日焼け止め、ノンケミカルを選ぶべき理由とは?

Beauty 2022.08.15

桐村里紗

連日の猛暑が続いていますね。
私はいま、鳥取と東京の二拠点生活なのですが、この夏は暑さにも負けず、日本海でサーフィンの練習に勤しんでいます。
自宅は10分で皆生ビーチというロケーションなので、日中はオーシャンフロントでオンライン会議、そして合間に海へという最高のワークスタイルです。

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鳥取県皆生ビーチ photo : HIDDEN WEST

そんなわけで日焼け止めは欠かせませんが、紫外線をブロックする効果はもちろん、肌への負担、さらには海の生態系への負担がないプラネタリーヘルスなものにこだわって選びたいのです。

日焼け止めに使われている紫外線をブロックする成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類がありますが、肌や海の生態系に悪影響を与えるのが「紫外線吸収剤」です。

紫外線吸収剤は、肌に受けた紫外線を吸収しエネルギーに変えて放散することで、紫外線のダメージから肌を守る成分。
敏感肌の人は、この紫外線吸収剤で肌が赤くなったり、かゆみが出たりすることがあります。さらに、この成分の一部がサンゴ礁に影響を与えて海の生態系を壊すことも指摘されています。
ハワイやカリブ海の島では紫外線吸収剤のうち、オキシベンゾンとオクチノキサートが使用されている日焼け止めの販売が禁止されています。パラオでは、さらに、防腐剤のパラベンを含む10種類の成分を含む日焼け止めの販売や使用が禁止となっています。
これらの成分は、サンゴの遺伝子を傷つけて成長を妨げたり、生きられなくなる白化(はっか)という現象を起こすからです。

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一方、紫外線散乱剤は肌に受けた紫外線を散乱・反射させることで紫外線のダメージから肌を守るため、肌への負担が少ないだけでなく、海の生態系にも影響しません。
酸化チタンや酸化亜鉛などの天然成分で、赤ちゃんや敏感肌にも使えるのは、このタイプ。
肌にも海の生態系にも優しい日焼け止めを選ぶには、「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」などの表示を確認しましょう。

ノンケミカル日焼け止め.jpg

photo: iStock

最近では、大手メーカーもノンケミカルな日焼け止めを発売していますし、オーガニックのコスメショップや、ネットショップでもいろいろなメーカーのものが選べます。

ただし、このタイプには少しの弱点があります。
⚫︎ 水に弱いので、汗や海で流れやすい
⚫︎ 伸びが悪く白浮きしやすい
⚫︎ 紫外線を防ぐ効果が弱め

最近はテクスチャーの工夫で使用感が比較的改善していますが、ケミカルなものと比べると、効果と使用感の面ではやや劣ります。

でも、自分にも地球にも優しいプロダクトを使うことで、心もハッピーになりますよ。
ぜひ、プラネタリーヘルス視点で日焼け止めを選んでみてくださいね。

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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