咳や鼻水、喉の不調など呼吸器系におすすめのアロマは?

Beauty 2021.12.07

久保直子

ずいぶん寒くなってきました。それでもまだ平年より気温が高いようですが、冬になる前のこの時期は、乾燥も進み、肌だけでなく心身ともに不調に陥りやすくなりますよね。鼻、喉などの粘液が乾燥すると、外的刺激を取り込みやすくなりますので、できるだけ保湿をすることが大切です。

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photo: iStock

コロナ禍において、感染予防の重要性は広く知られることになりました。特に怖いのは、空気と飛沫感染、接触など。これらについては、マスクを着用したり、手洗いを重要視することで、かなり予防できることはこの2年で周知されたと思います。

コロナの問題だけでなく、大気汚染が年々深刻さを増しており、それに伴った呼吸器系疾患が増えています。空間を浄化しておくということは、感染症を防ぐためにも、呼吸器系疾患を予防するためにも、心地よく過ごすためにも重要なケアのひとつです。

感染症において、効果を発揮するのが精油。これまでもご紹介してきたとおり、ひとつの精油は多いもので100種類もの成分で構成されています。どの精油も基本的に抗菌力を持っており、主成分や用途によって使い分けられるのが魅力です。冬に向け空気が乾いているいま、コロナはもちろん、インフルエンザなど感染症対策や呼吸器系対策におすすめのアロマをいくつかご紹介したいと思います。

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森林浴しているような清々しい香り
バルサムファー

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カナダ、アメリカで生育しているのがマツ科、モミ属のバルサムファーです。あまりポピュラーではない精油かもしれませんが、クリアで、スーッと染みわたるような清々しい森の香りが特徴です。主成分はモノテルペン代表のβ-ピネン、α-ピネン、リモネンなど。抗菌、抗真菌、抗炎症作用などを持ち、鎮咳作用などがあることから、呼吸器系にも有効とされています。咳だけでなく、息切れや喘息症状の緩和にも役に立ちます。α-ピネンは、最近は森林浴効果がある成分として注目されていますよね。また、免疫力を高め、神経系を強壮する作用もあり、冬の寒い時には心身ともに効果を発揮してくれる精油です。

<おすすめの使い方>

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日中はアロマポットやアロマスプレーで拡散し、空気浄化に使ってみてください。鼻炎などのアレルギー症状がある方は、ユーカリラディアタとブレンドするのも効果的。アロマスプレーにする場合は、1:1でブレンドして、無水エタノールと混ぜてから精製水で薄めましょう。パーソナルスペースにスプレーしたり、マスクスプレーとして使っても◎。

副交感神経を優位に導く精油でもあるので、夜のお風呂タイムなどに使うのもとってもおすすめ。植物オイルやバスソルトに混ぜて、湯船に入れてみてください。粘膜の炎症が緩和され、鼻炎や慢性的な咳の鎮静が期待できます。なんと言っても、深い森を連想させるようなほっと寛げる香りに心から癒やされます。ストレスを緩和しながら、感染症対策したい方におすすめ!

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心身をリラックスさせながら、風邪予防にも
フランキンセンス

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古くから神聖な儀式に使われていたというフランキンセンスは、いまも多くの人を魅了する香りのひとつ。鎮静効果や、肌へのアンチエイジング作用でも知られていますが、実は殺菌消毒力も高く、鼻、喉の粘膜を鎮静して、鼻水や不要物を外へ排出してくれる効果も高いのです。気管支炎や風邪の引きはじめなどに使うと、症状を緩和。バタバタと忙しい毎日で、呼吸も浅く、余裕のない時に使うのにもうってつけです。

地に足をつけて、ゆったりとした気分に導いてくれるのもこの精油の素晴らしさ。瞑想時に使ってももちろんおすすめなのですが、感染症にも大活躍してくれる貴重な1本としてぜひ覚えてください。ちなみにソマリアやオマーン、エチオピア産などが主な産地ですが、最高級なのはオマーン産と言われています。価格もお高めですが、それだけの効果を与えてくれるので、一度試してみて。

<おすすめの使い方>
ディフューザーなどで部屋に香りを拡散させたり、また植物オイルに希釈してヘアケアに使ったり、肌のスキンケアにも効果的! 感染症を防ぐばかりでなく、肌を潤し、エイジングケアも期待できます。樹脂系の香りで、精油の中では持続しやすく、フレグランス代わりにもなるところも魅力です。手首などにオイルを塗り込んでおくと、日中もいい気分でいられます。

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フランキンセンス入りのボディオイルで、デコルテをマッサージした後にヨガやストレッチするなどして、香りを楽しみながら、身体をほぐすのもおすすめ。もともと瞑想などにも使える精油ですから、そういったお家で過ごすちょっとした時間にぜひ使ってみてください。呼吸も整い、咳を落ち着かせ、頭もリラックス! 安眠作用や抗アレルギー作用も期待できますので、この冬の時期にぜひ取り入れていただきたいです。

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痰がからむ咳や、風邪の予防、病後にも
ニアウリ

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免疫力を高める1.8-シネオールを始め、α-ピネンやリモネンなどを主成分とし、去痰作用や抗菌、抗ウィルス作用などがあるニアウリ。咳に痰がからむタイプの方におすすめで、なかなかすっきりしない時に痰を出しやすくしてくれます。そのほか、鼻詰まりや気管支炎などを緩和し、風邪の予防や病後の回復にも、1本あると便利な精油です。ユーカリと同じフトモモ科で香りも似ていますが、ニアウリのほうが少し甘く優しい。ユーカリの香りがちょっと強すぎる、と感じる方はニアウリを試してみてください。

<おすすめの使い方>
部屋に焚いてもいいですが、おすすめはアロマ吸入やアロマバス。特に鼻炎の症状がつらい、痰が絡む咳には効果的です。洗面器にお湯を張って、1~2滴垂らしてタオルを覆って、精油を吸い込みます。鼻がすーっと通って、頭をクリアにしてくれます。吸入し終わったら、そのまま手浴や足浴するのもおすすめ。爽やかにリフレッシュし、身体はぽかぽかに温まります。

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PMS(生理前症候群)の時のイライラ、落ち込みを癒やし、切り替えたいという時にもいいでしょう。抗菌作用が高いので、植物オイルに3~4滴混ぜて頭皮マッサージしても。

text: Naoko Kubo

久保直子

ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士/アロマデザイナー
AMPP(仏植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を所持。美容ライター時代に培った膨大な美容の知識と、植物療法をツールに、独自のウェルネス&ビューティについて発信。そのほか製品開発、アロマデザインやセミナーなど幅広く活動。
Instagram:@naonaonaozou

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