香水と末永く付き合うための、5つのコツ。
Beauty 2018.09.04
香水は毎日の身だしなみに欠かせないアイテム。でも、使う時には注意も必要だ。香水とうまく付き合うためのベーシックなルールを、香りの専門家が指摘する。
香水を上手に身につけ、保管するのはどうしたらいい? 香水の国、フランスからのアドバイス。photo:Eva-Katalin/iStock
ベストセラーなのに私に合わない、第一印象と香りが違う、3時間しか香りがもたない――そんな悩みはもうおしまい。ずっと同じ香水を愛用するにしろ、毎年変えるにしろ、バラの香りを一日中キープし、香りを上手に楽しむために心がけたいことがいくつかある。フレグランスや香料を取り扱う「シムライズ」の調香師レスリー・ゴティエが、香水の楽しみ方を教えてくれた。健全な精神は、いい香りのする肉体に宿る。
1. 試してから買う。
友人の意見やインターネットに書き込まれた口コミを信じる? あるいはパッケージで選ぶ? そんな観点から買う前に、まずは相性を試してほしい。調香師のゴティエによれば、「肌の特徴は人それぞれ。同じ香水でも、つける人によって効果は違います。“売上げナンバーワン”は、セレクトの基準にはなりません」。ゆえに、これと決める前に、自分に合うものをきちんと見極めることが大事。一生使うことになるかどうかはともかく、少なくともボトル1本分は付き合うのだから。
2. 香りがどう変化するか知る。
だからテストは必須。そしてこれを軽んじないこと。試す時には守るべき手順がある。「香りがどう変化するかを確かめます。香水をつけたら店を出て、1日そのままつけておきます。気に入ったら翌日、店に戻って買うといいでしょう」というのがゴティエのアドバイス。ではどんな部位につけるのがいいのだろう? 「首、耳の下のくぼみ、手首、毛髪といった、香水が揮発しやすい体温の高い場所が適しています。ただし、あまり近くから吹きかけないように気をつけて。あるいは、香水を目の前で霧状にスプレーし、その中をくぐって全身に香りを染み込ませる、というやり方もおすすめです」。
試したい香水がひとつだけなら簡単だが、いくつか候補があって悩んでいる場合は? 手っ取り早く、いくつかいっぺんに試すなら、片腕で2~3種類まで。手首、二の腕、肘の内側といった具合に、それぞれ間を5センチ以上離してつけること。忍耐力のある人なら、1日1種類ずつ試すという手もある。
3. バスルームには飾らない。
マーケティングツールとしての役割も果たす香水のボトル。年々、デザインもおしゃれになり、見た目も美しいから、お気に入りの香水はバスルームの棚に飾っておきたくなる。でも実は、香水は見えない所に保管する方がいい。「光や温度の変化は、香水の色や香りに影響します」とゴティエは解説する。「ライトの付いていない戸棚や化粧品棚など、光が当たらず温度変化の少ない場所にしまいましょう。保管場所として最適なのは冷蔵庫です」。栓がついているタイプの香水瓶は、「香水が空気に触れないように注意を。香水には空気と反応しやすい成分が入っていますから」。つけたらすぐに栓をする、これが鉄則。
4. 手首はこすり合わせなくてもいい。
醸造家がワインをテイスティングする前にグラスを揺らすように、香りの専門家は匂いを検証するために手首をこすり合わせるイメージがある。ゴティエはこの神話をあっさり否定。「手首をこすると温まって、揮発しやすくなります。けれど、そのことで匂いが変わったり、香水の効果が変化することはありません」。この詩的な仕草の意義は? 香水をつけるという毎日の行為が神聖なものになる、という程度のようだ。
5. 適量を知る。
いい香りも、うっかりつけすぎると悪臭に。その境目は微妙だ。ゴティエは、同じ香りをいつもつけていると慣れてしまい、匂いを感じにくくなるという。スプレーのもうひと押し、を我慢すべきなのはそうした時だ。残念ながら、香水をつけすぎているかどうかは、自分ではよくわからないもの。「友人や同僚など、日常的に接する人の意見を聞くのがおすすめです」。それでも、自己コントロールは大切だ。香水はときに周囲の迷惑にもなることを肝に命じて、時々基本から見直すこと。香水の魔法が解けてしまわないように。
texte: Julia Avellaneda (madame.lefigaro.fr)