ミス ディオール、ナタリー・ポートマンに独占インタビュー。

Beauty 2021.08.20

女性たちの心をときめかせる人気のフレグランス、ミス ディオールに新作が登場。女優であり母であり、社会活動家として活躍するナタリー・ポートマンが、自身の人生と絡めてミス ディオールやメゾンについて語ってくれた。

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ドレス(参考商品)/ディオール(クリスチャン ディオール)

「愛のように香るフレグランスを私に作ってください」── ムッシュ ディオールのこの一言から歴史が幕を開けたミス ディオール。そのミューズを務めるナタリー・ポートマンもまた、女優として女性として愛にあふれる人。そこで聞いてみた。ナタリー、あなたにとって“愛”って?

「愛──それも長く続く愛というのは『細やかなところにまで目を配ること』と同義と私は考えています。相手のとても細かいところ──たとえば感情や表情の細部にまで注意を払い、相手の言葉や心を聴く、ということ。そうすることで理解も深まります」

本質的な質問にもかかわらず、丁寧に迷いなく答えてくれたナタリー。そしてそれはディオールというメゾンのものづくりにも繋がる、と続ける。ミス ディオールの新作「ミス ディオール オードゥ パルファン」は、シグネチャーであるローズを囲むように幾千もの花々の香りが調和し、鮮やかな世界観を描く。そして、イメージ源のひとつとなったバラの品種名は“スウィート ラブ”。

「ディテールにまで心を配る、これはディオールが大切にする香りの芸術性にも共通しています。(ディオール パフューマー クリエイターである)フランソワ・ドゥマシーの作品はひとつひとつがポエムのようで芸術的。彼のクリエイションを私は敬愛しているの! 新しい『ミス ディオール オードゥ パルファン』も香り自体がひとつのポエムのよう」

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農園とのパートナーシップやエコデザインのパッケージを通じて環境にコミットするディオールの姿勢にも“愛”を感じているという。

「サステナビリティへの理解と行動には感銘を受けます。美しさやラグジュアリーを求めたい気持ちと、地球を犠牲にしたくないという気持ちが、私の中でも世界全体でも大きくなっています。美しさを表現しながら、サステナビリティも共存させるのは素晴らしい」

ミス ディオールのミューズとしてまる10年という節目の年を迎える。

「長い間、こんなに美しくアイコニックなメゾンと関われるなんてインクレディブル! とても光栄なことです。私自身、母として女性としてライフステージが変わる中で、ディオールと一緒に成長できたこと、歩んでこられたことを本当にうれしく思っています」

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マリア・グラツィア・キウリの特別なドレスに身を包んだナタリー。モダンなシルクプリーツに木綿糸と絹糸を使い、手作業で一輪ずつ草花が刺繍されたドレスは、生命力あふれるクチュールメイドな逸品。ドレス(参考商品)/ディオール(クリスチャン ディオール)

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――ミス ディオールの香りの着想源となったムッシュ ディオールの妹カトリーヌがもしも生きていたら……どんな会話をしたと思う?

若きカトリーヌは、大戦中のフランスが困難な時代を生き抜いたレジスタンスファイターでもあり、とても勇敢で聡明な女性でした。そんな強い精神を持った彼女のストーリーを、ミス ディオールを通じて語り継ぐことができて本当に光栄に思っています。本人と話すことができたなら、困難な状況下でも、勇気を持って正しいことを行う意志、自由や正義について話したいです。

――いまはドレスを着る機会が少なくなっていますが、女性にとってドレスを着ることって?

仕事で美しいドレスを着ることも多いですが、私にとってドレスは娘との絆のひとつでもあります。娘には「ママにはいつでもドレスを着ていてほしい」とお願いされています(笑)。娘に服を選ばせたら、きっと毎日ドレスばかり着ることになりそう! 彼女はフェミニンな要素が大好きで、ミス ディオールの香りをつけている私が好き! とも言ってくれます。

――マリア・グラツィア・キウリが作るドレスを纏ってどんな気持ちに?

ドレスにもよりますが、湧き上がるようなフェミニニティを感じます。マリアのデザインするドレスは、とてもモダン。現代女性が何を着たいのかを深く理解していて、どのドレスも女性が自由に走れるデザインであるのも素晴らしいですね。締めつけないし、自分ひとりで着られるし、ドレスの裾がまとわりつくこともなく自由に動けるし、走ることさえできるのですから! アクティブで強くて、独立していて自由……そんな現代女性のことを理解したクリエイションをできるのが、マリア・グラツィア・キウリというデザイナーだと感じます。

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――どの花が好き?

やっぱりローズが好きです。ローズと一口に言っても、いろいろな種類や香りがあり、本当に魅惑的な花だと思います。フランソワ・ドゥマシーと一緒にディオールのフレグランスのためのローズを栽培している農園に行ったことがありますが、栽培や収穫の様子を知ることができたのは貴重な体験でした。

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マリア・グラツィア・キウリによるドレスは草原の花畑をそのままドレスに仕立てたようなオーガニック&ナチュラルな美しさ。500時間もの製作期間をかけて、職人により染色と刺繍が施された。

――コロナ禍という困難な時代に、香りは女性たちにどんな影響を与えると思う?

