ジェニファー・ローレンスの無理しすぎない "ボディ・リメイク"の秘訣とは?
Beauty 2016.07.07
アメリカの女優ジェニファー・ローレンス(25歳)は、どのようにして余分な脂肪をそぎ落とし、肉体改造に成功したのか。彼女の専属トレーナーであるダルトン・ウォンが、効率的なトレーニングメニューの秘密を明かしてくれた。
ジェニファー・ローレンスは、パーソナルトレーナーであるダルトン・ウォンのおかげで手に入れた、スレンダーで健康的なボディラインを披露。(ロサンゼルス、2016年2月28日) Photo Abaca Press
ジェニファー・ローレンスといえば、享楽主義で、よく食べよく飲むイメージがあった。彼女自身インタビューで、「ジャンク・フード大好き、ダイエットなんて無意味」などと公言していたくらいだ。そんな彼女が、映画の役作りのため、自身の食生活を見直し、厳しい体重制限と向き合う決心をするに至ったのだ。それが2010年、まだ若かったアメリカの少女と、のちに長年お世話になる専属トレーナー、ダルトン・ウォンとの出会いだ。"どこにでもいそうな普通の女の子"だったジェー・ロー(ジェニファー・ローレンス)が、どのようにして映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のミスティーク役の役作りに備えたのか。今年発売されたダルトンの著書、『The Feelgood Plan : Happier, Healthier & Slimmer in 15 Minutes a Day (幸せのプラン:1日15分でハッピー、ヘルシー&スリムに)』の中で、実際のトレーニングメニューが公開されている。
21歳の時。ヌーディーなメイクに、ヘアもナチュラルでフレッシュな仕上がり。まだ若いジェー・ローは、レッドカーペットの上でもあまり細工を施さず、自然体な姿で登場。Pamelaの水着風トップスも、グッドセンス。(ロサンゼルス、2011年2月27日) Photo Abaca Press
ジェー・ローにならって、"クール"なトレーニングを。
ピザ、フライドチキン、ハンバーガー、そしてカクテルなど、ジャンキーな食べ物をこよなく愛し、「役作りで飢え死にするなんてありえない」と語っていたジェニファー・ローレンスが 、厳しい食事療法に取り組むなんて想像ができなかった。そんな彼女に対し、トレーナーのダルトンは的確なルールを設け、長期的に続けやすいメニューでありながら、かつ、ジェー・ロー流にカスタマイズした"クール"なトレーニングを提案した。
1.水分を保つ
まず、誰もが守るべき原則のひとつは、「水分を1日中摂取すること」。さらに運動の後は、発汗によるナトリウム不足を補うため、コップ1杯のミネラルウォーター(レモン水やココナッツウォーターも可)に、塩をひとつまみ加えて飲むとよい。
2.食べ物の割合をコントロールする
ジェー・ローが、「ダイエットをしていると、惨めな気分になる」と打ち明けていたことから、ダルトンは、彼女が大好きだったジャンク・フードを禁止することはしなかった。ただし、量を制限すること。さらに、それ以外の料理を、それぞれ全部食べきらずに、少しづつ異なる品目をまんべんなく口にするようアドバイス。(こんな時に役立つ、ドギーバッグに感謝。)
3.チョコレートは、ひとかけらまでならOK
チョコレートは、ブラックでカカオ75%のものであれば、ひとかけらまで食べてOK。好きな食べものを無理に我慢して、その反動で結局どか食いするはめになるよりは、好きなものを適度に食べて、欲求不満を満たす方が効果的。
4.お酒はカクテルに注意する
ワイン愛好家であるジェー・ローに課された目標は、禁酒ではなく、節度ある (これが常に重要)飲酒。また特にカクテルは、ホワイト・ルシアン(アメリカで人気のウォッカをベースに生クリームとコーヒーリキュールの入ったカクテル)のような、甘くてカロリーの高すぎるものは避けよう。
5.よく寝る
良質な睡眠は、朝のコンディションを整え、生き生きとした健康的な顔色を保証してくれるもの。まさにダルトンは自著の中で、仕事で疲れた時や、時差ボケの時など、積極的に「効率的なお昼寝」を取り入れることを推奨している。心身ともに解き放って、充電しよう。
映画『ハンガー・ゲーム』のカットニス・エヴァーディン役。三つ編みヘアがトレードマーク。(ロサンゼルス、2012年3月22日) Photo Abaca Press
次ページでは、ベストな状態を作り上げるエクササイズを紹介!
