なぜいつも疲れているのか? 見直すべき10の習慣。

Beauty 2017.03.28

毎日規則正しく睡眠を取っているのにも関わらず、身体にずっしりと残る疲労感……。この慢性的な疲労には、複数の原因が考えられる。そこで今回は、栄養士で心理学者のニナ・コエン=クビ氏と、フランス国立保健医学研究機構(Inserm)の研究所長で神経生物学者のジョエル・アドリアン氏の、ふたりの専門家による分析をもとに、自分にあてはまる生活習慣をチェックしながら、自己診断をしてみよう。

170329_madamefigaro_01.jpg毎晩赤ちゃんのようにぐっすり眠っているのに、まったく疲れが取れない?原因はビタミン不足や、太陽の光を十分に浴びていないせいかも。または、過剰労働の可能性も。photo : Getty Images

1. 運動を後回しにする。

疲れて運動する気力がなく、予定していたランニングやヨガをパスして、リビングのソファでダラダラ……。これは間違い! 「スポーツや運動は、身体の体内時計を調節しながら、睡眠の質を向上させてくれます」と、神経生物学者のジョエル・アドリアン氏は説明する。そのため、運動をないがしろにすると、睡眠のサイクルが乱れ、ますます悪循環に陥ってしまう。少しでも運動を取り入れることで、脳はエンドルフィンを生成し、リラックス状態を作り上げ、さらに強壮効果によって、疲れを克服するエネルギーを与えてくれる。

2. 食事が偏っている。

仕事が忙しくなると、昼食はデスクで軽く何かつまむか、打ち合わせの合間に簡単にサンドイッチで済ませてしまうなんてことも……。もし、最近あくびが止まらなくなったり、なかなかやる気が出ないと感じたりしていたら、これは間違いなく食生活に問題あり。何より元気を取り戻すには、まず、健康的な食生活と体調管理を優先して。食べ物は、自分に精神的な満足感を与えてくれるもの、また、マグネシウムと食物繊維が特に豊富なものを選ぼう。昼食には、オメガ3脂肪酸を含む脂身のある魚や、野菜、フルーツ、シリアルなどを摂取するよう心がけて。夕食は、重いものを避け、消化にいい料理を選び、さらに、お腹が空かないためには、栄養素が十分高いものを食べよう。たとえば、砂糖にはスローカロリーシュガーを使用し、そしてパスタやシリアル、また白身肉に含まれるでんぷんやプロテインを摂取して。ただしお寿司やジュースは、満腹感を与えるどころか、むしろお腹を空かせてしまうので気をつけよう。

3. 水分をあまり摂らない。

朝から晩まで、一日中水分を摂ることを意識するのはなかなか難しい。しかし、このシンプルな習慣が、疲労に打ち勝つための有効な手段となる。「日常の中で、私たちの身体は、1日に1.5リットルの水分を失っています。これを補わないと、内側から脱水が起こり、筋肉が収縮しやすくなり、さらに細胞の神経交換機能が低下することで、人体を疲弊させてしまいます」と、栄養士のニナ・コエン=クビ氏は解説する。そのため、しっかりと水分補給を心掛け、1日にコップ10杯分の水分を摂取すること。

>>ビタミンD不足、働き過ぎ……あなたに当てはまる習慣をチェック。

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4. ビタミンDが不足している。

170329_madamefigaro_02.jpgブラックチョコレートは、酸化防止剤とマグネシウムを含んでいるため、精神的な安定を導き、身体の筋肉を緩め、リラックス効果を与えてくれる。適量は、1日1ピース。photo : Getty Images

ビタミンDが不足している可能性があるかもしれない。ビタミンDは、体内の免疫を高め、体調を健康に管理するには重要な栄養素。しかし、太陽の光を浴びないと活動しない。「生物学的な体内リズムというのは、自然光の影響を受けています。そのため、秋や冬などの季節にとりわけ大きな疲れを感じるのは普通なことなのです」と、ニナ氏。少しでも有効にビタミンDを摂取するには、脂身のある魚を優先して食べよう。

