メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。<アムリターラ編> 自然農法の植物を生かした、妥協しないものづくり。

Beauty 2017.11.20

国産原料を主成分とする、日本生まれのスキンケアがおもしろい! フィガロジャポン1月号「メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。」の紹介記事に加え、各ブランドの原料選定、栽培、製法のこだわりを、より詳しくリポートします。

■ 使用成分に、独自のこだわりを追求。

肌にも環境にも優しく、オリジナリティあふれる製品を次々と生み出しているアムリターラ。オーガニックという言葉がまだ世の中に浸透していなかった10年以上も前から、誠実にものづくりに取り組んできたのが勝田小百合代表だ。心身の不調を経験したことをきっかけに、オーガニックのフードやコスメに注目し、従来では考えられなかった条件での化粧品づくりを実現してきた。また、彼女は「アンチエイジングの鬼」というブログを通して情報を発信。化粧品の成分については、ブログの中でもかなり詳しく触れている。そしてアムリターラでは、彼女のこれまでのこだわりを明文化し、使用成分について「10の約束」という独自基準を設けている。 

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左:野生の茶の実を加熱せずに圧縮した生搾りのオイルと無農薬栽培の米ぬかを低温で搾ったオイルをブレンド。ジャパニーズティー&ライスブランラスティックオイルセラム 20㎖ ¥5,940(期間数量限定) 中:熊本県で自然栽培された色とりどりのニンジンから抽出したキャロットオイルほか、6つのオーガニックオイルを配合。シワの悩みに効果を発揮。ラインリリース モイストアップ アイクリーム 20g ¥6,804 右:愛媛県で育った甘夏の蒸留水をベースに、アムリターラ農園で栽培されたローマンカモミールと美白に効果的といわれるホワイトローズマリーのエキスも配合。アマナツトーンアップウォーター 120㎖ ¥3,996/以上アムリターラ
photo:SATOSHI YAMAGUCHI, création en mizuhiki:CHIE NAGAURA(TIER)

■自然農を通じて出会った、生産者との絆。

9年前から自社で田んぼを持ち、農園ではハーブを育て始めたアムリターラ。現在は熊本県・菊池市に農園を、大分県・中津江村に田んぼを構えている。化粧品にはできるだけ自然農で取れた植物を使うようにしているのがこだわりだ。

菊池市は"ホタルの里"といわれるほど水がきれいな場所。農園ではホワイトローズマリーやローマンカモミールなどを自然栽培し、その植物エキスを製品に配合している。ここを管理しているのが、お茶農家でもある中尾要介代表。

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美白作用のあるホワイトローズマリーやローマンカモミール、数種類のミントなどを自然栽培。今後、ハーブの種類も増やしていく予定。

この近くには、アイクリームに使われるニンジンを作っている「なないろ農園」もある。赤、オレンジ、黄色、紫など色とりどりのニンジンを、オリーブスクワランに漬け込みエキスを抽出。こうして作られたキャロットオイルが配合された「ラインリリース モイストアップ アイクリーム」は、第三者機関による抗シワ評価試験にも合格した名品だ。

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キャロットオイルの原料となるカラフルなニンジン。

田んぼのある中津江村は、山間の自然豊かな農村。ここで農業を営む櫻井夫妻が、無農薬・無肥料でアムリターラの田んぼを管理している。山の寒暖差、阿蘇の山々からの天然水が、甘味のある米を育てるそうだ。

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山の上にある田んぼ。毎年、田植えと稲刈りはアムリターラのスタッフもともに行う。収穫したお米は、味噌などの加工に使われる他、アムリターラで販売される。

田んぼの近くには、野生の茶樹が自生している。茶の抗酸化作用に目をつけ、それが凝縮している実を搾れたら......と勝田代表が追い求め、やっと出合ったのがこの茶樹だ。「ジャパニーズティー&ライスブランラスティックオイルセラム」には、この野生の茶実油が配合されている。

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栽培されている茶畑では、茶の実はほとんど見られないが、野生の茶樹はたくさんの実をつけるのだそう。これを採取し、天日干ししたものからオイルを搾る。30kgの実から、わずか2ℓしか取れない。

勝田代表はまず自然農を行う生産者たちのもとへ出向いて、環境や土を見て、栽培する植物を見て、そして語り合う。その姿は非常に印象的だ。生産者との強いつながりが、アムリターラの製品を支えている。

■フィトケミカルを最大限に生かす、製造へのこだわり。

環境に優しく、できるだけ自然な形を生かすという信念は、製造工程も例外ではない。たとえば植物エキスは、植物発酵エタノールと水だけで抽出し、防腐剤、石油由来のPG(プロピレングリコール)やBG(ブチレングリコール)は使わない。精油についても、光毒性のある成分を取り除くために抽出方法を工夫し、ひとつひとつの原料についてフィトケミカルを生かすことを徹底している。

また、勝田代表が「合成の界面活性剤や合成の防腐剤を使わない」と決意して化粧品づくりを始めた当初、それを実現できる製造工場は珍しかったそうだ。二人三脚で時間をかけながら、手探りで歩んできたパートナーであるその工場は、日本初のエコサート認定を取得するにいたった。

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植物オイルを抽出する鹿北製油の圧搾機は、明治5年製の石臼式。「玉搾り」という昔ながらの方法で、原料の成分を生かしたまま油を搾り出す。植物によっては、まったく加熱せずに圧力をかけて生搾りし、手すき和紙で漉すなど、随所にこだわりが。

●問い合わせ先:
アムリターラ
0120-980-092(フリーダイヤル)
www.amritara.com

勝田代表が無農薬のお茶を求めて行き着いたというお茶農家の中尾代表は、古くから自然農でお茶を育ててきたベテラン。自然農で作ったお茶は、えぐみが少なくてとても優しい味。アムリターラ農園のハーブ栽培も受け持つ。

自然農つながりで知り合ったのが「なないろ農園」の亀川直之代表。5年前に神奈川から熊本に移住し、土地に適した野菜を栽培。無肥料栽培のための土づくりにこだわりをもっている。カラフルなニンジンのほか、オクラやインゲン、大根なども育てる。

中津江村で奥様の美絵さんとともに、お米や大豆、マコモ、きくいもなどを栽培している櫻井克明さん。土の状態を見ながら、自然農を実践。

texte:NAOKO KUBO

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