困難な時代においても、喜びと美しさを求めようとする心、自分で美を見いだすことが大切だと思っています。これは、ミス ディオールというフレグランスが誕生したストーリーと非常に似ています。困難なことに直面していても、この時代に生きているという幸運と喜び、生命に対する美しさを見いだす──香りは女性を勇気づけてくれる存在と言えるかもしれません。

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――メゾンにとって大事なモチーフ、リボン。あなたのリボンの思い出とは?

日本でのお話をしましょう。映画『レオン』(1994年)で来日した際に、日本の文化がどれだけ細部にこだわりを尽くし、ひとつひとつのことに注意を払っているか、そのことにティーンだった私は大きな感銘を受けました。お店に行って何かを買うと、ギフトラッピングのひとつひとつが芸術的。箱に結んでくれたリボンも美しかった。“細部にまで注意を払う”思いやりの深さに、本当に驚かされたのです。日本人の国民性や精神性の表れなのかもしれませんが、美に対する敬意やリスペクトも感じましたし、私自身も美や地球環境への配慮に対してリスペクトの心が育まれました。アメリカは真逆な価値観と言えるかもしれません。アメリカ流は600席のレストランだとすると、日本の寿司屋のカウンターはたったの6席に価値がある。たった6人に心を尽くす、その気持ちに感動をおぼえます。ティーンの頃、こうした日本の文化に接したことは私の人生にとって大きな出来事で、とても影響を受けました。

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ドレス(参考商品)/ディオール(クリスチャン ディオール)

――女性として美しく在り続けるには、何が必要でしょう?

女性が自分自身でいるということ、心地よい環境にいること、自分らしい自己表現ができること。何に対して幸せや喜びを感じることができるのか、自分で理解していて表現できる女性が、私がリスペクトする女性像です。私自身も、そんな美しさを持つ人でありたいです。

――日本の女性たちにメッセージを。

日本は私に多くの影響を与えてくれました。文化から慣習にいたるまで──芸術、映画、商業的な慣習そのひとつひとつや、細部にまで心を配る精神性からも。日本から受けた影響がいまの私をつくっている、と言っていいかもしれません。

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ボトルの首元に結ばれたクチュールボウは、1cmに12000もの編目で可憐な花模様を点描画のようにちりばめた芸術的なもの。ベルベットのようになめらかで甘美なローズを中心に、ミレ フィオリ(幾千もの花々)が奏でる愛の香りで、真のラグジュアリーに酔いしれて。ミス ディオール オードゥ パルファン 30ml ¥9,350、50ml ¥13,200(9/3発売)/パルファン・クリスチャン・ディオール

「ミス ディオール オードゥ パルファン」には、心を動かすほどの美しさがある、と語るナタリー・ポートマン。この香りに抱いた第一印象は?

「ワイルドで自由。野生の花々……というイメージが浮かびました。トップではローズが強く煌めき、続いてアーシーでウッディなトーンが訪れるのがとても印象的。華やかなローズと、湿ったようなウッディの、共鳴し合う香りのレイヤーが感じられます」

着想源となったのはスウィート ラブというローズ。フランソワ・ドゥマシーが農園で一目惚れした艶やかな花弁のローズは、フルーティでいてシャープな香りが特徴。強さと美しさを備えた、まるで現代女性のようなローズを軸に、ジャスミン グランディフロラムやスズラン、アイリスなどの花々で囲んで完成したのがミス ディオール オードゥ パルファン。首筋や手首にのせると、輝くばかりの花々に称えられ、やがて、サンダルウッドの包み込むような香りへと落ち着く。リラックスできるフローラル──これぞ、大人の女性が欲しかったローズの理想形。肌にも心にもなじむ香りだ。

ミス ディオールを象徴するリボン、“ボウ”にも注目を。オートクチュールのドレスを手がける老舗リボンメーカーのアトリエで製作されたジャカード織りに刺繍を織り込んだボウは、同じ柄がひとつとしてない芸術作品。ディオールのクチュールへのエスプリが随所に宿るミス ディオール オードゥ パルファンで、香水の新世界へ。

Natalie Portman
ナタリー・ポートマン

1994年、12歳で映画『レオン』で女優デビュー。ハリウッド屈指の演技力と美貌、知性を備えた女優として活躍。『ブラック・スワン』(2010年)でアカデミー賞主演女優賞受賞。社会活動に熱心なことで知られる。
●問い合わせ先:
パルファン・クリスチャン・ディオール
tel:03-3239-0618

クリスチャン ディオール
0120-02-1947(フリーダイヤル)
www.dior.com

photography: ©Parfums Christian Dior interview & text: Naho Sasaki

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