冷えや肩こり、不眠を改善。毎日の入浴にエプソムソルト。

Beauty 2022.09.29

桐村里紗

入浴剤を何かひとつだけ選ぶなら、私はダントツ1位でエプソムソルトをおすすめします。
ヨーロッパでは古くから使われている最も一般的な入浴剤で、パリのモデル事務所のアロマセラピストであるフランス人の友人も、以前からハードなパリコレモデルの体調管理にエプソムソルトをすすめていたと教えてくれました。
その名前から岩塩やバスソルトと勘違いされがちですが、塩は含まれていません。
海水中の硫酸マグネシウムを抽出したものがエプソムソルトで、塩よりもさらに即効で身体が温まり、不眠、生理痛、頭痛、肩こり、自律神経の不調にも効果的です。

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photo: iStock

マグネシウムは、日本人に不足しがちなミネラルです。
海の「にがり」の成分ですが、現代人は海藻を食べる習慣が少なくなっているうえに、マグネシウムはストレスにより排泄が促されてしまうため、体内で需要は多くなっているのに供給が不足している状態です。

マグネシウムには、血流を高め、筋肉を緩める働きがあるので、全身の冷えやコリ、筋緊張から来る頭痛に悩む女性に効果的です。子宮も筋肉の塊ですが、過剰な収縮が生理痛の原因にも。マグネシウムが補われることで、子宮の筋肉が緩み、生理痛の緩和が期待できます。
エプソムソルトを加えて入浴すると、普段よりも早く身体がぽかぽかしてくることを実感できると思います。皮膚から吸収されることで効果を発揮します。

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photo: iStock

また、不眠に悩む人にもエプソムソルトでの入浴がおすすめ。
睡眠ホルモン・メラトニンの分泌には、マグネシウムが欠かせません。
メラトニンは、精神を安定させる神経伝達物質・セロトニンから作られますが、その時にマグネシウムが不可欠なのです。
経皮吸収しても身体に定着はせず、尿とともに排泄されてしまいますから、入浴時には毎回、エプソムソルトを加えましょう。
最近では、エプソムソルトを加えたボディクリームもあります。
局所に塗ってマッサージすればコリがほぐれますし、マグネシウムの補給にもなります。

日々のストレスや発汗、運動などでもマグネシウムは消費されてしまいます。
食事からもマグネシウムを補うため、海藻類を意識的にとりましょう。
食塩の選び方も重要です。精製された塩は塩化ナトリウム以外のミネラル成分をすっかり失っていますから、やめましょう。
岩塩は、身体に良さそうですが、ミネラルバランスに偏りがあります。
理想的なのは、海水を平釜で煮詰めてつくる平釜製法の塩。マグネシウムを含むさまざまなミネラルが含まれています。中でも、特にマグネシウムを多く含有するのは、沖縄の「ぬちまーす」です。

ミネラルはビタミンに比べてマイナーで忘れられがちですが、大切な働きをしています。
特に、マグネシウムは女性の不調にも効果的ですから、日常の中でしっかり補うことを意識して下さいね。

text: Lisa Kirimura

桐村里紗

医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
https://tenrai.co/

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