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柔らかくウェビーなワンレングスヘアに、メイクはスモーキーな眼差しに赤いリップ。カンヌ国際映画祭に合わせたグラマラスなスタイル。 (カンヌ、2013年5月18日) Photo Abaca Press
心も、身体も、ベストな状態を作り上げるエクササイズ
以上の指針に加えて大切なのが、心を健康的で元気な状態に整えるためのエクササイズ。ダルトンは、身体だけでなく、心を良い状態へ導くためのいくつかの基本ルールを設けた。
6.トレーニングしながら楽しむ
ハードなトレーニングを乗り越えるためのいちばんの方法は、楽しむこと。まるで体育の授業のような義務感を抱かないためには、今行っているエクササイズを好きになれるかどうかが大事。ダルトンはジェー・ローのために、彼女が嫌がらずに、楽しく取り組める特別メニューを考案した。トレーニングのポイントは、自分が楽しいと感じ、そして、夢中になれること。自然とモチベーションが上がり、運動によってさらなる達成感を味わいたくなるのだ。
7.姿勢を正す
背筋がピンと伸びていると、自然と美しい印象を与える。ダルトンは、正しい姿勢を身につけるために、"T-Bird(T字の鳥)"ポーズを提唱している。まず膝を軽く曲げ、背中を真っ直ぐ保ち、腕は身体の横につけた状態からバストと垂直になるよう横に広げていき、T字を作る。そして肩を1分間緊張させる。この一連の動きを何回か繰り返すことによって、真っ直ぐな姿勢が保たれ、胸を張る習慣がつく。これが要するに、レッドカーペットに立つ時の理想的なポーズだ。
8.ストレスを管理する
レッドカーペットの上、またはテレビや映画の撮影現場で、せっかくヘアーもメイクもばっちり決めたのに、緊張で汗をかいて台無し...などということを防ぐため、ダルトンは、ジェー・ローに、ストレスを瞬時に解消するコツを教えた。まず、自分の呼吸に集中し、そして瞑想すること。横隔膜からの深い呼吸を意識し、鼻から息を吸って、空気をお腹・胸郭・胸・喉の中に満たしていき、再び鼻から息を吐き出すこと。呼吸への集中によって、効率的にリラックスすることができるのだ。
9.熱心に取り組み続ける
ダルトンは自著の中で、教え子であるジェー・ローのことを褒めている。「今ではオスカー女優となった彼女は、知り合った当初から仕事で苦労していたが、課せられたトレーニングはしっかりと実行し、常に正しい食事を心掛け、また何より人生を楽しみながら、見事に自分の健康とストレスをコントロールしてきた。トレーニングメニューに取り組み続けたことによって、今やお手本として素晴らしい女優になったのだ」と。
プラチナブロンドのボブに、アイライナーでクールな瞳を演出。シャイニーな魅力を放って。(マドリード、2015年11月10日) Photo Abaca Press
実際、最近のジェニファー・ローレンスは、今までにないほどスレンダーで、健康的で、自信に満ちていて、ダルトンのメソッドが確かな成果をもたらしたことがうかがえる。 今やディオールの顔で、ファッションアイコンとなったジェー・ローは、完璧な変貌を遂げたのだ。彼女自身も、ダルトンの著書の序文で、こう感謝の言葉を述べている、「ダルトンは、映画『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のために私の身体を変えてくれただけでなく、私の人生を変える道しるべを示してくれた。 以来彼とは仲良しで、ロンドンに滞在する際は彼のフィットネスジムでトレーニングして、その後に彼の家族とハンバーガーとポテトを食べに行くのが楽しみなの。すべてはバランスが大事ね」
ジェニファー・ローレンスの体重は明らかに落ちたが、笑いのセンスはいまだ健全のようだ。これはもうダルトン・ウォンの教えに従ってみるほかないのでは!?
ダルトン・ウォン著『The Feelgood Plan : Happier, Healthier & Slimmer in 15 Minutes aDay (幸せのプラン:1日15分でハッピー&ヘルシー&スリムに)』(英語)は、こちらから。
texte : Jade Serieys (madame.lefigaro.fr), traduction : Sawako Yoshida