努力しているのに、どうして体重が変わらないの?

Beauty 2018.10.05

体重計に表示される数字はこの15年間ずっと同じ。あらゆるダイエットを試みているのに、どうしてこうなるのか。栄養学専門医がその理由を解説する。

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健康体重は、必ずしも見た目に美しいとされる体重や、理想的なBMIと一致するわけではない。photo:iStock

余計な体重を追い払っても、すぐに駆け足で戻ってくる。あるいは、1~2kgの変動はあるにせよ、思春期の終わりから体重がほとんど変わらない……。しかもいろんなダイエットを試みているのに。この体質という変え難いものに、文句のひとつも言いたくなるが、もしそれがよくできたシステムだとしたら?

体重は摂取したカロリーと燃焼したカロリーだけで決まるものではない。「身体にとってバランスのいい体重とは、すなわち本人の努力に関係なく身体が維持しようとする体重のことです。この仕組みが体重のセットポイントです」と言うのは、栄養学専門医で『Comment maigrir heureux(幸せに痩せる方法)』の著者ローランス・プリュメだ。

身体が体重を一定に保とうとするこの仕組みには、遺伝、ホルモン、新陳代謝、居住環境など、複数の要因が絡んでいる。人間は常に、その人の遺伝的資質や生活習慣に適した体重を保つべく調整をしている。ティラミスをひと匙食べたその瞬間、節食して落とした3kgがたちまち戻ってしまうのは、生体のこうした仕組みのせいなのだ。

無理に体重を落とす必要はない。

「体重のセットポイント」とは、健康体重を生理学の用語で言い換えたものだ。生体は正常に機能するバランスのいい体重を維持しようとするが、その体重は体調がいいと感じるものに合致する。つまり、「何年も安定して同じ体重で、特に健康上問題がなく、身体が快調なら、それがその人にとっての健康体重です」とプリュメは語る。健康体重は、必ずしも見た目に美しいとされる体重や、理想的なBMIと一致するわけではない。「BMIから割り出される標準体重を3~4kg上回っていても、健康状態は良好という人もいます」とプリュメは強調する。

血液検査の数値が良好で、もう10年も15年も体重がほとんど変動していないのなら、体重を減らそうとする必要はない。それでもダイエットしようとすれば、かえってバランスを崩すことになる。「理想的なBMIに合わせるために体重を4kg落としてしまうと、栄養不足や筋肉量の減少を引き起こし、健康を損なう恐れがあります」とプリュメは注意を促す。いずれにせよ、ダイエットをやめた瞬間、体重のセットポイントの調整が働いて、体重計の針は元に戻ることになるのだ。

ただし、年齢を重ねるにつれ代謝のスピードは遅くなる。そのため体重は増え、しかも増えた分はなかなか落ちない。「50歳を過ぎたら、1~2kg、あるいは3kg程度体重が増えるのは普通のことです。それまでの健康体重から5kg以上増加したら、運動量を増やして、健康的な食生活をするよう心がけましょう」

texte:Sevin Rey (madame.lefigaro.fr)

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