疲れを新年に持ち越さない! 副腎メンテナンス法とは。

Beauty 2021.12.23

桐村里紗

社会的にもストレスフルだった2021年が、そろそろ終わろうとしています。
私たちはハードに追い込まれている時よりも、むしろフッと気が抜けた時にこそ、どっと疲れを感じやすいもの。
ホリデーシーズンこそ、新しい年を元気に迎えるためのセルフメンテナンスに集中しませんか?

気が抜けた時に疲れを感じやすい理由

ハードな仕事が終わってひと息ついたら、風邪をひいて寝込んでしまったという経験もあるのでは?
どうして気が抜けた時にどっと疲れを感じるのでしょうか?
その理由は、自律神経です。
追い込まれている時の私たちは、戦いモードの交感神経が働いています。ストレスに対抗する副腎も頑張ってくれているので、アクティブに動くことができます。
それが終わってフッと気が抜ける時、交感神経モードから副交感神経モードに切り替わります。つまり活動モードからお休みモードに、戦いから休眠へ。
すると、交感神経を活発に働かせ、副腎が頑張っていた人ほど、疲れを感じやすくなります。副腎の機能が低下すると、心身ともに「もう動けない〜」と活動停止してしまいます。

そんな心身の声を聞き逃して、予定を詰め込むと、疲れを持ち越した状態で新年を迎えることになってしまうのです。

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photo: iStock

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副腎を元気にするために補給したい栄養素

ホリデーシーズンのセルフメンテナンス、まずは、疲れた副腎をいたわり、元気に活動できるようになるための栄養素を補いましょう。
副腎が頑張る時に欠かせないのが、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、それからマグネシウムです。
副腎から分泌されるストレスに対抗するホルモン、コルチゾールは、肝臓から作られるコレステロールを原料に、これらのビタミンやミネラルがサポートすることで作られます。
コレステロールを肝臓から運び出すには、タンパク質が不可欠です。

普段の食事でいちばんNGなのは、甘いものや糖質に偏った食事。
ストレスがかかると、脳がなんとか報酬を得ようとして、つい甘いものを食べたくなりますが、血糖値の乱高下やタンパク質不足になると、ますます副腎に負担がかかってしまいます。
ホリデーシーズンのイベントに、ケーキやお餅などを食べる機会もあるでしょうが、そんな時はご褒美として楽しむ程度にして、普段は「ほどほどに」を心がけて下さい。
おかずをモリモリ食べ、主食は軽く、ご飯はお茶碗一杯程度を目安に、バランスよく食べるのが基本です。

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photo: iStock

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ビタミンとミネラルはコツコツ補給

ビタミンB群やビタミンCは、ストレスや活動によってどんどん消費されますし、尿からも排泄されやすいビタミンです。
ビタミンB群は、現代人に不足しがちで、食品から十分に取りづらい栄養素です。動物性の食品に多く含まれますが、有用菌の活動によって錬菌術的に生み出されるので、発酵食品にも含まれます。また、腸内にビフィズス菌などの有用菌がしっかりいる場合、腸内でも作ることができます。腸内環境を整えるには発酵を意識した食生活を送り、腸内細菌を育む食物繊維を補給するために、根菜類や雑穀類、海藻類、キノコ類、豆類をしっかり食べたいところ。

ビタミンCは、柑橘類などのフルーツや、大根、さつまいも、キャベツなどの野菜にも含まれています。ベジをしっかり食べることは基本です。
でも、ストレスがかかるとすぐに消費されるこれらの必須ビタミンは、食事では追いつかない場合もありますから、疲れがあるなと感じる時にはサプリメントで補うのもおすすめです。
回復を早めることができます。

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photo: iStock

また、マグネシウムも不足しがちなミネラルです。
食材では海藻類やナッツ類に豊富ですが、おすすめは、マグネシウムたっぷりのお風呂に浸かること。
エプソムソルト(硫酸マグネシウム)をお風呂に入れると、皮膚からマグネシウムが吸収されて、ポカポカになるだけでなく、不足しがちなマグネシウムを補うことができます。
睡眠ホルモン、メラトニンを作るにも、マグネシウムは不可欠ですから、安眠にも重要。
体内に長時間定着するわけではないので、毎日のお風呂にエプソムソルトを入れて、冷えをとりながら疲労もとりましょう。

text: Lisa Kirimura

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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