自分でつけた香水、時間が経つと匂わなくなるのはなぜ?

Beauty 2021.07.22

鼻は我々に誤解をもたらすことがある。香水をつけてから数時間後に鼻孔がその香りを感知できなくなる理由を、調香師と嗅覚の専門家が解き明かす。

210721-beauty-01.jpg

なぜ自分でつけた香水の香りを感じにくくなるの? photo:Getty Images

香水をつけてから、自分自身はもう数時間も香りを感じていないにもかかわらず、日中に同僚や友人から香りを褒められて驚くことがある。確かに、朝、ときには大量につけた香水を自分の鼻が感知しなくなっても、香りを放っている可能性は十分にあるのだ。これはどのように説明できるのだろう? 香水の品質? 成分? それとも肌のphがその理由なのだろうか?

習慣の問題

実のところ、主な理由は単なる習慣だ。ほかの感覚と同様に、嗅覚も慣れてくるのである。私たちはまだ匂いを感じていても、その情報はもはや脳で処理されていない。メゾン・サンクイエム・ソンの嗅覚専門家であるイザベル・フェランは「鼻腔の周りの副鼻腔には、受容体でふるい分けられた嗅覚粘膜があります。匂いの分子が届くと、その情報は嗅球を介して脳に伝えられます」と説明する。しかし、しばらくすると、その匂いは日常生活や環境の一部となり、脳はその匂いに注意を払わなくなる。「無嗅覚になるのではなく、情報を処理しなくなるのです」

---fadeinpager---

環境がもたらすもの

私たちの嗅覚には、いくつかの外的要因が影響している。一般的には、朝は匂いがよく分かるものだ。「これは飽和の問題です。朝、鼻の中には匂いの分子が入っていません。たとえば、専門家は通常、月曜日の朝まで製品を検証するのを待ちます。金曜日の午後よりも月曜日の朝のほうが、鼻が利くことを知っているからです。さらに、湿度、外気温、気分、あるいはホルモンの影響で、香水の香りをよりよく感じたりそうでないことがあります」と、シムライズ社の調香師であるアリエノール・マスネは言う。また、日中の風や人の動きによって生じる風も、空気の流れを作り、匂いの分子を再び拡散させる。

香水の品質

製品の成分や香りも重要な役割を果たしている。「揮発性の高いトップノートが主成分の香水の場合、匂いの分子はすぐに分散してしまいます。一方、ベースノートが主成分の場合は、蒸発が少ないので翌日まで香りが残ります」と、イザベル・フェランは言う。

たとえば、オレンジ、レモン、ベルガモット、マンダリンなどの柑橘系の香りは非常に早く蒸発してしまう。「フローラル系の香りは5時間、アンバー系の香りは3日間持続します」と、アリエール・マスネが説明を加える。そのため、柑橘系の香りを多く含むコロンやオードトワレは、香水よりも早く蒸発してしまうのだ。

---fadeinpager---

匂いを保つには?

香水の香りを取り戻すための解決策は、数日間香水をつけずに過ごすか、ほかの製品と交互に使うことだ。トイレタリー製品、エクストラクト、シャワージェルといった補完的なアイテムを香水の代わりに使用するか、濃度の異なる同じ香りのライン製品に一時的に置き換えるとよい。

何も致命的なことはありません。イザベル・フェランは次のように結論づける。「匂いがしなくなったということは、それがあなたの一部であり、あなたと完全に調和しているということです。それがあなた自身の香りなのです」

text : Kassandre Fradelin (madame.lefigaro.fr), translation : Shiho Tatsugami

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Recommended

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories