毎日4トン! フランスのコスメ廃棄をストップする策とは?

Beauty 2021.03.08

IFOP(フランス世論研究所)がコスメブランドのラボテの依頼で実施した市場調査で、懸念すべき数字が明らかになった。オーダーメイドコスメを販売するこのメーカーは、これを機に過剰消費を抑えるための策に打って出た。

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毎日、4トンの化粧品が廃棄されている。Photo : Getty images

食品ロスはよく話題に上るが、化粧品の廃棄ロスも過小評価すべきではない。IFOPがラボテのために行った調査(※)によると、46%の女性が、コスメを使い切る前にその使用を止めたと答えている(そのうち13%が頻繁~非常に頻繁に、33%が場合によっては使用を止める可能性があると回答)。毎日4トンの化粧品が廃棄されている計算だ。フランスで1日30万点のフェイスクリームが購入されていると知れば、何ら驚くべきことではない。

最も多い廃棄理由は、「肌に合わないから」だ。その次に多いのが「効果を疑ったため」や、「効果がありそうな別の化粧品を試したくなったから」。3番目に多い理由は「テクスチャーや香りが合わない」で、「アレルギー反応や皮膚の炎症が起きた」と同様に多かった。

石鹸やシャンプーでは固形タイプの利用が徐々に広まっている一方、スキンケア用品の廃棄ロス削減問題はまだ解決途上だ。もちろん、詰め替え用容器で売り出し始めているブランドもある(フェンティ ビューティのハイドラ ヴィゾールのレフィル、チャリンやディオール プレステージのクリーム詰め替え用容器、ノーブル  パナシーアのリサイクル可能なレフィルなど)。それでもこれが一般に普及し、常識的に行われているというにはまだほど遠い状況だ。

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使いかけ化粧品容器のリサイクル

廃棄ロスに対抗するという意図で、ラボテは使いかけ化粧品容器のリサイクルキャンペーン「Laboté hack la beauté」を始めた(容器のブランドは自社・他社不問)。ラボテの研究所に使いかけ化粧品の容器を持参すれば、殺菌消毒し、オンライン上で行う肌診断をもとにオーダーメイド処方のコスメを充填してもらえる。このブランドを立ち上げたリュシール・バタイユは「究極のパーソナライズ化は、過剰消費に対する反論です」と確信に満ちた様子で語る。自宅の棚の奥で眠っている製品の容器に新たな使い道を与えられるだけでなく、肌タイプ、テクスチャー、香りを選べるオーダーメイドのクリームを提供することで、廃棄理由となる消費者の失望を抑えたいのだ。「食品業界と同じように化粧品業界もまた、その本質と良識を見失っていたのです。喜ばしいことに、いまではこのことが世間で広く理解されています」と薬学科出身のバタイユは明かす。

オンラインで申し込んだ場合は、アップサイクルで作られたリンゴの皮由来のパッケージのレフィルとパーソナライズされたラベルが届くので、それをもともと別の化粧品が入っていた容器に自分で充填し、ラベルを貼り替える。バスルームの使っていない容器を片付けるきっかけになりそうだ。

「Laboté hack la beauté」キャンペーンは3月18日まで開催される。より詳細な情報は、ウェブサイトlabote.comで確認を。

※ フランスの人18歳以上の代表的な女性2000人を対象に2020年3月に実施(クォーター法を採用)された市場調査

texte: Justine Feutry (madame.lefigaro.fr) , traduction : Yuriko Yoshizawa

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