ヘアの分け目で、いまっぽさを表現する方法は?

Beauty 2022.01.11

スタイリッシュさを表すヘアの分け目は、あらゆるスタイルのフォルムにおける境界線として必要不可欠だ。目立たせるためにはこれ以上のものはない。ヘアスタイルの専門家たちが失敗しない分け目の作り方について教えてくれる。

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トリー・バーチの2022年春夏コレクションショー。 photo : Victor VIRGILE/Gamma-Rapho/ Getty Images

数カ月前、TikTokでは激しい議論がなされていた。若い世代は、ミレニアル世代が好むアシンメトリーなヘアスタイルはもう終わっていると主張している。もっと悪い言い方をすると、それは時代遅れだとのこと。若い世代ではセンターパートだけがヘアスタイルと呼ぶにふさわしいものなのだ。このヘアスタイルのトレンドへの確信は、ベラ・ハディットからヘイリー・ビーバーまで、彼女たちにとってインスタグラムの糧となり、ルックスに影響を与える女性たちが抱いているものでもある。それでも、キャットウォークではアシンメトリーなヘアスタイルはまだ終わっていないし、ディオールやシャネルにも重宝されている。さて、ヘアの分け目論争は起こるのだろうか?

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センターパートの掟

「ここ数年で、位置付けが進化してきたのは本当です」と認めるのは、“Wedohair”などで活躍するフリーランスのヘアスタイリスト、デヴィッド・マロッタだ。彼によるとセンターパートは、SNSとセルフィーの時代において、より強い主張に伴い復活したものだという。「これは『自分で選択する』という強い思い。そしてこの選択をする人たちは、自己主張したいのです。センターパートはファッションのアクセサリーになっていて、男性でも境界線を際立たせるため2ミリくらい剃ることをためらわないほどです」

ヘアスタイリストのデルフィン・クルテーユもまた、より斬新な面を強調する。「センターパートは数年前よりも、教科書的でおとなしいものではなくなっています。まなざしを強調し、より強さを与えるのです。サイドパートだと、もっとチャーミングになりますね」

ふたりの専門家は、ヘアの分け目に再注目させたボブの役割についても意見を同じくする。長くても短くても、「ボブ」や「ロブは」私たちのヘアを二分する境目を、とても生き生きと描き直すもの。「しかし、ローポニーテールや少し高い位置でのシニヨンでも取り入れることはできます」と自身もストレートヘアを好むデルフィン・クルテーユは明言する。

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アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド 2022年春夏コレクションショー。 photo : Imaxtree

あとは、すべての人に似合うのかどうか。「シンメトリーな顔でなくてはなりません。だからルックスの細部にまでこだわる若い世代にうってつけの分け目なのです。センターパートにするためには、たとえば眉は完璧に描くべき。なぜならセンターパートは特徴を与えてくれると同時に、顔だちを強調し欠点も目立たせてしまうからです」とデルフィン・クルテーユは警告する。

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サイドパートの長所

これこそ、サイドパートという選択の強みだ。どんな顔だちにも似合う方法なのである。「角度を変えることで、片目が少し閉じていたり鼻が少し目立つといったアシンメトリーを和らげることができます。プロとして言えば、片方の端っこから始めて後頭部、センターへと戻していくことで、斜めにしたり丸みを持たせる効果によってボリュームを調整できます」とデルフィン・クルテーユは続ける。「また必ずしもつまらないものにはなりません。特に低く垂れさがるような、あるいはふんわりとした線を描く場合です。こういったバリエーションは似合いやすいし、顔に柔らかさをもたらしてくれます。三つ編みにして、ちょっと独創的にしてみてもいいですね」

また、ファッションの撮影で鍛え上げてきたデビッド・マロッタは、1990年代を象徴するジグザグ分けの復活にも注目。コペルニの2021年春夏コレクションショーで見られたもので、現在はあまり目立たないような方法で取り入れられている。

代替案はあるのだろうか? シャーリーズ・セロンやルーシー・ボイントンがレッドカーペットで見せたのは、分け目に沿ってジュエリーを付ける方法。前回のディオールのクルーズコレクションショーでは分け目を真珠で飾ったスタイルが登場し、この部分が大変注目を浴びた。この時、センターパートかサイドパートかは重要ではなく、ただ“豪華な分け目”となった。

正しいテクニック

センターにサイドのような線を引くため、プロの目から見て必要な道具はひとつだけ、テールコームだ。鉛筆のように、超絶シンプルで扱いやすく、本物の精密さをもたらしてくれる。分け目の線を額から引くか、後頭部から引くかという議論については、「学校によってやり方は違います。必ずしもどちらかが優れた方法というわけではありません。やりやすいと感じることが重要」とデヴィッド・マロッタはいう。短く飛び出た後れ毛を抑えるデルフィン・クルテーユの方法は、「日本製のクリップを使って髪をコントロールしてから、ストレートアイロンで後れ毛を反対方向にためらわず伸ばして」とのこと。

text : Justine Feutry (madame.lefigaro.fr)

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