ガブリエル シャネルが愛した3つの地へ、香りの冒険。

Beauty 2018.06.01

ドーヴィル、ビアリッツ、ヴェニス。ガブリエル シャネルが愛した3つの地からインスピレーションを得た香りのコレクション「レ ゾー ドゥ シャネル」が登場した。

シャネル専属調香師オリヴィエ ポルジュが手掛けた3つの香り「パリ ドーヴィル」「パリ ビアリッツ」「パリ ヴェニス」は、旅へと向かう列車を彷彿とさせるもの。その地の空気を肌で感じることができ、足を運ばなくても、纏うだけで旅する喜びをもたらしてくれる。それぞれの香りが生み出された背景と、その特徴を紹介しよう。

革命の始まりの地―パリ ドーヴィル

ドーヴィルは、ガブリエル シャネルの伝説が始まった地。1912年、当時帽子デザイナーであった若きガブリエルは、パリジャンたちが週末を過ごすリゾート地であったドーヴィルに心を奪われ、この地で彼女の最初の服のクリエイションを発表することを決意する。

180531_chanel_01.jpg

© Photo All Right Reserved

翌1913年、ビジネスマンでありポロプレイヤーであったボーイ カペルのサポートを得てブティックをオープンし、自身初のコレクションをお披露目したガブリエル。女性の身体が窮屈なコルセットで締め付けられていた時代に、首元の開いたシャツ、水平の制服からヒントを得たボーダーのウエアやジャージー素材といった服は革命ともいえるものだった。

180531_chanel_02.jpg

© All Rights Reserved

そのドーヴィルを香りで表現するにあたってオリヴィエ ポルジュがイメージしたのは、現在のノルマンディー地方の景色そのものではなく、“都会に暮らす人々が、週末を郊外で過ごしたいと夢見ている”という事実。「生い茂った草の中をそぞろ歩きするような雰囲気」と彼が語る香りは、オレンジの果皮やプチグレイン、バジルの葉からエネルギッシュに始まり、ローズとジャスミンが奏でるフローラルノートから、パチュリの上質で際立つ個性へと続く、ビターできりりとしたグリーンノートとなっている。

180531_chanel_03.jpg

パリ ドーヴィル オードゥ トワレット 125㎖ ¥17,280(店舗限定発売)
© CHANEL

---fadeinpager---

スポーツの精神とエレガンス―パリ ビアリッツ

1915年、ガブリエル シャネルが新たな店舗を開く地として選んだのは、バスク地方の海岸沿いにあるビアリッツ。上流社会の人々がバカンスを過ごすラグジュアリーホテルやカジノ、ビーチに隣接する場所に、モダンで快適な雰囲気のブティックがオープンし、当時のスペイン王妃も上顧客として名を連ねた。

180531_chanel_04.jpg

photo Seeberger@ Bibliothèque nationale de France

サン=ジャン=ド=リュズのゴルフ場にほど近いビアリッツは、その後、一大スポーツリゾート地に。ガブリエルはボーイ カペルと一緒にビーチでピクニックをしたり、大西洋で海水浴したり、友人たちとのパーティを楽しんだりもした。

180531_chanel_05.jpg

© TopFoto / Roger-Viollet

このビアリッツをイメージする香りに採用されたのは、はじけるようなグレープフルーツとマンダリンオレンジのトップノートに、シトラスとスズランの調和したみずみずしいノート、そしてヴェチヴァーにホワイトムスクノートが寄り添う、開放的な空気と水のエレガンス。「まるでそれぞれの香りの素材がたっぷりと水をまとっているようなセンセーションを、肌の上で生み出したいと思いました」とオリヴィエは語る。

180531_chanel_06.jpg

パリ ビアリッツ オードゥ トワレット 125㎖ ¥17,280(店舗限定発売)
© CHANEL

---fadeinpager---

創造力を刺激する場所―パリ ヴェニス

ボーイ カペルの突然の事故死に落胆していたガブリエルが1920年、友人たちに誘われて向かったのがヴェニス。ヨーロッパと東洋の文化を結ぶ街の姿は、彼女を魅了し、再び人生への情熱を取り戻させた。画家たちとの出会い、太陽が降り注ぐビーチで行われるパーティ……。

180531_chanel_07.jpg

© Private Collection

モザイクの美しさやきらめくゴールド、サン マルコ寺院の贅沢な宝石は、彼女の初めてのジュエリー コレクションのインスピレーションにもなった。ヴェニスは彼女を元気づけて励まし、想像力に満ちたひらめきをもたらしたのだ。

180531_chanel_08.jpg

Photo V.H. Grandpierre © All Rights Reserved / Courtesy of Vogue Paris

オリヴィエ ポルジュはこの香りをクリエイトするにあたり「旅の目的地としてのヴェニスという場所だけでなく、パリからイタリアへと向かう、オリエント急行での長い道のりからもインスピレーションを得ました」と語る。3つのフレグランスのうち、最も都会らしさを感じさせるパリ ヴェニスは、シトラスをベースに、穏やかに主張するネロリの個性、レッドベリー、アイリスとグラース産ローズ ゼラニウムのスパイシーでフローラルなノート、セダーとアンバー アコードの囁き、そしてヴァニラのノートとオリエンタルな香りが広がっていく。

180531_chanel_09.jpg

パリ ヴェニス オードゥ トワレット 125㎖ ¥17,280(店舗限定発売)
© CHANEL

●問い合わせ先:
シャネル カスタマーケア
0120-525-519(フリーダイヤル)
chanel.com
Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories