マインドフルネス瞑想を助ける、3つの植物の香り。
Beauty 2021.10.26
久保直子
ここ数年、注目されている「マインドフルネス」。今回は、そのマインドフルネスにぴったりの、心を鎮めてくれるおすすめの香りを3つ紹介したいと思います。精油は、基本的に香りが飛びやすいのが特徴なのですが、この3つの香りは持続しやすく、自然を直に感じられるような香りを放ちます。ですが、マインドフルネス瞑想には「この香りでなければならない」という決まりは全くありません。あくまでもその植物が持つ作用や、どう使われてきたかなど、総合的なことを考慮したうえで選んでみてください。
photo:iStock
静寂の精油、ベチバー
イネ科のベチバーは、熱帯地域に自生する植物。根がとても強いので、狭い土地でも根付きます。主成分であるベチべロールは、単体ではなくいくつかの成分の混合体で、神経を鎮静させる作用が高く、「静寂の精油」として知られています。虫除けのサシェやフレグランスの保留剤としても活躍。一度嗅いだら忘れられない大地のような香りは、神経が昂っている時などに使用すると、心をすっと鎮めてくれます。ふわふわとしていて現実感のない時、足に地をつけたい時などに役立ってくれます。特に、自分軸を取り戻したい時にはうってつけ。産後の落ち込みやすい時期にも使え、催淫作用もあるので、さまざまな場面で助けとなる精油です。
<使い方のポイント>
ベチバーは強く、主張する香りなので、少量使いで十分です。単体でもよいのですが、ラベンダーやパルマローザといった精油とブレンドすると、少し土臭さが緩和され、甘すぎない自然な香りとなるので、おすすめです。妊娠初期や、乳幼児への使用は避けてください。
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深い呼吸を促すサンダルウッド
サンダルウッドは、60年かけて成熟していく木。和名は白檀で、インドや中国などでは宗教的儀式で使われてきたほか、現在でも寺院の装飾やお香として用いられています。アーユルヴェーダでもよく使用されていた香りで、フレグランスにおいても重要な芳香物質として知られていますね。ウッディで甘やかで、いつまでも持続するような深みのある香りが特徴的。最高品質は、インドのマイヨール産だとされていますが、絶滅種として認定され、入手困難となっています。
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この精油も非常に優れた鎮静作用を持ち、瞑想する時に使われてきました。主成分はサンタロールで、血流促進、鎮静作用、免疫機能向上などの作用を持っています。考えすぎて、頭でっかちになりがちな時などは、そのエネルギーを下げてバランスを取ってくれます。グラウンディングに役立つ精油でもあります。免疫力を高める働きもありますが、高揚させるよりも落ち着かせてくれる香りです。呼吸の浅い人はぜひチェックしてみてください。
<使い方のポイント>
先に紹介したベチバーとの相性もよく、ブレンドしてもまた奥ゆきのある香りになります。むくみなどにも使える精油なので、植物オイルに少量混ぜてマッサージしてもOK。更年期のメンタルケアにもおすすめです。香りが深く、残りやすいので、衣類につけないように注意。また、重度の鬱状態の方は、単体での使用を避けましょう。
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精神と身体のエネルギーのバランスを取るパチュリ
シソ科のパチュリは、ややペパーミントに似た見た目。土臭さのある、甘さとスパイシーさが混同するエキゾティックな香りで、粘度のあるオレンジがかった茶色をしています。主成分はブルネッセン、パチュロールなど。静脈やリンパの流れを促し、精神面の作用が高まることで知られます。緊張や不安を和らげ、頭の働きが過剰すぎる時には鎮静し、精神と肉体のバランスをとってくれます。また、催淫作用もあり、香水に使われるほか、昔は虫除けなどにも使われていました。チャクラで言うと、第一チャクラのエネルギーを整え、グラウンディングを助ける精油のひとつとも言われています。
<使い方のポイント>
パチュリも非常に香りが強いので、まずは少量から。アロマディフューザーや、アロマスプレーにして芳香拡散してもいいですし、植物オイルに少量混ぜて足などをマッサージすると、より香りを近くに感じられます。妊娠初期は避け、それ以降も妊娠中は十分注意しながら使う必要があります。
text: Naoko Kubo
久保直子
ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou