いま、私たちにマインドフルネスが必要な理由。

Beauty 2021.10.25

久保直子

“マインドフルネス”=mindfulnessとは、ここ数年でグッと社会に浸透したワードのひとつではないでしょうか。英語で見ると、Mind(こころ)ful(行き渡った)ness(状態)と分解することができますが、「いまの自分の心に集中して目を届かせ、向き合うこと。受け入れること」と読み取ることができます。

この分野で第一人者とされているのは、マサチューセッツ大学医薬部名誉教授でもあるジョン・カバット・ジン博士。同氏が開発したという「マインドフルネスストレス低減法」というプログラムは、ストレスによる心身の疾患に適用され、効果があることを実証。このプログラムは、医療業界を筆頭に、会社や学校、スポーツ分野にも広がってきているといいます。

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photo:iStock

身近なところで言うと、“無心”になる写経や座禅が挙げられますが、こうした仏教や、インド発祥のヨガなどが源流となっているのがマインドフルネス。そのためか、瞑想のやり方、呼吸の仕方などを含め、まだ操作的定義は確立されていません。そして、そのマインドフルネス瞑想による効果の現れ方もさまざまで、「スッキリした」「やる気が出た」「イライラすることが少なくなった」「寝つきがよくなった」「深く眠れるようになった」「ストレスを感じにくくなった」などなど心と身体、多岐にわたっています。

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なぜ、いまマインドフルネスなのか?

ストレスフルな現代人は、悩みが複雑で、かつたくさんの問題を抱えています。そのため、常に考え事をして、いつも脳がパンパン。神経が昂り、交感神経優位が続き、自律神経のバランスを崩し、さまざまな不定愁訴が現れます。厄介なのは、それが心身の不調として現れてきますが、はっきりとした病気として定義づけられないことです。マインドフルネス瞑想をすることで、全ての症状が解決できるわけではありません。ですが、心と身体は繊細な神経で繋がり、メンタルの状態が身体の症状を左右する部分も少なくはありません。まずは、多忙すぎて立ち止まれず、あまり構っていなかった自分自身の心と向き合い、落ち着くために、マインドフルネスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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photo:iStock

マインドフルネスに到達する方法として、推奨されるのが“瞑想”。メディテーションです。仏教の座禅にも代表されますが、無心になること。呼吸に集中するなどして心を空っぽにして瞑想を行います。

呼吸をする際に、自然に嗅覚を惹きつけるのが香りの力。香りの分子は約0.2秒以下で大脳に直接到達。自律神経は自身ではコントロールすることはできませんが、呼吸を行うことによって、神経をリラックスさせることができます。交感神経優位が続くことでの心身トラブルが出てきている状態から、副交感神経優位に導く……そのために、呼吸と香りは非常に有効な手段だと言えます。

次回は、具体的にマインドフルネスにおすすめの香りを紹介します。

text: Naoko Kubo

久保直子

ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou

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