5. 鉄分、またはマグネシウムが不足している。

鉄分が不足するだけで、エネルギーはすべて吹き飛ばされてしまう。そんな鉄分不足の原因は、しばしば意外なところにある。「たとえば、紅茶を過剰摂取することで、鉄分の吸収が阻止されてしまうことがあります。その他、潰瘍や消化不良の場合も、出血しやすくなるため、鉄分が不足してしまいます。また、銅が付加されている子宮内避妊器具を装着している女性や、生理が重い女性の場合も、同じように鉄分が不足してしまうケースがあります」と、ニナ氏は説明する。鉄分不足は、慢性的な疲れを引き起こすだけでなく、「いわゆる“むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)”(*)を促します。すると、睡眠が浅くなり、短時間の間に何度も目が覚めてしまいます」と、神経生物学者のジョエル氏は忠告する。鉄分を十分に補い、オリンピック選手級の体力を保つには、キッチンに鉄分を含む野菜(インゲン豆、レンズ豆)や赤身肉、またドライフルーツやシリアルが常備されていることを確かめて!
また、マグネシウム不足も、疲れとストレスの原因に。マグネシウムは筋肉と神経の交感を促してくれるため、十分に摂取しないと、緊張したり、短気になったり、不安になったりと、疲れやすい状態を引き起こしてしまう。そうなったら、すぐに買い物に出かけ、チョコレート(ブラック)や豆類(インゲン豆、ソラ豆、レンズ豆など)、採油植物などに含まれるマグネシウムを手に入れよう。

*“むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)”とは、足の裏やふくらはぎ、太ももなどに強いかゆみや痛みなどの不快感が起こり、じっとしていられなくなる病気。

6. 働きすぎている。

きちんと睡眠を取っているにも関わらず、ベッドからなかなか起き上がれず、職場に着いてもエンジンがかかるまで時間がかかる? それは、ひょっとしたらすでに過労状態にあるのかも。神経生物学者のジョエル氏によると、「過労によって、身体と脳のエネルギーは低下します。他の人と同じ量の仕事をこなすには、大量のエネルギー源を集めなくてはならなくなります」。過労状態を改善するには、連続14時間の睡眠を取るだけでは十分ではない。完全に元気を回復するには、本当の意味での安静と休息の充電期間をしっかりと設けて。

7. 不健康な人間に囲まれている。

イライラしている同僚とは、休憩中は距離を置いて。「脳には、“ミラーニューロン”という神経細胞があり、心身ともに健康的な人と接すると、自分自身もポジティブな状態になり、反対に周りの人が不健康だと、同じように気が滅入ってしまいます」と、栄養学士のニナ氏は説明する。そのため、自分にとって悪い影響をもたらす環境は避けること。

>>寝具が合わない、お酒を飲む……まだある、いつも疲れている理由。

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8. 寝具が合っていない。

自分のベッドで寝転がるのが好き? もしかしたら、その習慣が慢性的な疲れの原因かも。もし10年以上同じマットレスで寝ていたら、自分に合っていない可能性があるので、いまこそ買い換えるべき。「もし寝具が合っていないと、身体が痛くなるまではないにしても、睡眠は浅くなり、すぐに目が覚めてしまう状態を作り出します。すると今度は日中に眠気が襲ってくるようになってしまいます」と、神経生物学者のジョエル氏は解説する。理想的なマットレスの定義というのは存在しないが、「自分が心地いいと感じる寝具を使うことです」と、ジョエル氏はアドバイス。

9. あまり自然光を浴びない。

170329_madamefigaro_03.jpgフランスのいくつかの精神科医や薬局では、ライトセラピー用のランプをレンタルすることができる。photo : Getty Images

もし、疲労感に加え、憂鬱な気分が伴う場合、それは自然光を浴びる機会が減る季節の変わり目に生じる、季節的な鬱に苦しんでいる可能性がある。自然光による紫外線には、エンドルフィンを活発にし、幸せホルモンの生成を促す働きがある。ただ、秋にはどうしても、自然光を浴びることが少なくなる。そこで発生する季節的な鬱は、一般的には10月頃に不意に訪れ、3月には解消していく傾向があるといわれている。ただし、この秋にやってくる憂鬱な気分というのは、必然ではない。憂鬱から自分を守るには、さまざまな対策が存在し、その一例にライトセラピーがある。

10. お酒をよく飲む。

仕事後の一杯や、友達との飲み会はめったに断わらない? お酒をよく飲む習慣がある場合は、いつものモヒートを、ジュースにしてみよう。「睡眠の質は、自然と年齢に比例するため、年を重ねるにつれて、アルコールに影響されやすくなります。最初はお酒によって眠気が起こり、眠りやすくなるような気がしますが、次第に睡眠は浅くなり、小刻みに目が覚めてしまうので注意が必要です」と、神経生物学者のジョエル氏は警告する。
 

texte : Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr), traduction : Sawako Yoshida

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