名作の主人公に扮したイラスト入りの、トートバッグが来春発売されるのです。

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各¥9,720/以上ポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン)

これらは、まさにアメリカ映画の金字塔のような作品群で、いずれも主役は男性。スティーヴ・マックイーン、クリント・イーストウッド、ジェームズ・ディーン、ケイリー・グラントという、現役・生前時代は、人気投票上位を獲得していた俳優たちです。

KIMが高校生だったころ、よく銀座有楽町界隈でヒッチコック映画のリバイバル上映がありました。当時は洋画全盛期で、現在のように邦画は量産されておらず、過去の名作を映画ファンとしてきっちり勉強せねば、と50~70年代の作品を観に通っていました。まだVHSのビデオカセット時代で、DVDも普及していないような時代だった気がします。ヒッチコックのような監督の作品はまとめて上映されることが多いので、作品を観て、劇場パンフを覚えるくらい読んで、映画知識を増やさなきゃ!と躍起になっていた記憶が。『北北西~』はヒッチコック作品のなかではエンタメ度が高い内容で、このクマちゃんが格闘している飛行機に追いかけられるアクションシーンが見事です。ドキドキはらはらものですが、無罪なのに容疑をかけられたヒーローがどうやって脱するか。スパイものとは異なり、あくまでも「一般人」役のケイリー・グラントが見せる戸惑い、がおもしろかったりします。

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『北北西に進路を取れ』
●監督/アルフレッド・ヒッチコック 
●出演/ケイリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイソン 
●1959年、アメリカ映画 
●本編137分
●Blu-ray ¥2,571 DVD ¥1,543  発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
©2009 Turner Entertainment Co. and Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

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こちらは女性たちの永遠のヒーロー、ジェームズ・ディーンの代表作2本のなかの1本。ニコラス・レイ! そうなんです、ニコラス・レイの作品なんですよ~~。恋人たち、不安定な若者たちの心理描写も得意なニコラス・レイ監督。『夜の人々』でシネフィルを酔わせた映画作家。アメリカ、という国を生き抜く、弱くて、かつ強い人々を描くテクニックを持った監督です。ナタリー・ウッドも初々しくてステキです。こういうスクリーンのなかのカップルが、デザイナーやクリエイターに大きなインスピレーションを与えていたのかもしれませんね。

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『理由なき反抗』
●監督/ニコラス・レイ 
●出演/ジェームズ・ディーン 
●1955年、アメリカ映画 
●本編111分 
●Blu-ray ¥2,571 DVD ¥1,543 発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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こんなにマッチョで荒々しくて、そしてカッコいい男たち、それもオトコくさ~~い俳優たちが登場する映画は近年作られません! 当時は、強さや、タフネスを徹した男の生き方が憧れの象徴だったのだと思います。第2次世界大戦中のドイツの捕虜収容所からの脱出劇。戦争というものが身近にある時代は、注目される理想の男性像というものが現在とはまったく違うんですよね。スティーヴ・マックイーンという俳優は美形とは程遠いけれど、演じるその役のタフネスと無口さで、女性観客を魅了していたのです。

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『大脱走』
●監督/ジョン・スタージェス 
●出演/スティーヴ・マックイーン、ジェームズ・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、ジャームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソン 
●1963年、アメリカ映画 
●本編173分 
●Blu-ray \2,057 発売・販売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

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マカロニウエスタンと呼ばれるジャンルが流行っていた時代がありました。KIMはジュリアーノ・ジェンマのファンでしたが。こちらは、「ダーティー・ハリー」以前のクリント・イーストウッドが主演のウエスタンです。マカロニ、とはイタリアが基軸になっているから。こちらもイタリア映画としてクレジットされるし、監督はセルジオ・レオーネ。エンニオ・モリコーネの音楽も素敵な、愉快な活劇です。この作品を基ネタにした『グッド・バッド・ウィアード』というソン・ガンホやイ・ビョンホンが出ている韓国映画もあるくらいなのです。

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『続・夕陽のガンマン』
●監督・共同脚本/セルジオ・レオーネ 
●出演/クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ 
●1966年、イタリア映画 
●本編178分 
●MGM90周年記念ニュー・デジタル・リマスター版Blu-ray \2,057 発売・販売:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

こんなタフな映画にインスパイアされているのに、可愛いクマちゃんのトート。このギャップ、さすがですよね、ラルフ ローレン!

編集KIM=編集長森田聖美 2024年よりフィガロジャポン編集長。フィガロ歴約30年。旅、ファッション、美容、カルチャーなど、現場時代はマルチで担当。多趣味だが、いちばん大切にしているのは映画観賞。格闘も好きでMMAなどよく観戦に行く。旅は基本的にひとりで行くのが好み。チミーグッズをこよなく愛する。

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